2026.04.16

CARS

レストモッドで蘇った2台のランチア・デルタ 1台を企画したのは往年の名ラリースト、ミキ・ビアシオン【オートモビルカウンシル2026】

2026年4月10日から12日までの3日間に、千葉・幕張メッセで開催されていたオートモビルカウンシル2026。そのテーマ展示のひとつであるレストモッドの世界のコーナーに、日本でも一世を風靡したランチア・デルタが2台飾られた。三菱とスバルの2強時代が訪れる以前、WRCを席巻したランチアを再構築したのは、このクルマに心奪われたラリードライバーたちだった。

お蔵入りになったモデルを蘇らせる


1台は「デルタ・エボ・マルティーニ・レーシング」。往年のマルティーニ・カラーに身を包んだのは、かつて開発途中でお蔵入りとなったデルタ・エボ3を現代に蘇らせたらというコンセプトで始まったモデル。このプロジェクトの発起人はマルティーニ・カラーのデルタ・インテグラーレで1988〜89年のWRCを連覇したミキ・ビアシオン氏だ。


2021年に8台製作


ベースとなったのは、デルタ・インテグラーレ・エヴォルツィオーネ2の最終型である1994年モデル。エンジンはグループA仕様をもとに、ECUなどに最新の技術を用いて、340psを発生する。ボディ剛性を高め、強化トランスミッションやツイン・プレート・クラッチ、ブレンボ製の最新版ブレーキなどを投入し、さらに進化したデルタの再現を目指した。

企画はデルタが40周年を迎えた2019年に始動し、2021年に発表。8台限定で製作されたとされている。


カーボンパネルで2ドア化


もう1台は「デルタ・インテグラーレ・フトゥリスタ」。こちらをラリードライバーのエウジェニオ・アモス氏が設立したアウトモビリ・アモスが2018年に発表したモデルだ。ベースは4ドアのデルタ・インテグラーレ16Vだが、2ドア化されているのがもっともわかりやすい変化だ。

ベース車を完全に解体し、シャシーのチェックやボディの3Dスキャン、1000か所以上の溶接による補強などを実施した上で、大部分をカーボンで製作したボディパネルを組み付けている。一見するとオリジナルのデルタに準じているエクステリアだが、フロントフェンダー前端の小さな張り出しにまで開口部を設け、リアにはディフューザーを設置するなど、細部に至るまでアレンジが施されている。


330psへチューンアップ


エンジンは、アウレリオ・ランプレディが設計した2.0リッター直4ターボを基礎として、吸排気系や冷却系、制御システムなどを刷新。330psまでチューンナップしている。

いまなお、ラリーファンの憧れの対象に数えられるランチア・デルタ。それが現代レベルの性能や信頼性で乗れるのであれば、出費は惜しまないというマニアも少なくないのではないだろうか。



文・写真=関 耕一郎 編集=新井一樹

(ENGINE WEBオリジナル)

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