2025.12.29

CARS

【海外試乗】新型VW「ID.ポロ」は何が変わった? 完全電動化の先に見えた“ワーゲンらしさ”とは

VWのコンパクトカー「ポロ」がついに電動化。その最新モデルにスペインで試乗した。

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フォルクスワーゲン「ポロ」の電動モデルには、かつての“ワーゲンらしさ”が戻りつつあった。その第一報を自動車ライターの大谷達也がお届けする。

原点に立ち返る

われわれを乗せた送迎車はバルセロナ中心部を出発して20分ほどすると幹線道路を外れ、地元の人以外は決して足を踏み入れないであろうでこぼこ道を進む。しばらくすると怪しげな雰囲気の屋敷が見えてきた。その庭先に置かれたカラフルなコンパクトカーこそ、フォルクスワーゲンの最新モデル、ID.ポロだった。



「ID.」の名がつくことからEVと想像されるこのクルマ、しかしこれまでのID.シリーズとは大きく成り立ちが異なる。EV専用に開発されたプラットフォームは従来のMEBからMEB+に進化。

しかもコンパクトモデル用に後輪駆動から前輪駆動にレイアウトを見直すことでスペースユーティリティを格段に向上させた点が見どころとされる。

しかし、それ以上に大切なのは、これがトーマス・シェーファーCEOのもとでゼロから開発された最初のモデルという点にある。

シェーファーCEOが現職に就いたのは、VWグループの改革を進めるオリバー・ブルーメがグループ取締役会のトップに就任したのと同じ2022年7月。以来、ふたりはフォルクスワーゲン・ブランドに「かつての輝き」を取り戻すため、二人三脚で歩んできた。

その最新の成果が、このID.ポロなのである。ポロという伝統的なモデル名を敢えて用いたのも「原点に立ち返る」ことを象徴しているといっていいだろう。

新型フォルクスワーゲンID.ポロ

ID.ポロの正式発表は来年4月だが、その実力を世界中のメディアにいち早く知らせたいとの思いから、この謎めいたイベントは開かれた。外装にカモフラージュが施され、ダッシュボード周りにカバーがかけられていたのも、それが理由だろう。

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