2026.04.10

CARS

新型日産フェアレディZが2027年モデルとして登場 新しくなったフロントマスクをはじめ、その進化を歴代モデルから紐解く

S30型にさらに近付いた新型日産フェアレディZ

全ての画像を見る
【全2回(前篇/後篇)の後編】

アメリカで2027年モデル、日本ではマイナーチェンジモデルとして発表された、新型「日産フェアレディZ」の新しいフロントマスクは、初代S30型への回帰をより強く印象付けるデザインだ。そこで、S30にはじまる歴代Zのスタイリングの変遷を顔に注目して振り返ってみたいと思う。3代目Z31型までを紹介した前篇に続き、後篇ではZ32型から最新のRZ34型までを取り上げる。

【前篇】初代S30型~Z31型まで 歴代フェアレディZを写真で振り返る
 
***

ワイド&ローのキャビンフォワード


1989年に登場した4代目のZ32型では、それまで基本形としてきたアメリカンスポーツを思わせるロングノーズ&ショートデッキから、ワイド&ローでキャビンフォワードのヨーロピアン・スーパースポーツ風のスタイルに生まれ変わったのだ。

フロント周りでは、60度もの傾斜角をつけたヘッドライトが目を引く。ライトを奥に配置し、クリアカバーをかけたようなビジュアルはZらしさを感じさせつつも先進的なデザインで、先代の可動式より空力や重量面でも有利だった。のちに、日産がR390のロードバージョンに流用したほか、ランボルギーニがディアブロの改良時に使用されたことでも知られている。


低いボンネット

ヘッドライトから連なるボンネットは低く、隆起の目立たないデザイン。S130型やZ31型のようなダクトやエアスクープも設置されていない。ターボ車のインタークーラー用のエアインテークはバンパー下部の両サイドに備わり、細い横スリットが3本ずつ切られている。バンパーの中央には開口部を持つ黒い帯状のインサートがあり、その両側にはフォグライト、さらに外側にウインカーとポジション灯を配している。

1998年の改良を受けた最終型ではバンパー形状を大幅に変更。全体がボディ同色となり、2段に分割されていた中央のグリルや3本スリットのサイドダクトは開口部を一体化した。下端は別体リップスポイラーのように見えるデザインとなっている。


2000年8月に一旦幕を降ろす

そして2000年8月、Z32型は生産を終了。フェアレディZは一旦、その歴史に幕を降ろす。当時は排ガス規制の強化や長引く不景気、ミニバン人気の爆発的な高まりなど、スポーツカーには逆風吹き荒ぶ冬の時代で、多くのモデルが姿を消した。Zもその流れに飲み込まれた形だ。

それでも、アメリカのデザイン部門が「240Zコンセプト」と銘打ち、S30型を現代解釈したようなデザイン・プロポーザルを独自に製作するなど、次期Zの待望論は絶えなかった。そして2年後、その名は再び蘇ることになる。


スカイラインをベースに復活

短めのブランクを経て、2002年に5代目のZ33型でフェアレディZの名前が復活する。V35型スカイラインが初出のFR-Lプラットフォームをベースに、全体的に厚みのあるボディと高い位置に配置した縦型ヘッドライトを採用。保守的なZマニアからすれば違和感のあるデザインだったかもしれない。フロントのエンブレムがZ専用ではなく、日産のコーポレートマークとなったのもZ33型からだ。

丸みのあるノーズに四角く切られたグリルには3本の横フィンを配置。両サイドには縦に長いリフレクターを設置した。2005年にはヘッドライト内部やリフレクター周辺の形状を変更し、グリルのフィンが2本に、また2007年にはエンジン換装に合わせてボンネットが新形状となったが、いずれも変化はごくわずかだ。


モータースポーツの影響を受ける

標準車のほかに、2004年には限定車のタイプEを販売。JGTCでホモロゲーションを取得するためのモデルで、バンパーをフロントで180mm、リアで135mm延長。さらに後輪前にはダクト形状のサイドフィニッシャーを装着した。その顔つきはどことなくS30型のGノーズを思わせる。

2007年のバージョンニスモは、逆にGTレースカーのデザインを反映したようなスタイリングを持つ。タイプEのようなサイドダクトのないプレーンなロングバンパーに、大型フロントスポイラーを設置したインパクトある顔つきとなった。


ショートホイールベース化

2008年にはフルモデルチェンジで6代目となるZ34型へ世代交代。先代より全長を60mm程度短く、またホイールベースを100mm短縮。また、フロントのオーバーハングを長くすることでロングノーズ感を出している。ヘッドライトはブーメラン型として鋭さを演出。テールライトにも用いられたこのモチーフは、ティアナやジュークといった同時期の日産車に散見されるものだ。

デビュー時はバンパーのグリル下部に、牙と表現されることも多い、垂直翼のようなフィンが設けられていた。2012年にはマイナーチェンジで長方形グリルと縦型デイタイムライトを採用し、Z33型に似た顔立ちに変更。前期型の牙のような形状はグリル内に残されたが、ブラックアウトして目立たなくなっている。


ニスモの進化

Z33に続いて設定されたバージョンニスモは2009年に登場。Gノーズのように突き出した鼻先と、カナード風に張り出したバンパー両端、大型のフロントスポイラーで、先代より立体的な造形となっている。

2013年にはバージョンニスモがニスモへと名称変更し、翌年にはデザインを改修した。長方形から末広がりの台形となったグリルには横方向のブレードを設置。その下にはハの字スポイラー、両端にはデイタイムライトを一体化したダクトを採用するなど、シンプルだったこれまでとは異なり、より複雑な意匠になった。ウイングタイプからダックテールタイプとなったリアスポイラーなどとも相まって、レースカーのベース車両のようなフォルムから、ストリート向けのチューンドカーのような印象に一変している。


原点回帰の7代目

そして現在、Z34型のメカニズムを活用しつつ、初代のS30型を意識したデザインを採用したRZ34型となった7代目現行型フェアレディZだ。今年実施される予定のマイナーチェンジでは、さらにS30型に寄せたフロント周りに生まれ変わっている。Zマニアを満足させつつ、現代レベルの空力性能要件も満たそうとした新たなZ顔はもうすぐわれわれの前に現れる。



歴代フェアレディZを写真で振り返る 初代S30型~Z31型の【前篇】はこちら

文=関 耕一郎 写真=日産自動車 編集=新井一樹

(ENGINE Webオリジナル)
タグ:

advertisement



RELATED

advertisement