心踊るホリデーシーズン。この秋冬は、逸話あふれる一生モノの腕時計を、大切な人や自分への贈り物として選びませんか。“時計愛&好!”をもって任ずるENGINE時計委員会9名が、知見・体験や思い入れをふまえて「推し時計の歴史やストーリー」、「時計と自信の物語」エモーショナルに紡ぎます!
今回取り上げるのはロレックス「パーペチュアル 1908」。名称はブランド名を商標登録した年に由来。「セッティモブレスレット」の腕なじみの良さは、今、このモデルでしか味わえない。
7列リンクのブレスレットも秀逸
この時計は、イエローゴールドの「セッティモブレスレット」にも注目。イタリア語のsettimoは“7番目”の意。その名の通り、7列リンクで構成された2025年発表の新作YGブレスレットであり、現在「パーペチュアル 1908」のYGケースのみに組み合わされている。そのすべてが丸みを帯びた形状で、サイドリンクはセンターリンクよりわずかに幅広。入念なポリッシュ仕上げにより目映いばかりの輝きを放つ。ウォッチズ アンド ワンダーズ ジュネーブで腕に乗せた際にはそのしなやかさ、着け心地の良さに驚いた。軽やかさと重厚さを兼ね備えたこのブレスレットは、金属の強さを洗練された美へと昇華させたエレガンスの象徴、精緻な芸術品と言っていい。
(数藤 健/ENGINE・時計担当)
YG、イイじゃない!
もう長いことイエローゴールド(YG)の時計を目にする機会があまりなかったが、このところ華やかなイエローが新作として登場するようになった。20世紀後半のデラックスでカラフルなジュエリーが流行った時代を思わせるためか、イエローゴールドは多くのメゾンで避けられていたように思う。でも今、トレンドが一周まわって、このヴィンテージ感やゴージャス感がイイじゃない! という気分に変わってきたのだ。端正なこのモデルは、よ~く磨き込まれたイエローゴールドの輝きが何とも美しい。徹底的にポリッシュしているから、のぞき込んだら顔がきれいに映り込む。金地金の価格も高騰を続けているし、もうこのモデル1本でちょっとした財産だね。
(本間恵子/ジュエリー&時計ジャーナリスト)
ロレックス パーペチュアル 1908

(c)Rolex
ブランド名の商標登録年に由来する名称とクラシカルなデザインが特徴の「パーペチュアル 1908」は2023年に誕生。最新作は、イエローゴールドのケースに「パーペチュアル 1908」のためにデザインされた7連ブレスレットを組み合わせ、一段とエレガントな趣のドレスウォッチへと変身。ケースバックから見える新世代の自動巻きムーブメント、キャリバー7140は、特許形状のシリコン製シロキシ・ヘアスプリングを採用し、COSC認定クロノメーターを上回る日差±2秒以内の高精度と約66時間のパワーリザーブを実現。ケース直径39mm、50m防水。527万3400円。
問い合わせ=日本ロレックス Tel.0120-929-570
写真=岡村昌弘
(ENGINE2026年1月号)