フォルクスワーゲンが、発表に向けた準備を着々と進めるコンパクト・クラスの電気自動車が「ID.ポロ」だ。偽装された外観に続いて、そのインテリアがいよいよ披露された。
懐かしのレトロ・ディスプレイとうれしいアナログ・スイッチの復活!
これまで、GTIバージョンのコンセプト・モデルである「ID.GTI」ではイラストのみの公開にとどまり、プロトタイプで行った試乗会では内装にも偽装を施していた。

そのため、実物を収めた写真が世に出るのはこれが初となる。

「ID.GTI」のキャビンは、赤と黒を基調にしたスポーティな仕立てだったが、「ID.ポロ」はライトな色合いでカジュアルな雰囲気。とはいえ、水平基調の構造や、リムの上下がフラットなステアリング・ホイールなど、基本的な要素は共通している。

直線的なダッシュボードには、ふたつのディスプレイが横並びに設置される。サイズは、運転席前が10.25インチ、センターのタッチ・スクリーンが13インチ。サイズも機能もクラストップレベルを謳い、後者は前席左右どちらからでもアクセスしやすいレイアウトだ。

センター・ディスプレイの下方には、エアコンやハザードランプのスイッチを独立して並べる。評判の悪かったタッチ・スライド式の送風温度調整には、ありがたいことに見切りをつけたようだ。ステアリング・スイッチも、スクエアな区画にわかりやすく配置している。
センター・コンソールは、前端にスマートフォン用のトレーを、シートの脇あたりにはドリンク・ホルダーを用意。その中間にあるのはオーディオ操作ダイヤルで、音量調整や選曲/選局が可能だ。シフト・セレクターは、コラム・レバー式となっている。

発光色や点灯パターンを変えることで、電話の着信や緊急ブレーキ作動などさまざまな情報を伝達する“ID.ライト”は、既存のモデルからさらに進化。従来はフロント・ウインドウ基部に沿って設置されていたライトが、はじめてフロント・ドアトリムにまで伸ばされた。

遊び心を感じさせる隠し味が、“レトロ・ディスプレイ”と呼ばれる画面表示だ。ボタン操作でこのモードを呼び出すと、メーター・パネルは初代ゴルフを思わせるグラフィックに。


センター・ディスプレイにも、アナログ表示のような走行距離系や、旧式の燃料計のような充電残量メーターが現れ、オーディオ画面はご丁寧にもカセットデッキを再現。なんともエモいビジュアルとなる。

「ID.ポロ」のお披露目は2026年4月で、年内にはGTIバージョンも発表される見込み。手頃なサイズと価格ながら、航続距離は最大450km程度を実現するとされ、コンパクト・クラスの電気自動車の本命に躍り出るモデルとなりそうだ。
文=関 耕一郎
(ENGINE Webオリジナル)