2月21日〜22日に開催されたノスタルジック2デイズ2026の会場で、見慣れない白いクラシック・ミニを発見した。
“ポール・スミス・ミニ”と同年に2000台が造られたが、日本には未上陸のレア・ミニ!
ボディ後部の側面には“Designer”と書いてある。開いているドアの隙間からシートのカラーが白と黒のストライプになっていることも分かった。

う〜ん、なんだろう、コレ。いわゆる“ポール・スミス・ミニ”と同じようなモノかしら? と思いつつ、国産自動車メーカーのブースが混む前に取材をしなくては、と思い、詳細を確認することなくその場を離れてしまった。

けれど白と黒のストライプになっている内装のことがどうしても気になったので戻ってみたら、通りかかった女性たちが一様に「あっ、これ“マリークワント”じゃない! ステキね!!」と言っている。みんな、ニコニコ顔だ。
ファッションに疎い筆者は、当初、何のことか理解できなかったが、展示していたRITLIFEの店主に初めて見たことを告白。いろいろ話してもらった。

マリークワントはデージー(雛菊)の花のマークをブランドのシンボルとし、服だけではなく、バッグ、アクセサリー、化粧品なども手がけ、日本でも広く人気を集めているイギリスのファッション・ブランド。

創業者でファッション・デザイナーであるマリー・クワントさん(1930年〜2023年)は、いわゆるミニスカートを考案した人だといわれており、一説によるとクルマのミニのことが大好きで“ミニスカート”というネーミングにしたのだという。

1988年に「ミニ・デザイナー(MINI Designer)」という限定車が発売されたのだが、それこそが今回の展示車のイメージの元になったが“マリークワント・ミニ”だった。白が1000台、黒が1000台のみが造られたという。
1980年代はミニの限定車がたくさんデリバリーされ、1985年には“リッツ”(50台)、1986年には“チェルシー”(1000台)と“ピカデリー”(300台)、1987年には“パークレーン”(700台)と“アドバンテージ”(200台)、1988年には“ジェット・ブラック”(400台)、“レッド・ホット”(200台)などが日本に上陸した。

そのような状況の中で、エンジンの排気量が999ccの“マリークワント・ミニ”の正規輸入は確認されておらず、もしかしたら個人輸入で新車もしくはユーズド・カーを日本に持ってきた人がいるのかもしれないが、RITLIFEの店主によると、国内ではミニのイベントなどでも見かけたことがないという。

今回ノスタルジック2デイズ2026で披露されたのは、RITLIFEが、デイジーのエンブレム入りの3スポークのレザー・ステアリング・ホイール、ツイードとレザーのシートなど内装一式を揃え、同年の1988年型ミニにインストールしたもの。

“Designer”という文字が入ったシートの上に置かれたクッションも、内装一式に付いてきたらしい。

外装は、ライト・リムおよびグリル・サラウンド、ドア・ノブ、オーバー・フェンダー、ミラー、バンバーなどが同色となっている“マリークワント・ミニ”の見た目に近づけ、店主の奥さま用として製作したそうだ。

奥さま用とはいえ店主のこだわりで、エンジンは鍛造ピストンを組み入れ、スタンダード・クーパー用のヘッドも装着。走りも楽しめる仕様にしている。

残念ながら売り物ではないが、内外装が驚くほどオシャレで走っても大満足というRITLIFE謹製の“マリークワント・ミニ”。

こんな洒落ていてしかも小気味良い走りも楽しめるミニなんて、自動車趣味人のアガリの一台にもなる、理想的な英国車といえるのではないだろうか。
文と写真=高桑秀典
(ENGINE Webオリジナル)