2025.11.26

CARS

「AUDI」の新コンセプト・カーが登場! 第一弾のワゴンに続いて提案するのはやはり大型の電動SUV

独自の世界感のある「AUDI E SUVコンセプト」が広州モーターショーで登場!

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なんともややこしいのだが、独「Audi(アウディ)」は中国専売ブランドである「AUDI」の「E SUVコンセプト」を、広州モーターショー2025で公開した。

「Audi」と「AUDI」はどう違う?


「AUDI E SUVコンセプト」のサイズは5057×2042×1786mm、ホイールベースは3060mmという、堂々たる体躯の電動SUVだ。ベースは「Audi」が上海汽車と共同開発したプラットフォームのADPで、これはコンセプト・カー第一弾であるワゴン・タイプの「E」や、2025年9月に発売した市販車第一号の「E5スポーツバック」と共通だ。

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パワートレインは前後1基ずつのモーターで、総合出力は500kW(約680ps)。0-100km/h加速は、5秒程度となる見込みだ。バッテリー容量は109kWhで、航続距離は中国のCLTCモード値で700kmを越えるという。800Vシステムを採用し、充電性能は最短10分で320km走行分の電力を補充可能だ。



エクステリアは、「E」で示したデザイン言語を踏襲し、前後端とも四角いライトの帯が一周する造形で「Audi」で見慣れた“フォーリングス”の代わりに大文字の「AUDI」ブランド・ロゴを据え付けた。



実際の前照灯は、黒いループの垂直部分に配置されている。シームレスな面構成も共通するが、ホイールハウスは彫りの深いアーチで縁取られ、ボンネットは切り返しを入れて平面的に見せることで、SUVらしい力感を演出。この「E SUV」は「AUDI」の第二のモデルとして、2026年に市販化されることが予告されている。



いっぽう、“フォーリングス”の従来の「Audi」としては「A6L e-トロン」を展示した。春の上海モーターショーで披露されたBEVのセダンで、グローバルに展開する「A6 e-トロン」に対しホイールベースを132mm延長している。



後席居住性がより重視される中国において、ほかのマーケットよりロング化したモデルを主力に据えるのは定石だが、このジャンルを開拓したのは「A6L」だった。「Audi」は、いち早く中国市場に参入した国際的なプレミアム・ブランドで、「A6」の初投入から40年近い年月が流れたが、その直後に追加した「A6L」は、LWB(ロング・ホイールベース)モデルを設定した初のプレミアム・モデルだったという。



その路線を継承する「A6L e-トロン」は、フォルクスワーゲン・グループのBEV用プラットフォームであるPPEがベース。



グローバル・モデルより大容量の107kWhバッテリーを積み、CLTCモードの航続距離は770kmに達する。こちらは、Audiが長く協力関係を築いている、第一汽車との合弁会社が生産・販売を行う。

つまり、「AUDI」と「Audi」は、中国でのパートナーが異なる。基本的に、地元企業との合弁設立が参入の条件となっている中国市場で、勢力拡大を図るために捻り出した策が、この難解なブランド展開というわけだ。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)
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