2026.04.14

CARS

レーシング・カーのベースから人気の“役物”へ!!「ポルシェ911GT3」の歴史を辿る! もともとは簡素で安価だった!? 【新型モデル登場記念・前篇】

ポルシェ911の新型モデルがまもなく登場!“GT3”にまつわる何かなのか?

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「ポルシェ911」における、GT3レースのホモロゲーション・モデルとして誕生し、自然吸気最強仕様というポジションを確立した“GT3”。いまやベース・グレードもターボ化された911にあって、唯一の自然吸気グレードとして、ファミリーを順次拡大し、近く新たなバリエーションの登場も噂されている。

さらなる“GT3ファミリー”を構築するのか!? それとも?


初めてこの名称が使われたのは1999年。996世代の911だった。この初代“GT3”はまさしくFIA GT3規定のホモロゲーション・モデルで、エアコンとオーディオは追加できたものの、リア・シートや遮音材は用意されないスパルタンなクルマ。サーキット・ユースを考慮して、バケットシートやロールケージなどを追加したクラブスポーツ・パッケージも設定された。



足まわりはサーキット優先のハードさで、路面とのクリアランスも小さい。日常使いにも支障がないカレラ系やターボ系とは、目指すものがまったく違うことを全身で主張するクルマだったが、水冷化やコストダウンなどネガ要素で996を敬遠した硬派な911マニアの心を捉え、瞬く間に完売。限定車ながら、増産されるに至った。




エンジンもまた、カレラ系などとは別物だった。排気量は3.6リットルで、製造効率より強度を重視した空冷時代のクランクケース構造を持ち、最高出力は+60psの360psを発揮した。トランスミッションも、カレラ用より耐久性の高い6段MTを搭載していた。



2003年には後期型へ移行。最高出力は381psまでアップし、ブレーキの性能も向上。デザインは、クリアランスを拡大したフロント・バンパーやウイング・タイプのリア・スポイラー装着などのデザイン変更を実施し、サスペンションはより公道志向のセッティングとされた。



さらに、2004年には“GT3 RS”を追加。カーボンのボンネットやリア・ウイング、ポリカーボネートのリア・ウインドウなどで軽量化し、よりハードなサスペンションを装備した。



2006年には997世代へ全面刷新。エンジンは先代と同排気量ながら、最高出力は415psにまでパワー・アップ。サスペンションは電子制御ダンパーを採用し、公道での使い勝手により配慮した仕様となり、自然吸気911最強モデルという性格を強めたが、トランスミッションは6段MTのみの設定だった。



そんな、ソフトになった“GT3”に飽き足らないという声に応えるべく、2007年には“GT3 RS”が登場。“GT3”よりリアを44mm拡幅したワイド・ボディながら、20kgほどの軽量化を達成している。リアのカーボン・ウイングや、サーキット志向のクラブスポーツ・パッケージも標準装備した。



2009年には後期型の997.2に“GT3”を設定。排気量は3.8リットルとなり、最高出力は435psへ。996がそうだったように、リア・スポイラーは左右ステーの一体型から、RS同様のGTウイング形状に変更された。



“GT3 RS”の後期型は2010年登場。450psの3.8リットル・ユニットや、アルミ・ステーのリア・ウイングを採用している。



翌年には4リットル化で500ps に達した“GT3 RS 4.0”が600台限定で販売された。量販仕様の水平対向6気筒としては、これが最大排気量だ。



車名どおりの出自ながら、人気に伴い次第に役物911の定番へと様相を変えたGT3。改良を重ね、敷居を下げ続けたが、次世代ではついに、乗り手を選ぶ最後のハードルさえ取り除かれることになるのである。

997世代に続く991世代以降については後篇にて。

文=関 耕一郎 写真=ポルシェ 編集=上田純一郎

(ENGINE Webオリジナル)
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