2025.12.10

CARS

純内燃エンジン&サーキット専用車「ブガッティ・ボライド」が生産終了へ 次世代の電動化モデルは新たな体制で生産か

純内燃エンジン車がなくなるブガッティの明日はどっちだ!?

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ブガッティのサーキット専用車であるボライドが、生産を完了した。

1つの時代の終焉! ブガッティは新たなパトロンのもとでスタートするのか?


同時に、象徴的な“W16”エンジンも、内燃エンジンのみで駆動するモデルも、姿を消すことになる。

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「ブガッティ・ボライド」の公開は、2021年のミラノ・ショーだった。8リットル・4ターボのW16ユニットは、最高出力/最大トルク1850ps/1850Nmを発生し、わずか1240kgの車体を500km/hの世界へ導くという。



サルト・サーキットのラップタイムは、ル・マン24時間のコース・レコードを凌ぐとされる、桁外れのハイパー・カーだった。

2022年にデザインを確定した「ボライド」は、エンジニアリングも固まった翌2023年に、組み上がったプロトタイプが100周年のル・マン24時間のデモンストレーション・ランに登場。ル・マンの優勝経験を持つ、オフィシャル・ドライバーのアンディ・ウォレスは、ストレートで350km/hをマークしてみせた。



その後も2024年初頭まで念入りに開発作業を行なった「ボライド」は、年も終わろうかという頃に1号車をロールアウト。それからおよそ1年を経て、40台目となる最終車は、オーナーが所有する「タイプ35」にインスパイアされたブルーの内外装に仕立てられた。



エクステリアはブラック・ブルーとスペシャル・ブルー・リヨネー、インテリアはレイク・ブルーのアルカンターラで覆われ、ボディ・サイドのアクセントにはトリコロール、スティッチにはライト・ブルー・スポーツを採用。なんでもこれは、同じオーナーの「ヴェイロン・グランスポーツ」とお揃いの色使いなのだとか。

今後のブガッティは、V16ハイブリッドで最高出力1800psという新型車「トゥールビヨン」を2026年に発売するとしている。生産はこれまでどおり、フランス・モルスアイムのシャトーを改装した本社に隣接するアトリエで行われる。すでに2021年には、クロアチアのハイパー電気自動車メーカー、リマックとの合弁会社を設立しており、電動パワートレインの扱いにも不安はなさそうだ。

しかし、ここにきて体制に変化をもたらしそうな話が持ち上がっている。リマックが、「ブガッティの完全買収に向け動いているのだ。

合弁の開始にあたって、フォルクスワーゲンからポルシェへ譲渡されたブガッティ株のうち55%を購入したリマックが、報道によれば残る45%も買い取る提案を行なっているという。



いっぽうで、ポルシェはリマックの株主でもあり、ブガッティの運営をリマックに任せた上で発言権を残すのか、それともリマックとの関係も精算して完全な決別を図るのか。さまざまな所有者を渡り歩いてきた古豪ブランドの、今後の展開が見逃せないところだ。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)

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