2025.10.21

CARS

発売を遅らせた理由はバンパーの下に見えるコレ! 進化したGRヤリスにサーキットで試乗 ATとエアロの進化は特筆モノだ

試乗会では、まず2020年型の初代ヤリスに乗ってから、25年型のMT車、次にAT車、そして最後にエアロPkg装着車と順番に試すことができた。

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運転が上手くなった気がする

だが、この日一番感心したのは、最後に乗ったエアロ・パフォーマンス・パッケージ(エアロPkg)装着車であったことを、声を大にして言っておこう。何しろ、コーナーでも直線でも走りの安定感が違うのだ。

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プレシャスブラックパールの個体はエアロPkg装着車。大きなリアウイングに注目。

このサーキットで運転が一番難しいのは、インフィールドの、やや逆バンクになっていると感じられる長い中速コーナーだと私は思うのだが、そのいつも不安を感じながら走る中速コーナーでの安定感がエアロPkgアリとナシではまるで違っていて、アリだとまったく安心して駆け抜けられたから、自分の運転が上手くなったような気さえしたのだ。

10月1日発売のエアロ・パフォーマンス・パッケージ装着車。

巨大なリアウイングがついているから、リアが安定しているのは当然だが、それだけでは逆にフロントがリフトしてアンダーステアが出てしまう。それを解消するために、開発ドライバーを務めた大嶋和也選手がテストにテストを重ね、発売を半年遅らせてようやく完成したのが、バンパーの下にチラリと見えるフロントリップスポイラーだったのだという。結果として、エアロPGKを装着することで、富士スピードウェイでのラップタイムが約1秒向上したというが、私には、タイム云々より、安心して中速コーナーを駆け抜けられるようになったことがうれしい。

そして、こんな涙ぐましい努力をして、ひとつのパーツを開発している人たちがいることが、もっとうれしい。いちクルマ好きとして、今、GRの進化ぶりからは目が離せない。

文=村上 政(ENGINE編集長) 写真=トヨタ自動車

■GRヤリスRZ“ハイ・パフォーマンス”+エアロ・パフォーマンス・パッケージ
駆動方式 フロント横置きエンジン4WD
全長×全幅×全高 3955×1805×1455mm
ホイールベース 2560mm
車両重量 1290kg(AT車は1310kg)
エンジン形式 直列3気筒ターボ
排気量 1618cc
ボア×ストローク 87.5×89.7mm
最高出力 304ps/6500rpm
最大トルク 400Nm/3250~4600rpm
トランスミッション 6段MT(8段AT)
サスペンション(前) マクファーソン式ストラット/コイル
サスペンション(後) ダブルウィッシュボーン/コイル
ブレーキ(前後) 通気冷却式ディスク
タイヤ(前後) 225/40ZR18
車両本体価格(税込み) 547万5000円(MT)、582万5000円(AT)

(ENGINE2025年11月号)
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