2025.08.11

CARS

プジョーの新フラッグシップ「3008」に試乗 凛々しい顔つきと頼れる走りのプレミアムSUVに生まれ変わった!

新プラットフォームを採用した新型3008の価格は489万~558万円。

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新しいプラットフォーム「STLA-Medium」を採用した第1弾モデルの新型3008。プジョーらしさを残しながら質実剛健な乗り心地へ進化したフラッグシップモデルの登場だ。
試乗会に参加したエンジン編集部の齊藤がリポートする。

8年ぶりに新プラットフォームを採用

3代目へとフルモデルチェンジを果たしたプジョー3008は、ハイブリッドだけでなく電気自動車にも対応している新しいCおよびDセグメント向け電動車用プラットフォーム「STLA-Medium」を採用した初のモデルとして登場。

エクステリアは近年のプジョーに見られるグラデーションのような造形のフレームレス・フロントグリルや、ライオンの爪痕をモチーフとしたライトまわりのデザインを採用。左右のライトをつなぐガーニッシュによりワイドなスタンスを強調している。





インテリアはダッシュボードからドアトリムまで一体のデザインとなっており、視覚的に広さを感じられる。ドライバー側に向けて湾曲している21インチのパノラミックスクリーン「PEUGEOT Panoramici-Cockpit」はフル液晶メーターおよびインフォメーションディスプレイとなっており、先代モデルと同じように小径ステアリングの上部から覗く仕様だ。新型3008ではメーターフードがなくなっているためか、従来のモデルよりメーターが見やすかった。

インパネは21インチの湾曲パノラミックスクリーンを中心とした「i-Cockpit」を採用。

ダッシュボード中央に配置されている液晶パネルのメニューモニターには、計10個のショートカットキーを記憶させておくことができ、頻繁に使用する機能をセレクトして配置しておくことが可能だ。

今回試乗したGT(アルカンタラパッケージ)は、アルカンタラ素材を中央部に使用したシートを装備している。衣服とシート素材の摩擦により、身体が滑りにくくホールド感の高いシートとなるが、座った瞬間から、そのホールド性の高さとしっかりとした座り心地を感じられた。しかし、これまでのプジョーブランドの特徴でもあった柔らかさを感じるシートから、適切な運転姿勢を維持できるドイツ車のような座り心地に変わり、このあたりの評価は賛否が分かれそうだ。

フロントシートにはアルカンタラを使用し、滑りにくく高いホールド性を確保。

ハイブリッドシステムのサポートを使い走り出すと、全長4565mm×全幅1895mm×全高1665mmのボディの大きさや1620kgの車重を感じさせないほどスムーズなフィーリングに驚かされる。「シームレスな走りとはこのことを言うのか!」と改めて感じるほどだ。

走ればいつものプジョーらしさも!

パワートレインは、1.2リッター直列3気筒ターボエンジンに電動モーター内蔵の6速デュアルクラッチ式トランスミッションを組み合わせたマイルドハイブリッド。エンジン排気量こそ小さいものの、電動モーターのサポートもあるため、街中では動力不足を感じることはほとんどない。

また、新型3008は、エンジンルームからの音がしっかりと遮音され、変速ショックが抑えられていることも特筆すべきポイント。走行中も車内で同乗者との会話を十分に楽しむことができた。



コーナーでは、重心の高さや車の重さから発生するロールをサスペンションがしっかりと受け止めてくれ、コーナリング中でも不安を感じることはほとんどない。このような感覚になるのは、剛性が高い新しいプラットフォームによるものだろう。また、路面の段差や凹凸などをソフトに受け止めてから踏ん張る足まわりにもプジョーらしさが感じられた。

新型3008の価格は489万~558万円。日本国内におけるプジョーのフラッグシップモデルであることを考えれば納得できる価格と言えるだろう。



文=齊藤優太(ENGINE編集部) 写真=佐藤亮太

(ENGINE2025年9・10月号)

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