2025.11.03

CARS

「MINI ポール・スミス・エディション」とスミス卿がJMS2025にやってきた

ジャパン・モビリティ・ショー2025で、MINIとポール・スミスによる最新コラボモデル「MINIポール・スミス・エディション」が世界初公開された。英国デザインの伝統とユーモア、そして電動化時代の新しいMINIスピリットが融合した一台だ。

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東京ビッグサイトで開幕したジャパン・モビリティ・ショー2025(JMS2025)。そのMINIステージの中央に立っていたのは、英国の遊び心と伝統を象徴する2つの存在、MINIとポール・スミスだった。両者の新たなコラボレーション、「MINI ポール・スミス・エディション」がここで世界初公開されたのである。

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MINI×ポール・スミス、人気のコラボレーション、再び

MINIとポール・スミスの関係は、今に始まったものではない。1998年、ポール・スミスはクラシック・ミニの限定モデルに自身のシグネチャーを与え、ブルーの車体にマルチストライプのディテールを施した。その一台は、英国デザインのウィットとエレガンスを体現した存在として、いまなお多くのファンの記憶に残っている。以来、MINIとポール・スミスは幾度となくコラボレーションを重ね、クラシックをひねりで再解釈するという共通の精神を磨いてきた。そして今回、その精神が電動化時代にも受け継がれた。



今回発表されたMINI ポール・スミス・エディションは、MINI クーパー3ドア、5ドア、コンバーチブルの各モデルで展開される。エクステリアは、英国ノッティンガムを想起させる深いグリーンをキーカラーに、ポール・スミスを象徴する「シグネチャー・ストライプ」を随所にあしらった。足元にはダークスチールのアクセントを効かせた18インチのナイトフラッシュ・スポーク・アロイホイール。トランクリッド・ハンドルにはポール・スミスのサインが刻まれ、この特別仕様車に一層の品格を与えている。





電気自動車(EV)はJMS2025での発表をもって世界販売が開始され、内燃エンジン搭載モデルの受注は2026年第1四半期にスタートする予定だ。




ポール・スミス卿がステージに登場

発表会の壇上に登場したのは、BMW AG取締役会メンバーでカスタマー・ブランド・セールス担当のヨッヘン・ゴラー氏、そしてデザイナーのポール・スミス卿である。

ゴラー氏はまず、近年のBMWグループが見せる製品革新の勢いを紹介した上で、こう語った。
「MINIは未来がすでに現実となっているブランドです。クーパー、エースマン、カントリーマン、コンバーチブルは、これまでで最も完成度が高く、よりMINIらしいラインナップになっています」





さらに彼は、日本市場との深い結びつきを強調した。

「1980年代、MINIの生産が世界的に中止される危機にあったとき、日本の輸入業者が独自に生産継続を働きかけた。それがきっかけで世界的な復活につながったのです。つまり、日本なしにMINIの成功は語れません」

MINIの物語の中で、日本が果たした役割への感謝を込めた言葉だったのだ。

その流れで話題は、MINIとポール・スミスの過去のコラボレーションへ。ゴラー氏は「最初のMINI ポール・スミスは不朽のクラシックとなり、納車台数の半数以上を占めたのは日本だった」と振り返る。そして新たなエディションの発表にあたり、「このクルマを紹介するのに、彼以上にふさわしい人物はいない」と宣言し、スミス卿がMINI ポール・スミス・エディションに乗って登場。





サプライズに驚きの声が漏れる中、スミス卿が穏やかな笑みとともにステージ中央へ。
「こんにちは、日本。ここに来られて本当に嬉しいです」
と語りはじめた。

「私は1980年代から日本を訪れています。日本も、日本の人々も大好きです。日本でこうした発表ができるのは夢のようです」

彼にとって日本は第二の故郷のような場所でもある。MINI ポール・スミス・エディションのデザインには、その日本的な温かさが反映されているように思えた。

「クルマに込めたのは楽観と幸福です。ドアを開けると床には“Hello”と書かれ、室内には“Every day is a new beginning(毎日が新たな始まり)”という言葉を掲げています。毎日を前向きに、楽しもうというメッセージです」

ゴラー氏が「お気に入りのモデルは?」と尋ねると、スミス氏は少し考えて笑う。
「これ、このモデルです」とステージの最新モデルを指差し、会場には笑いが広がった。

時代が変わっても、MINIは単なる小型車ではない。そこには英国的なアイロニー、デザインへの愛、そして人生を楽しむ姿勢がある。MINI ポール・スミス・エディションは、その精神を新しい世代へとつなぐ“希望のストライプ”と呼びたくなるのであった。

文=佐藤 玄(ENGINE編集部) 写真=望月浩彦

◆ジャパン・モビリティ・ショー2025の最新情報はこちら!

(ENGINE Webオリジナル)

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