2025.12.19

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アルファ ロメオの「究極」と「最新」を堪能 アルファ ロメオ プレミアム試乗会で、「ジュリア クアドリフォリオ エストレマ」と「ジュニア イブリダ プレミアム」に乗った

2025年も最後の月となった12月。まさに締めくくりに相応しいアルファ ロメオの試乗会が熱海で行われた。

熱海と聞けば日本屈指のワインディングロードの伊豆スカイラインが思い浮かぶ。テストコースとしては申し分ないが、東京からはやや遠いこの場所で試乗会を行う理由は、プレミアムなブランドのアルファ ロメオの世界観を、プロダクトはもちろんそのライフスタイルまで体験するという狙いがあるからだろう。



というのも、今回の試乗会の開催場所は、ラグジュアリーなオーベルジュとして知られるザ・ひらまつホテル&リゾーツ熱海だからだ。



元々あった数寄屋造の建物はそのままに、地下階にモダンな客室を設けたひらまつ熱海のコンセプトは、イタリアでも屈指のヒストリーを持つアルファ ロメオの伝統と革新を体感する場として打ってつけと言っていい。

しかも、ほんの20分ほど駆け上がれば、そこには見晴らしのいい伊豆半島の山々の尾根沿いに変化に富んだワインディングロードが続く。ドライバーズカーのアルファ ロメオを試すには最高の舞台というわけだ。

究極という名のアルファ ロメオ

そんなスペシャルな試乗会に用意されていたのは、ジュリア クアドリフォリオのエストレマとジュニア イブリダ プレミアムである。後輪駆動のアルファ ロメオの伝統を現代に甦らせたジュリアと未来を見据えたハイブリッドカーのジュニアという絶妙な組み合わせだ。試乗はジュリアのエストレマから行った。



イタリア語で「究極」を意味するエストレマという名を持つこのモデルの最大の特徴は、モータースポーツの世界でも絶大な支持を得ているスロヴェニアのアクラポビッチ製のエグゾースト・システムを備えることだ。

マフラー部分は純チタン。エンド部分はエストレマ用にデザインしたカーボン製のフィニッシャーを装備して、排気効率を高めているという。

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さらにV6エンジンにも手を入れて、インジェクションとECUのマップを変更し、アクラポビッチのマフラーと合わせて最高出力を10馬力もアップさせている。究極と名乗るからには手は抜かない。アルファ ロメオのエンジニアはクルマ好きの気持ちがよくわかっている。

そんなエストレマだが、試乗を始めてなによりも驚いたのは、520馬力のスーパーサルーンとは思えない、洗練された乗り心地の良さだった。



ひらまつ熱海から伊豆スカイラインの玄岳入り口に通じる古びた道は、道幅も狭ければ路面も補修跡だらけで荒れていた。

スポーツモデルであれば低速の乗り心地の悪さはある程度は仕方がないが、電子制御のALFAアクティブサスペンションを標準で装備する試乗車のクアドリフォリオには、そんな言い訳などまったく必要ない。

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ドライブモードのポジションはノーマルのNだったが、ゴツゴツした感触もなく、フロントは35、リアは30というハイトの低さを感じさせない乗り心地の良さだった。



それにしても、いつの間にこれほど洗練された乗り味になったのだろう。日本に導入されたばかりのときの記憶では、ノーマルモードでも乗り心地はハードで、もっとスパルタンなサルーンだった。

しかし、そんな印象も伊豆スカイラインに入り、ドライブモードをd(ダイナミック)にすると一変する。それはもう激変と言っていい。それまでくぐもっていた排気音が一気に開放され、乾いた硬質な音色のエグゾーストノートが響きわたる。ターボエンジンとは思えない素晴らしい音色。エンジンのレスポンスも鋭くなり、ギュッと足まわりが引き締まったのがわかった。



強力なブレーキの減速Gとコーナー進入時のステアリング操作に反応する鋭い動き、そして脱出時の強大なトラクション。500馬力オーバーの後輪駆動となれば、いまや電子制御は必須だろう。ジュリア クアドリフォリオが見事なのは、それをほとんど感じさせないことだ。

クルマに乗せられていると感じてしまう高性能モデルもあるが、ジュリア クアドリフォリオは徹頭徹尾、ドライバーを主役にし続ける。アルファ ロメオの開発チームはこのスポーツサルーンに、エストレマという名に相応しい究極の味付けをしていると思った。

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そんなジュリア クアドリフォリオ エストレマだが、日本で販売されるのはわずか46台しかない。右ハンドルに加え、欧州仕様と同じ左ハンドルも選ぶことが可能だ。その内訳は右ハンドルが27台、左ハンドルが19台である。



特別な仕様はアクラポビッチ製のマフラーのほかに、19インチの軽量アルミ・ホイールやブラックのブレーキ・キャリパー、ダークトーンのエンブレムなどがあり、インテリアではスポーツ・レザー・シートも装備する。なお前席にはランバーおよびサイド・サポートの電動調整機能が付くほか、メモリー機能付き6ウェイ電動調整機構も備える。

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元気なマイルドハイブリッド

思わず運転に没頭してしまったジュリア クアドリフォリオ エストレマの次の試乗したのは、ジュニアのイブリダ プレミアムだ。乗り換えて走り出すと、思わず口元が緩んでしまった。

2.9リッターV6の520馬力から1.2リッター3気筒+モーターの145馬力へ。ニヤリとしたのはギャップの激しさもあるが、ジュニアがあまりに爽やかなことに対する思わず出た素直な反応だった。



元気によく走る。それが第一印象。1.2リッターのマイルドハイブリッドがこれほどキビキビと走るのは、正直、驚きだった。とにかく出だしがいい。スタートではモーターが加勢しているはずだが、その存在をあまり感じさせない。まるでツキのいい自然吸気エンジンのクルマを運転しているような感じだ。

