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2025.02.16

CARS

2025年版、2台持つとクルマはもっと楽しい！　チンクとバナナちゃんは私のとっておきの宝物　彼女はなぜ若くして2台のフィアットを溺愛するようになったのか

村山雄哉

フィアット500Cとバルケッタとオーナーの重村さん。

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2010年式と2000年式。フィアット500Cとバルケッタ、2台のフィアットのオープンカーを満喫するのは、バルケッタと同い年だという24歳の女性だ。なぜ彼女は若くして2台のフィアットを溺愛するようになったのか。

パソドブレ・レッドのフィアット500Cとジャッロ・ジネストラという黄色のバルケッタ。見ているだけでも楽しい気持ちになるこの2台のオーナーはなんと24歳の女性だ。神奈川県に住む幼稚園教諭、重村光さんのご自宅に伺うと、写真の通りの弾ける笑顔で迎えてくれた。バルケッタの洗車が間に合わなかったと心配していたが、汚れ一つないボディは24年前のクルマとは思えないほどきらびやかに輝いていて、大切にされていることが一目でわかった。



重村さんは根っからのフィアット好きなのか、それともオープンカー好きか？　撮影場所までバルケッタで重村さんの後を走りながらこの2台のワケは何だろうと考えていたが、意外にもシンプルな理由だった。

「大学2年生のとき、クルマを持っている友達があんまりいなかったから、クルマがあると面白いかな？　買おうかな？　とふと思ったのが始まりです。教習所は呼び出されるくらいサボりがちだったんですが（笑）。他の人とは被らない可愛い車が欲しくて、チンクに一目惚れしました！」　

しかし先立つものがなかった重村さん。チンクのために2年間アルバイト代を貯金した。中古車を探す旅に出たのは4年生になってからだ。

「予算ギリギリで買える個体を見に滋賀まで行きました。白色を見にいったら赤も並んでいて、実車を見比べたら赤の方が可愛かったんです。屋根は開く方が断然楽しいと思い、はじめから500C一択でした」　

900台以上のフィアット＆アバルト車が集まった全国規模のオフ会「FIAT PICNIC」2023の企画、デコレーション・コンテストでは優勝した。

2021年の夏に納車された念願の500C生活は、決して順風満帆ではなかったそうだ。定番のタイベル＆ウォーターポンプの交換、ブレーキの整備に車検が重なったときには苦しんだというが、それでも乗り続けることしか重村さんの頭にはなかった。電動式ルーフ機構の交換も乗り越え、来春にはオールペンを計画中だという。これだけたっぷりと愛情を注ぐのには、500Cを通じて知り合った仲間の存在が大きい。

重村さんが抱えるカバンはリアキャリア搭載用のトランク。得意のクレーン・ゲームで集めたぬいぐるみは、普段は後席に乗る。

「チンクに乗り始めてから、SNSやイベントを通じてクルマ仲間の輪がぐんと広がりました。同年代からおじいちゃん、おばさんまで。クルマを通じてできた友達とは、今ではクルマ無しでもよく遊んでいます。部品や整備のことを相談できる仲間もいて、とっても心強いんです」　

仲間に会うためならどんなに遠くに行くのも苦にならないのだと話す。往復1300kmの石川県で開かれたイベントにも自走したという。3年半で7万kmも走ったそうだから、相当楽しまれているようである。それでも重村さんにとって一番の楽しみは、豊富なアフターパーツで自分好みにカスタムすることなのだという。

「イベントで色んな方のチンクを見たりして情報を集めています。外装はトリコローレ・カラーのミラー・カバーを左耳につけて、ホイールを替えました。次にホイール・アーチの隙間が気になって、足をアバルト用に。エアクリ、タワーバー、マフラーも替えているけど、全部可愛いからです。乗り心地は悪くなったけど、戻そうとは思いません。可愛いから（笑）。ほら、このペダルもどうですか？　サンバイザーのカバーは私が作りました。MT風のシフト・ノブとブーツもお気に入りなんです」　

チンクを前に、重村さんは次々とそのこだわりを教えてくれた。

“バルケッタ”の名の通り、小舟のように流れるスタイリングがたまらないという。

バルケッタとの2台持ち生活が始まったのは2023年7月。そのきっかけもやはり、500のイベントなのだという。

「仲の良い500乗りの方が青いバルケッタもお持ちで、初めて見たときに、このクルマ可愛い！　ピュッっと飛び出るドアノブ面白い！　と思ったんです。その後チンクの屋根を直す相談をしたショップにもバルケッタが入っているのを見て、絶対に乗りたい！　と心に決めて探し始めたのが2022年の12月頃でした」

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