ブレーキ・システムのトップ・ブランドであり、国内有数のチューニング・パーツ・メーカーとしても知られるエンドレスアドバンス。同社では、創業者の故・花里功会長が長年温めてきた夢の施設であるENDLESS 130 COLLECTIONを長野県南佐久郡で展開している。ここでは“クルマは動くからこそ価値がある”というコンセプトでレストアした車両やレーシング・カーを多数展示。こだわりのコーヒー豆を数種類用意したカフェ・スペースも営業している。併設されているENDLESS RACING GARAGEでは文字どおりレーシング・カーの整備を実施し、クルマ好きがワクワクしたり、リラックスしたりしながらくつろげる空間を提供している。
約70年前の「トヨペット・クラウン」がピカピカになって登場!
このENDLESS 130 COLLECTIONに展示されているのは、同社ならではの旧車再生技術により、車体の下まわりに至るまでピカピカになった国内外のクラシック・カーなのだが、よき頃合いや仕上がったタイミングで日本最大級の規模で開催される各種カーイベントなどにて披露するのが恒例となっている。

2月21日〜22日までの会期で開催されたノスタルジック2デイズ2026では「トヨペット・クラウン・デラックス」と「プリンス・スカイライン」という2台が、来場者の目を楽しませることになった。
どのレストア済み車両もエンドレスアドバンスの創業者である故・花里功会長の意向と遺志で妥協することなく徹底的に仕上げられているが、プロならではの技術で再生された旧車は本当にキレイかつ個性的で、自動車趣味人が愛車をレストアする際の参考や目標にするケースも多い。

今回、筆者は現行「トヨタ・クラウン」の70周年記念モデルが採用した特別設定色のプレシャス・メタル×プレシャス・ホワイト・パールというデュオ・トーンのボディ・カラーでペイントされた1957年型の「トヨペット・クラウン・デラックス」に注目。

エンドレスアドバンスのスタッフに、この観音開きのクラウンについていろいろ伺ってきた。
花里功会長は2023年に亡くなったが、生前の会長の指示で5年ぐらい前に「トヨペット・クラウン・デラックス」をベース車として購入。所有者が自分の手でガンバってレストアしようと思ったものの途中で断念したクルマで、各部がボロボロだったのだという。

さすがにトヨタ純正の修復用部品を入手するのは難しいので、痛んだ車体からパーツを取り外し、それを一つ一つ直すという気が遠くなるような作業を実施。エンドレスアドバンスが再生した旧車としては、初めて完成するまでに2年もかかってしまったそうだ。

改めて説明するまでもなく、エンドレスアドバンスはブレーキ・システムのトップ・ブランドなので、フロント・ブレーキに自社製のモノブロック鍛造キャリパーをセット。リア・ブレーキには、高精度な加工が可能な5軸マシニングセンタで製作したアルフィン・ドラムを奢り、ブレーキ・シューをENDLESS NA材と張り替えている。

サスペンションもエンドレスアドバンス謹製のオリジナルだが、灯火類は安全性に関わるものなのでアップグレード。内外装およびエンジンも美しくリフレッシュし、シチュエーションを問うことなくガンガン走れる仕様とした。
参考までに記しておくと、もう1台の「プリンス・スカイライン」は1961年型で、レストア作業は2017年に実施。その当時に主流だったHIDのヘッドライトを装備している。開発時にプリンスのエンジニアが「トヨペット・クラウン」のことも研究したのでは? と、往時に思いを馳せ、今回は同世代の4ドア・セダンを2台並べて展示したそうだ。

以前、大規模カー・イベントの会場で見つけたエンドレスアドバンスのブースにピカピカの「スズキ・フロンテ・クーペ」が置かれていることがあった。スタッフにこのクルマについても伺ったところ、故・花里功会長が若い頃にフロンテ・クーペのレーシング・カーを造り、筑波サーキットなどでレースをやっていたので、そのメモリアルとして製作したという側面もある、とのことだった。

このようにただ漠然とクルマを置いているわけではなく、毎回、明確なコンセプトがあって展示車両をチョイスしているということなので、どこかのイベントでエンドレスアドバンスのブースを見つけたら、想像の翼を広げてみるといいだろう。
文と写真=高桑秀典
(ENGINE Webオリジナル)