2025.09.10

CARS

ユーモラスで親しみやすい顔の「ID.クロス」が現る フォルクスワーゲン新命名モデルがまたひとつ登場

かつてのVWのネーミング方式ならいわばクロス・ポロか? 新命名ルールではID.クロスに。

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フォルクスワーゲンがIAA、ドイツ国際モーターショーで、電動SUVの新モデルを示唆する「ID.クロス・コンセプト」を発表。

ID.+数字より親しみやすく、分かりやすい?


先日のID.ポロに続く新たな命名法を適用したBEVで、次期T-クロスの電動バージョンに相当する。



これまでエントリー・クラスの電気自動車のコンセプト・モデルとして、Bセグメント・ハッチの「ID.2オール」と「ID.GTI」、Aセグメント・ハッチの「ID.エブリー1」を発表しているフォルクスワーゲンだが、ここにさらに売れ線のBセグメントSUVが加わることになる。



“アーバン・ジャングル・グリーン”と銘打ったボディ・カラーに身を包んだコンセプト・モデルの顔立ちは、いかにもショー・モデルといった仕立てで、ユーモラスとも無表情とも取れる少し眠たげな表情だ。



これが市販版で変化するのか否かはともかく、4161×1839×1588mmの3サイズや、2601mmのホイールベースはほぼ確定値なのだろう。



現行T-クロスのガソリン車に比較すると、80mm近く広い全幅はともかく、全長は20mm、ホイールベースは50mm程度の拡大で、全高は10mmと変わらない。

ただし、235/40サイズのグッドイヤーと、それを履くバルボアと名付けられた21インチ・ホイールは、ショー・モデル仕様とみていい。



このコンパクトなサイズながら、荷室容量はクラス水準を上回る450リットル。さらに、フロントにも荷物を入れておける25リットルのコンパートメントが設けられる。これは、“MEBプラス”ことフォルクスワーゲンの電気自動車専用プラットフォームのなせる業だろう。



キャビンもまた、コンパクトSUVとしては広く、ここでは1.8m超えの全幅がプラスに働いている。センター・コンソールに香炉や植物を置いているのはショー向けの演出だろうが、張り出しを抑えて開放感を生んでいるダッシュボードやドア・トリムは、そこそこ現実的な造形なのかもしれない。



メーター・パネルには11インチ、インフォテインメント・システムには13インチと、ディスプレイはBセグメントとしてはかなり奢っている。ファブリック張りのダッシュボードの質感や、ワーゲン・バスばりにきっちりリクライニングできるシートなどにより快適に過ごせる空間は、心地いいオアシスを目指し、音や光、空調などの調整でくつろげるラウンジのような演出も、ショー・モデルではできるという。

駆動方式は、フロント・モーターによる前輪駆動が基本で、最高出力は211ps。サンドイッチ構造のフロアへはさみ込まれるバッテリーの容量はまだ非公開だが、気になる航続距離は、WLTP値で最大420kmとのことだ。



Bセグメント・ハッチバックの2台は、「ID.ポロ」とそのGTIモデルとして2026年に量産化されることが公表されているが、このID.クロス・コンセプトも、市販版が来夏に披露され、年末に発売される予定だ。そして、末っ子のエブリー1は、2027年公開が計画されているという。

また、これら4台は当然ブランド・グループ・コアと呼ばれるくくりのフォルクスワーゲンとその商用車部門、セアト/クプラ、シュコダともシェア。それにより量産効果を高め、低価格での提供を可能にするとのこと。



ドイツの巨人は、日本をはじめとするアジア勢のコンパクトな電気自動車たちを脅かすようなプライスと性能を実現するのか。お手並み拝見といこうではないか。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)

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