2025.08.31

CARS

日産GT-Rの名前に必要なのは“勝利” R32型で復活したGT-Rの命名と第2世代の速さの理由とは

R32型スカイラインGT-Rニスモ。R32スカイラインGT-Rは1990年に全日本ツーリングカー選手権にデビューし、すべてのレースで優勝した。

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【全3回の2回目】

2025年8月28日にR35型「日産GT-R」最後の1台がラインオフし、GT-Rはその歴史に一旦幕を降ろした。GT-Rはスカイライン時代を含めると、ハコスカおよびケンメリGT-R世代、R32~R34型スカイライン世代、そして今回最後の1台を送り出したR35世代という3つの世代に分けることができる。

そんな3世代のGT-Rの歴史を3回に亘って振り返るのが今回の企画。その中篇となる2回目は、インターボで武装したRB26DETTに油圧多板クラッチを用いた電子制御4WDのアテーサE-TSを持つR32~R34型スカイライン世代をフォーカスする。

1回目【ハコスカ&ケンメリ世代】はこちら

3回目【最後の1台を送り出したR35世代】はこちら

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GT-Rは3世代に亘り休養

ケンメリ・スカイラインGT-Rで最初の中断が入ったGT-Rだが、その灯が消えたからといってスカイラインは非力なエンジンしかなかったのといえばそうではない。ケンメリの次の世代になる5代目スカイライン、通称ジャパンではターボ・エンジンが登場、6代目のニューマンでは4気筒ながらもDOHCエンジンが復活。「RS」と名付けられたスポーツ・モデルに搭載された。

R32型スカイラインGT-Rニスモ

RSにはその後DOHCターボも登場する。7代目のセブンス・スカイラインでは6気筒のDOHCエンジンが登場。さらにターボ車をベースに高性能化を図ったレース用ホモロゲーション・モデルの「GTS-R」が追加されたものの、GT-Rのネーミングは復活しなかった。GT-Rのネーミングに必要なのは強力なエンジンを積むことではなく、「レースに勝つ」ことだからだ。

R32型スカイラインGT-R

GT-R第2世代が幕開け

ケンメリを最後に途絶えていたGT-Rのネーミングが復活するには、じつに16年もの月日が必要となった。そして生まれたのが、1989年に登場した8代目スカイラインをベースにした、GT-R第2世代で最初のモデルとなるR32型スカイラインGT-Rだ。

R32スカイラインGT-Rに搭載されたエンジンはRB26DETT型直列6気筒DOHCツインターボ。型式からも想像できるように排気量は2.6リッターである。

この2.6リッターというなんとも中途半端な排気量は、ターボ車では排気量が係数1.7で乗算されるという当時のレース・レギュレーションを考慮したもので、ターボ係数を掛けても4.5リッター以下のクラスに入るように設定された。RB26DETTの最高出力は当時の自主規制値上限の280馬力に抑えられた。最大トルクは36.0kgmだ。

R32型スカイラインGT-Rニスモ

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