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3気筒エンジンも意外と存在感がある。アップダウンのある伊豆スカイラインのワインディングをけっこうなペースで走らせると、小気味のいい軽快な音を響かせる。走りに爽やかさを感じるのは、この軽快な3気筒エンジンとデュアルクラッチ式の6段トランスミッションのコンビネーションがいいからだろう。



面白いのは1.2リッターのマイルドハイブリッドのジュニア イブリダにも、アルファ ロメオらしさがしっかりあることだ。アクセルを踏み込むと待ってましたとばかりに小気味よく応えるパワーユニットであったり、ステアリング操作にキビキビと反応するサスペンションであったり、運転が楽しいと感じる要素が随所にある。たんなる移動の道具ではなく、走る喜びが感じられるのはアルファ ロメオはもちろんイタリア車の最大の特徴かもしれない。

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今回試乗したジュニア イブリダ プレミアムの価格は468万円だ。ベースグレードのイブリダ コアなら420万円である(2026年1月1日から経済変動加算額が導入され、ジュニアは各モデル+15万円・税込となります)。この価格設定からも想像できるとおり、ジュニアにはアルファ ロメオのエントリー・モデルとしての役割がある。

同じアルファ ロメオでも、ジュニアはジュリアとは違ってカジュアルだ。毎日使えるコンパクトなアルファ ロメオだと思う。そういう視点で改めてジュニアを見ると、視界が良く取り回しのいいSUVは理にかなっている。クイック過ぎないハンドリングも初めてアルファ ロメオに乗る人や女性にはちょうどいい。

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デザイナーもそれがよくわかっていて、ジュニアのデザインは遊び心にあふれている。たとえばグリルに大胆にあしらわれた筆記体のロゴは、歴史に敬意を表しつつ、アバンギャルドな印象もある。



一方、室内に目を移せば、テレスコープ型のメーターカバーで伝統を表現しながら、エアコンの吹き出し口では赤いビショーネ(蛇)でポップに見せるという具合だ。ジュニアで想定しているライフスタイルがグンと若くなったのは間違いない。さらにもうひとつつけ加えておくと、23.1km/L(WLTCモード)の燃費はアルファ ロメオ史上、最良だろう。

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「究極」と「最新」の2台のアルファ ロメオ、ジュリア クアドリフォリオ エストレマとジュニア イブリダ プレミアム、好対照でありながらどちらも走る喜びに満ちあふれたアルファ ロメオだったが、実は今回の試乗会には抽選で選ばれた未来のアルファ ロメオ オーナーも参加していた。その感想を紹介してリポートを締めくくることにしよう。

ブリーフィングは離れで行った。



一般試乗会に参加したのは6名で、試乗したのはジュリア クアドリフォリオ エストレマとジュニア イブリダ プレミアム、そしてトナーレ ハイブリッド インテンサの3台だ。離れの特別室でブリーフィングを行い、試乗後はアルファ ロメオのエンブレムをアレンジしたひらまつ熱海特製のスイーツも楽しんでもらった。



「走ってみた感想ですか? すでにもう噛まれたような感じですね(笑)」

トナーレ インテンサに乗った佐久間亮さんは試乗から戻ると「ヘビの毒にやられました」と興奮しながらこう言った。親戚がブレラに乗っていて乗せてもらったことはあったが、しっかり試乗したのは今回が初めて。トナーレには二面性のようなものを感じたという。

試乗を終えて大満足の佐久間さん(運転席)。

「アルファ ロメオが好きな人には実用性はあまり関係がない気がしますが、やっぱりSUVは用途が広い。仲間とドライブにも行けるし普段の買い物だって大丈夫。それでいて今日のようなワインディングも楽しいというのは発見でした」

今回の試乗車の一台、トナーレ ハイブリッド インテンサ。

プラグインハイブリッドのトナーレ ハイブリッド インテンサの特徴は、20インチのホイールやアルカンターラのシートなどの特別な装備に、ゴールドのカラーを加えてイタリアン・ラグジュアリーの世界観を表現しているところにある。プレミアム・ブランドのアルファ ロメオを楽しむにはもってこいの一台と言える。

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同じSUVでもお洒落でカジュアルな雰囲気が楽しめる新型のジュニア イブリダ プレミアムに乗った西村さん夫妻の感想はこうだ。

「回生ブレーキが意外と楽しく運転しやすかったのは驚きでした。あとフロントヘビーじゃないところも良かった」



本当はジュリアが好きと言う西村さんだが、マンションの機械式駐車場に入らずあきらめていたところ、ジュニアなら大丈夫ということで今回の試乗会に参加した。



ファースト・アルファは155のファイナルエディションだったというから筋金入りのアルフィスタだが、西村さんがジュニアに乗って感じたのは「乗り心地がいい」ことと「コンパクトで取り回しがいい」ことだったという。

一方、期待どおりの走りだったと語ってくれたのはジュリア クアドリフォリオ エストレマに乗った山谷正貴さんだ。





「4気筒のジュリアはディーラーで試乗したことはあったんですが、クアドリフォリオは別モノですね。もう、レーシングカーみたいでした(笑)」

一緒に試乗したプロドライバーが、dモードがどんなものか試してみてくれたが、その変化に驚き、そして「こういうクルマはもうつくれない」とクルマ好きを代表して残念がる。

46台のジュリア クアドリフォリオ エストレマは、すでにインポーターの元を離れて全車がディーラーの手に委ねられているという。究極の味が愉しめるのも残りわずかだ。

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取材・文=塩澤則浩 写真=望月浩彦

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