2026.04.10

CARS

新しい顔になった新型日産フェアレディZ モチーフになった初代S30のデザインにどこまで近付いたのか? 写真で比較してみる

初代S30型から5代目Z33型まで勢揃い

全ての画像を見る
【全2回(前篇/後篇)の前編】

アメリカで2027年モデル、日本ではマイナーチェンジモデルとして発表された、新型「日産フェアレディZ」の新しいフロントマスクは、初代S30型への回帰をより強く印象付けるデザインだ。そこで、S30にはじまる歴代Zのスタイリングの変遷を顔に注目して振り返ってみたい。

***

始祖は2代目フェアレディ


1969年にデビューしたS30型は、ロングノーズの先端に奥まったヘッドライトを据え、Z顔の基礎を完成させた。現行RZ34型にもインスピレーションを与えたそのスタイルの源流を辿ると、実は、フェアレディZの前身であるS310型フェアレディに行き当たる。




C1コルベットからMGへ

フェアレディとしては2代目となるS310型が採用した、ノーズ先端のスクエアな開口部を持つフロントグリルと、それよりやや後退した丸型2灯ヘッドライトを備えたデザインは、ヘッドライトが前方へ突き出していた初代S210型よりシャープな意匠で格段にモダンになった。

初代は50年代前半に登場したC1型初代「シボレー・コルベット」の影響を感じさせたが、2代目は60年代にデビューしたイギリスの2シーター・オープンスポーツである「MG」を思わせるブリティッシュ・スポーツ寄りの雰囲気を漂わせる。


空力性能に配慮

やがて60年代も半ばになると、レースカーに端を発した空力性能を配慮したスタイリングが市販車にも採り入れられるようになる。その結果、ウェッジシェイプのスポーツカーが増加。S30型の顔を見ると、S310型を出発点にしつつ、このトレンドを採り入れたことがうかがえる。

左右ヘッドライトの中心を結ぶラインより下側が逆スラントとなるグリルを持つ点は両車で共通している。しかし、S30では開口部が細長い長方形にして尖らせた鼻先に配置。ヘッドライト周りに設けられていた水滴型のえぐりも前後方向により深くなり、丸型ライトを後退させることで高さを確保しつつ低く鋭いノーズを成立させているのだ。


Gノーズが誕生

その空力重視のデザインをさらに進歩させたのがGノーズことエアロ・ダイナノーズだ。1971年に登場した2.4リッター直6のL24型エンジンを搭載した240ZGに採用。FRP製バンパーと一体化したノーズコーンを持ち、ヘッドライトにはクリアカバーを装着。空気抵抗を低減し、最高速度向上に寄与した。

1975年には、北米仕様に金属と樹脂を組み合わせた5マイルバンパーを装着。サイドまで回り込む大型バンパーで、これに合わせてノーズ下部にあったウインカーをグリル内へ移設している。


北米型S30型を発展

1978年に登場した2代目のS130型は、この北米型S30型を発展させたようなスタイリングを持つ。ヘッドライトのレイアウトなどはキープコンセプトながら、バンパーはノーズとの一体感を増し、ウインカーが埋め込まれた。なお、5ナンバーサイズに縛られない2.8リッター車はオーバーライダーを備えるバンパーを装着。これが2.0リッター車との識別点になる。

1981年にはマイナーチェンジを実施。バンパーはオーバーライダーを一体化し、黒いモールを配したボディ同色タイプに刷新された。ターボモデルのボンネットに設置されたNACAダクトも、高性能を期待させる先進アイテムとして注目を集めた。ちなみに、S130型の人気を高める一助となったのが、TVドラマ『西部警察』シリーズに登場したスーパーZだ。ゴールドとブラックの2トーンやTバールーフを加工したガルウイングが印象的な特殊車両で、後期型2.8リッターの2by2がベースだった。


80年代のトレンドを採り入れる

大きく変貌したのが1983年に登場した3代目のZ31型だ。スタイリングは直線的になり、バンパーも歴代モデルのイメージを受け継ぎつつもフラットなパネルで構成される鋭角的な形状に変更された。ヘッドライトはZのアイデンティティとなっていた落ち窪んだ形式を維持しつつも角型となり、流行のリトラクタブル式を意識した上下に可動するパラレルライジング式となった。3.0リッター車はボンネット上の左側に別体のエアスクープを設定するなど、80年代のトレンドが随所に採り入れられ、直6からV6へ移行したエンジンと共に先進性を存分に主張するものだった。

1985年には、2.0リッター直6ターボを搭載した「200ZR」を追加。世界初のセラミックターボを採用し、エンジン上にインタークーラーを配置したのに合わせ、ボンネット中央に大型のエアスクープを設置。冷却性を高めつつ、迫力あるルックスを演出していた。


北米デザインスタジオ発

1986年実施のマイナーチェンジでは、日産の北米デザインスタジオが手がけたスタイリングを導入。ほぼすべてが改修されたボディパネルは全体的に曲面を採り入れ洗練性が高められた。バンパーや前面ウインカーも丸みを帯び、標準装備となったフォグライトを開口部内に配置した。

3.0リッター車にはワイドフェンダーを採用し、ホイールアーチがくっきり浮き出した2.0リッター車との差別化を明確にしている。エアスクープは直6ターボのみとなった2.0リッター車に用意され、ボンネット中央のバルジ上に左へオフセットして設置された。

初代からのイメージを大きく変えたZ31型。しかし、さらに大きな変化が、次の世代で訪れるのである。



歴代フェアレディZを写真で振り返る Z32型~最新RZ34型の【後篇】はこちら

文=関 耕一郎 写真=日産自動車 編集=新井一樹

(ENGINE Webオリジナル)
タグ:

advertisement



RELATED

advertisement