2026.03.14

CARS

少ししか積めないのがいい スタイリストのキム・チャングさんが荷物がちょっとしか積めない小さいクルマをあえて選んだ理由とは

エンジン読者の多くは50代以上のおじさん達なのですが、ファッション・アドバイスをお願いします。

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スズキ・ジムニー

キムさんはスズキ・ジムニーで現場に現れる。

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「クルマが大好きなので、自分だけの好みで選ぶとクルマが大きくなってしまうんです。最初は洋服をたくさん積めるゲレンデ(メルセデス・ベンツGクラス)がいいかなと思ったんですけど、それだとちょっと当たり前すぎて面白くない。スタイリストなのに荷物がちょっとしか積めない小さいクルマをあえて選ぼうと思ったんです。洋服は厳選すればいい。小さいクルマのなかで最も魅力的に見えたのがジムニーでした。それにジムニーなら自分以外の家族が気楽に運転できます」

スズキ・ジムニーの外観に大きな変更はない。

キムさんと何度も仕事をしてきたが、いつも洋服選びのセンスには感心させられる。「わが人生のクルマのクルマ。」に大学時代からの友人で、ニッポン放送のアナウンサーである上柳昌彦さんが登場したときも、スタイリングはキムさんだった。

キムさんが厳選した洋服に着替えた彼に「そのまま買ったら? すごくいいよ」と言ったほど、彼のイメージに合っていた。

「洋服を準備する前にインターネットなどで、その人を調べます。公の場でどんなスタイルをしているのか? インタビューなどでどんなことを話しているのか? などを見てイメージを膨らませます。たとえば愛車がジャガーだったらちょっと英国調のものを取り入れたり。また、あえてアメカジといったまったく逆の提案もしたりします。僕にとってスタイリングとは自分が好きなものを投影する鏡みたいなものです。自分の好きなものをモデルさんやタレントさんに着てもらって、現場でカッコイイという声が出ると、心のなかでしめしめと思います」

エンスーな愛車遍歴

そんなキムさんが最初に買ったクルマは1990年に最後のマイナーチェンジを受けた初代のアルファ・ロメオ・スパイダー。

「いわゆるシリーズ4です。ある出版社の編集長がオレのを譲ってやるよと言ってくれて。でも2カ月で返しました。運転席前のダッシュボードから配線が何本もダラーンと垂れてきて、何だこれ? と驚きました」

運転のときのファッション・アイテムはサングラスとキイホルダー。黄色いレンズはモスコットで黒はレイバン。「黄色いレンズは雨の日に明るく見えてラクなんです」。

イタリア車のあるある洗礼を受けたキムさんだったが、そのあともプジョー505、マセラティ・ギブリ、マセラティ・クアトロポルテ、ランチア・テーマとエンスーな欧州車を乗り継いでいった。

「スズキ・ジムニーが来る前は1979年式のメルセデス・ベンツ280TEと、友人と共同所有の1983年のポルシェ911の2台持ちでした。そこにスズキ・ジムニーが加わったわけですが、280TEは委託販売に出しています」

メルセデス・ベンツ280TEに乗っている頃には荷室を洋服で一杯にしてテレビや雑誌の撮影現場を駆け回っていたのだという。

「実は6年前に大病をしました。それからはいくつものブランドを巡り、荷室一杯に収めた洋服の積み下ろしが大変になりました。自分で持てる範囲で仕事をしようというのもジムニーを買ったきっかけです」



とはいえ、クルマ好きの心に火はまだ灯っている。「Gクラスのミニ・サイズが出るみたいなんですよ。これが出たら欲しいですね」

エンジン読者の多くは50代以上のおじさん達なのですが、ファッション・アドバイスをお願いします。

「歳をとって老けない人はいません。あじわい深くなる。そこに古着なんかを合わせると味×味になっちゃうんです。歳をとったら綺麗なものを着た方がいいです。僕もヴィンテージの洋服とか嫌いじゃないんですが、この歳で着ると痛くなっちゃうんです」

耳が痛い。膝の破れたジーンズはいい加減破棄しようと思った。

文=荒井寿彦 写真=茂呂幸正

(ENGINE2026年1月号)
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