2026.02.06

CARS

酸いも甘いも噛み分けた者だけにわかる!? 地味色アルファの魅力! ミレニアル世代が語る「155」愛とは【35歳以下のクルマ好き】

ソリッドなデザインが特徴的なアルファ・ロメオの4ドアセダン「155」。

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東京・渋谷区にある代官山T-SITEにて開催された、35歳以下の若者たちによるカーイベント「YOKOHAMA Car Session」の出張版モーニングクルーズ。その参加車の中で今回はシルバーのボディカラーが渋い、アルファ・ロメオ155を紹介しよう。

若者たちの若者たちによる若者のためのカーイベント

近年の若年層はクルマに興味がない。そんな潮流に逆らうかのように、クルマ好きな20代の若者たちが中心となって企画されたカーイベントがYOKOHAMA Car Sessionだ。

このイベントのレギュレーションは単純、オーナーが35歳以下ということだけ。それ以外はクルマの国籍、メーカー、年代などは全くの自由で、本当に多種多様なクルマたちが集まる。

その中でも比較的参加台数が多いのがいわゆる90〜00年代に作られた「ヤングタイマー」と呼ばれる世代のクルマたちだ。特にイタフラ系のヤングタイマー車は見かける頻度が高く、現代車にはない個性を求めて選ぶ若者たちが多いのだろう。



この年代のアルファ・ロメオもそんな個性的な輸入車を代表する1メーカーと言える。この日も「スパイダー(916型)」や「166」など、往年のアルファたちが集まっていたが、筆者が注目したのはかつて国内でも人気を誇ったセダン「155」だ。

ブサカワ⁉︎ なファミリーカー

アルファ・ロメオ155は1992年にデビュー。折からの経営難のため1986年よりフィアット傘下となっていた同社の、小型セダン共同開発プロジェクト「ティーポ3」の一環として開発された。そのため実質的な先代と言える「75」とは異なりFFとなったほか、プラットフォームをグループ内のフィアット、ランチアと共有しているのが大きな特徴だ。



日本にも1992年9月から、2リッター直列4気筒DOHC(8バルブ)の「ツインスパーク8V」と、2リッター直列4気筒+ターボかつ4WDの「Q4」が導入。1995年にはマイナーチェンジが行われ、ツインスパークは8バルブから16バルブへと進化。さらに伝統の“ブッソV6”エンジンを搭載した「V6 2.5」も追加された。



前述の通りフィアット傘下となったことで信頼性が向上。さらにドイツ・ツーリングカー選手権(DTM)での活躍などもあって、本邦でも好調なセールスを記録し、当時落ち目だったアルファ・ロメオの名を復権させた重要なモデルだ。

31歳のMTさんが乗る155は、1995年製のツインスパーク2.0(8バルブ)なので、マイナーチェンジ前の最後のモデルとなる。アルファ・ロメオといえば赤い(ロッソ・アルファ)ボディカラーが定番だが、これは「グリジオ・チャロ・メタリック」と呼ばれるシルバーで、はっきり言ってしまえば“地味”な色なのだが、そこがお気に入りだという。



「同世代で乗っている友人がおり、155自体は前々から気にはなっていました。ちょうど5年ほど前に中古でいい出物があるという話があり、見に行ったのですが、アルファなのに赤じゃない。その渋さにやられて購入を決意しました」

当時のプレス資料などでも、掲載されるのは赤ではなくシルバーが多いのだとか。筆者もイタリアで実際に現地の街を走るアルファ・ロメオを何台か見たことがあるが、確かにシルバーやネイビーなど比較的落ち着いた色が多かった印象がある。

「この155はシンプルかつファミリーカーっぽい室内で、リアシートも広いので家族からも好評なんです。ちょっとブサカワなフロント・フェイスも愛嬌があっていいよねって言ってくれてます(笑)」



MTさんは他にも1997年製のローバー・ミニと、2015年製のメルセデス・ベンツGLKを所有しているというが、この155は完全な“趣味車”というわけではなく、あくまで実用車の延長でもあるのだそう。その証拠に室内をよく見ると前後全ての座席にシート・クッションが常備されていた。アルファといえばスポーツカーのイメージが強いが、155は大人4人がしっかりと乗れる立派なファミリーカーなのだ。


旧いアルファと新しいアルファの中間

先の解説の通り信頼性が(比較的)向上したとはいえ、既に30年以上前のイタ車であることに変わりはない。筆者も含め、気になるのは故障や修理の頻度だが、そのあたりはどうなのだろうか?



「実を言うと結構やっています(笑)。まず納車して2日後に燃料ポンプが故障して不動になり、早速レッカーのお世話になりました。その後もラジエター交換やステアリング・フルード漏れ、ガソリンのホースが破れたこともありました。購入する以前は10年くらいガレージで眠っていた個体だったので、ひと通り手を入れる形になりましたね。155を含めたアルファ乗りはコミュニティがしっかりしているので、部品を融通してもらったり、アドバイスをもらったりしながら今でもちゃんと乗れています」

話だけを聞いていると大変に見えるかもしれないが、そう語るMTさんの表情は実に楽しそうで、酸いも甘いも噛み分けた155とのカーライフを満喫しているようだった。



「パッと乗ってすぐに運転が楽しい! というドラマチックなクルマではありません。ステアリングもクイックではないですし、コーナリングではそれなりにロールもします。この8バルブエンジンの音も、見た目に反して結構クラシカルでギャップもある。でもこの旧いアルファと新しいアルファの中間みたいな独特の味わいが、人の感性に直接訴えかけくるものがあり、とても気にいっています」

本業では楽器メーカーに勤めているというMTさん、この155も数値やスペックでは測れない、音やニオイなど感覚的な部分で惹かれた部分があるのだろう。アルファ・ロメオ中興の祖となった155は、登場から四半世紀以上経った今でも、そのエキゾチックな魅力で若者を魅了し続けているのだ。

文・写真=浅石祐介(ENIGNE編集部)

(ENGINE Webオリジナル)

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