2025.12.24

CARS

フェラーリオーナーへの“最初の一歩”は、「フェラーリ・アプルーブド」から

フェラーリは、なぜ時間が経っても価値を失わないのか。その答えは、認定中古車プログラム「フェラーリ・アプルーブド」にある。

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フェラーリの価値とは、速さや希少性だけではない。時間を経てもなお輝きを失わない“永続性”こそ、その本質ではないだろうか。新車から中古車までを一貫して支えるメーカーの思想と、同社の認定中古車プログラム「フェラーリ・アプルーブド」の役割を紐解いていこう。

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クルマとしてのフェラーリの真の価値とは何か。突き詰めると“永遠に残る可能性が高いこと”だと私は思う。アクシデントで廃車にでもならない限り、使い物にならなくなったからと言って(実用車とは違い)フェラーリを“捨てる”ような人はいない。

そんな“価値の永続性”は、もちろんこれまでに培ってきたブランド力(=F1を頂点とした皆の憧れ)に依るところが大きい。

けれどもフェラーリとしても自らのヘリテージをただ消費しているわけじゃない。そんな好循環をこれからも続けるべく、現在における十分な手当も忘れてはいない。特に本格化する電動化時代にあって、また生産台数も増加傾向にある昨今、車両の価値をメーカー自身がしっかり担保することの重要性はこれまでになく増している。例えばバッテリーを含む電動コンポーネントへの長期的なサポート体制など、フェラーリはしっかりと先を見据えた施策をすでに打っているのだ。

スーパーカービジネスにおける継続的な成功の肝は一体何だろうか。それは、ユーズドカーの価値をメーカーが率先して高めることに尽きる。その価値の源はいたってシンプル。“新車時のコンディション”をいかにキープできるか、である。生産から何年が経とうとも、見た目も性能もいかにオーセンティックな状態であるかが価値を決めると言っていい。

これなら、不安なく最初の一歩が踏み出せる

その答えとしてクローズアップされるのが「フェラーリ・アプルーブド(認定中古車)」の存在だ。実をいうとフェラーリによる新車購入オーナーへのアフターケアはとても充実している。新車販売時のメーカー保証がまず3年。それを8年目まで延長できる「ワランティエクステンション(有償)」もある。さらに車齢9年目から16年目までの個体のパワートレインをカバーする「パワー16」という追加保証制度があり、続いて車齢20年未満の個体をオーセンティックにキープするための「フェラーリ・プレミアム」制度もあって、車齢20年を超えてくればご存知「フェラーリ・クラシケ」の出番となる。

要するに正規ディーラーと新車オーナーが継続的な付き合いをする限り、愛馬の健康は常に良好な状態を保つ。そんなフェラーリが買い換えなどで中古車市場に出回る際、さらに良質なコンディションの個体を提供する仕組みが「フェラーリ・アプルーブド」というわけだ。

国・時期・モデルにより若干の運用差はあるが、フェラーリ本社が独自に定める認定中古車プログラムであり、原則として過去14年以内に新車登録された個体が対象となる。

下取りなどで正規ディーラーに持ち込まれたユーズド・フェラーリはまず、過去の車両情報(サービス履歴など)がすべて洗い出される。問題点の有無が確認されたのち、トレーニングを積んだテクニシャンによって広範囲のチェックを受ける。対象項目はパワートレインや電装系、ボディ周り、インテリア、実際のパフォーマンスなど最大で202項目にも及ぶ。不具合があった場合にはもちろん整備され、必要に応じて純正パーツを使った交換や修理を受ける。セールス前にはもう一度、内外装やエンジン周りのクオリティチェックを受ける。こうして仕上げられたアプルーブド個体には最低12カ月の保証が新たに付加される。


実際に走らせると新車と変わらない感覚

私は以前にプログラムに沿って仕上げられたアプルーブドの296GTBとSF90ストラダーレをテストコースで試したことがある。いずれもそれなりの走行距離を刻んでいたが、そのコンディション評価は新車テスト時の記憶とほとんど同じものだった。

フェラーリの価値はパフォーマンスでこそ決まる。そのためにはオーセンティックな状態に保つ制度が必要だ。フェラーリはそこから車両の永続性という他に類を見ない概念を創り出した。ここ数年、アトリエやテーラーメードといった特別オーダーを楽しむカスタマーが増えている。それゆえ認定中古車のリストには、以前のようにロッソ・コルサ一点張りではなく、バラエティに富んだ内外装のカラーコンビネーションが並ぶ。その中から自分好みの一台を発見する。それはまるで宝探しのように楽しいひとときである。


フェラーリ購入時の噂から超基本的な質問まで網羅した一冊

「フェラーリ・アプルーブド」とは、単なる認定中古車制度ではない。新車時のコンディションを基準に、点検・整備・保証までをメーカー基準で担保することで、「初めてのフェラーリ」を安心して選べる環境を整えた仕組みだ。本記事でその考え方に触れ、「実際にはどのモデルを、どう選べばいいのか」と感じた方も多いだろう。

そこで、2026年春にENGINE別冊として『フェラーリの世界へようこそ!』(仮題)を刊行。最新のアマルフィをはじめ、12チリンドリ、プロサングエ、296GTB、SF90ストラダーレ、ローマなど、新車またはアプルーブド・カーとして購入可能なモデルを中心に、その魅力と選び方を解説しながら、噂レベルの話や初めてのフェラーリだからこその超基本的な質問にも回答。そして日本全国の正規ディーラーと、そこで受けられるサービスを網羅し、フェラーリ購入を具体的に検討する人にとって、迷いを減らし、次の行動を後押しする実践的なガイドブックとなるはずだ。

憧れを、具体的な選択へ。フェラーリの世界へ踏み出す、その最初の一歩として、刊行を楽しみに待っていてほしい。

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文=西川淳/ENGINE編集部

(ENGINE Webオリジナル)
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