2026.03.14

CARS

突然の事故から生還 エンジン編集部の996型ポルシェは完全復活できたのか?【エンジン編集部長期リポート 79号車 ポルシェ911カレラ4S(996型)#79】

突然の事故の修理から戻ってきた79号車を筑波のショートコースで走らせてきた。果たしてその結果は?

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不慮の事故に遭って、2ヶ月余りの入院を余儀なくされた79号車だが、退院後の経過は順調。今月はEDLに参加して、筑波サーキットへ。

やっぱり79号車が一番

2ヶ月の修理の間は、79号車をぶつけたバレーパーキング会社が用意してくれた718ケイマンのレンタカーに乗っていた。2リッターフラット4ターボを搭載したPDK仕様で、運転がすこぶるイージーなのに加えて、最新モデルだけに装備が充実しており、自動追従機能付きのクルーズ・コントロールまで装備していた。おかげで、箱根にロケで向かう際に、昨今は平日の朝でもほぼ毎回のように遭遇する横浜インター付近の大渋滞の中でもまったく楽チンで、しかも山道では驚くほど軽快で速いものだから、やっぱり最新のポルシェが最良なのかも、などという思いが頭をよぎったりもしたのだった。



しかし、帰ってきた79号車に乗ったら、そんな浮気心はいっぺんに雲散霧消してしまった。ひとことで言うなら、“ポルシェ濃度”がまるで違うのだ。どこにもユルいところがないと感じさせる精緻に組み立てられたエンジンとマニュアルギアボックス、そしてドーンと構えた剛性感の高いシャシーとボディがもたらす重厚感あふれる走りは、これぞポルシェの味だ、と大声で触れ回りたくなるほど濃密な味わいを持っている。

それに比べると、言っちゃ悪いが718ケイマンはエンジンの感触もPDKのつながり方もずいぶんとユルかったなあ、と思えてきてしまうのだった。速さや使い勝手の良さは間違いなく大きく進化しているが、その分、味の方はずいぶんと薄口になっているのではないか、というのが、再び79号車に乗ってみての718に対する率直な感想である。あくまで個人の感想なので、オーナーのみなさん気を悪くしないで下さい。

全交換して塗装し、ピカピカになったバンパー。よく見るとボンネット部分とは少し色が違っている。

さて、それはさておき、10月2日には、エンジン・ドライビング・レッスンに参加し、筑波サーキットのジムカーナ場とコース1000を走ってきた。先月号で報告したように、今回の事故ではフロントバンパービームの付け根がグニャッと曲がるほどに損傷しており、その余波はそれが取り付けられている車体フレーム側にも若干及んでいた。そのために軽微な修正が施されたことが、走りにどんな影響をもたらすのか、その点が一番の心配事だった。

しかし、今回、ジムカーナ場でオーバルコースを何周も走ってみたが、これまでと変わった感触はまったくなかった。コース1000でも、まわりを走る最新モデルたちに比べたら決して速くはないけれど、これまで通り44秒台でフツーに走ることができたのだから、完全復活したと言っていいだろう。

あとは塗装が新しくなったフロント部分の再コーティングを、バレーパーキング会社にやってもらえることになっている。

文=村上 政(ENGINE編集部) 写真=神村 聖

■PORSCHE 911 CARRERA 4S 導入価格(新車時):340万円(1244万2500円) 導入時期:2017年4月 走行距離(導入後):13万8457km(5万6072km)

◆エンジン編集部長期リポート 79号車 ポルシェ911カレラ4S(996型)の連載一覧はこちら

(ENGINE 2025年12月号)

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