2025.08.20

CARS

新型ランボルギーニ「フェノメノ」の初公開を現地で見てきた! わずか29台の限定モデルを西川淳がリポート【動画あり】

フェノメノのワールドプレミアの瞬間に立ち会った自動車ライターの西川淳さん。現場の興奮そのままに取材を敢行。

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生産台数はたったの29台!

フェノメノはなかでもデザインセンターの20周年を祝して誕生したと言えそうだが、フューオフ・モデルそのものは、ほぼ3年おきに登場している。このビジネスモデルもまたステファン・ヴィンケルマンが2007年に発表したレヴェントンから始めたもので、「ブランドのデザインマニフェストを宣言する有効な手段だと思った」と着任早々に始めたプロジェクトについて単独インタビューで回想した。当時のランボルギーニといえば年産わずかに1600台。そこから台数規模を約7倍(24年で約1.1万台)にまで拡大させている。

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世界限定29台。もちろんすでに完売御礼。年産2000台時代のレヴェントンが、クーペとスパイダー併せて35台であったことを思い出せば、この数が極めて少ないことがわかるだろう。

フューオフモデルは、レヴェントン(2007年・35台)のあとはセストエレメント(2010年・20台)、ヴェネーノ(2013年・12台)、チェンテナリオ(2016年・40台)、シアン(2019年・82台)、カウンタックLPI800-4(2021年・112台)、とその台数はモデルによって異なるが、それぞれに意味づけや、またブランドの置かれた状況、顧客の要望などを考慮して決めてきたという。

今回は特に将来、価値を失わない台数にしたかったとは、マーケティングのトップで1998年からサンタアガータに勤める生え抜きのフェデリコ・フォスキニの弁だ。

ちなみにミィティア・ボルケルトもまた筆者の単独インタビューに応じて、こう冗談めかした。「チェントロスティーレの20周年だろ、それに過去の12気筒フューオフのモデル数、クーペとスパイダーを別々に数えた9種類を足して29さ」。もちろんこれは彼の私見である。

フェノメノはデザインだけじゃない、最新技術が未来の指針に!?

それはさておき、すでにフェノメノのスペックなどは詳しく報じられているので本文ではあえて触れないけれども、これまでのフューオフとは少し違った点がある。それは単なるデザインマニフェスト=これからのランボルギーニ・デザイン、にとどまらないと言うことだ。どういうことか?







フェノメノのベースモデルはV12プラグインハイブリッドのレヴエルトである。もちろんエンジンはファイン・チューニングされ、電気システムはバッテリーを完全に新設計にするなどパワートレインを進化させ、システム総合出力は堂々の1080psとなった。

けれどもそれだけにとどまらず、可変レーシング・ダンパーやCCR-Mブレーキ、6Dセンサーによる車体制御、ブリヂストンとの共同開発による公道用セミスリックタイヤなど、ランボルギーニのスーパーカーによって初めてのテクノロジーが満載されているのだ。

これは過去のフューオフにはなかったこと。たった29台のためにそんなことをするはずがない。これは近い将来、たとえばレヴエルトの後継モデルやテメラリオの派生モデル、などに採用されるに違いない。

デザインマニフェストであり、また動的なテクノロジーマニフェストでもあるフェノメノ。テストするチャンスはないかもしれないが、期待のエレガントなハイパーカーのデビューであった。

■エンジンTVでも動画公開中!



■ランボルギーニ・フェノメノ
駆動方式 AWD(V12後輪駆動+モーター前輪駆動)  
全長×全幅×全高 5014×2076×1161mm  
ホイールベース 2779mm    
最高出力 835ps/9250rpm  
最大トルク 7250Nm/6750rpm 
システム合計出力 1080ps
トランスミッション 8段DCT  
タイヤ(前/後) 265/30 ZRF21/355/25 ZRF22  
車両本体価格(税込) 約6億円

文=西川淳 写真=ランボルギーニS.p.A.

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