シャンパンやワインのように“アッサンブラージュ” の技を取り入れて醸造した日本酒が続々と登場している。 新しい年の初めに、新しいスタイルの日本酒を味わってみては?
2026年に味わいたい注目銘柄
アッサンブラージュとは「組み合わせる」「寄せ合わせる」という意味のフランス語で、ワインやシャンパーニュ造りの過程で伝統的に行われるブレンド技法のこと。そのアッサンブラージュの技法を日本酒に応用し、複数の原酒を組み合わせることで複雑かつバランスの取れた味わいを実現した日本酒が台頭している。食のグローバル化に伴い、さまざまな料理と調和する味わいが求められるようになった昨今、その需要に応える次世代の日本酒として注目されているのである。
現代における暮らしの作法を提唱する「OGATA」が12月にリリースした「OGATA SAKE」は、その象徴的存在だ。金沢の老舗・福光屋が熟成期間や酒質の異なる原酒を厳選してアッサンブラージュしたラインナップは、「ワタツミ」と「ヤマツミ」の2種。黒麹仕込みの長期熟成酒や辛口純米酒を軸にした「ワタツミ」は、ドライシェリーを思わせる芳醇な香りと深い余韻が魅力。30年以上熟成した純米酒や香り高い大吟醸を用いた「ヤマツミ」は、アモンティリャードのような熟成香と果実味、苦味が調和し、肉料理やチーズと抜群の相性である。
▲OGATA SAKEは肉料理やチーズとの相性も抜群一方、「Assemblage Club」は京都の出版社リーフ・パブリケーションズの発案により、京都の老舗3蔵「増田徳兵衞商店」「北川本家」「松井酒造」がコラボレーションして生まれた日本酒シリーズ。肉料理との相性を追求した「01 CODENAME:Taro’」は、高級ホテルやミシュラン認定飲食店などに導入され、海外でも高い評価を得ている。最新作「05 CODENAME: KASUMI-柑澄-」は、どんな料理にもマッチするクリアで軽い喉越しが特徴だ。
▲Assemblage Club 01 CODENAME : Taro ’ 透明感のある甘さとキリッとした辛さを併せ持ち、奥深い味わい。温度帯によって異なる味わいを楽しめるのも特徴。「TOKYOSAKE CHALLENGE 2025」で金賞受賞。720ミリリットル 6980円。
▲Assemblage Club 05 CODENAME : KASUMI-柑澄- 増田徳兵衞商店の14代がマスターブレンダーを務める「Assemblage Club」シリーズ最新作。ニュートラルな味わいで甘酸っぱいニュアンスがあり、どんな料理にも合う。720ミリリットル 3520円。宮城の老舗「墨廼江」が酒米違いの4種の酒をブレンドして作った「純米吟醸アッサンブラージュ サムシングフォー」は、上品な香りとしっとりとした口当たり、穏やかな余韻を持つ限定酒。ハレの日にふさわしい優雅さを備えた一本だ。
多彩な原酒が重層的なハーモニーを奏でるアッサンブラージュ酒は、味付けの濃いお節料理とも好相性。日本酒の新たな可能性を開くアッサンブラージュ酒で、新たな一年の幕開けを祝いたい。
▲墨廼江 純米吟醸 アッサンブラージュ サムシングフォー 墨廼江の4種の日本酒を独自の配合でアッサンブラージュした限定酒。柑橘や熟したリンゴを思わせる複雑な香りと、軽快な酸味、お米の旨味が持ち味。甘さは控えめでキレがよく、ドライな味わい。結婚祝いのギフトにもぴったり。720ミリリットル 1760円。文=小松めぐみ(フード・ライター)
(ENGINE2026年2・3月号)