2026.04.18

CARS

F1のウイリアムズの関連企業とも提携する、ポルシェのレストモッドを代表するシンガーのスゴさを紐解く【オートモビルカウンシル2026】

レーシーな雰囲気が魅力のシンガーDLS

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2026年4月10日から12日までの3日間に、千葉・幕張メッセで開催されていたオートモビルカウンシル2026。毎年、主催者が設定した主題に沿って車両を集めたテーマ展示が見どころになっている。今回はレストモッドの世界と題したコーナーには、興味深いネオヒストリックベースの4台が集結。そのなかでもシンガーDLSは、その名を知られながらも実車にはなかなかお目にかかれないレアカーだ。

ペースモデルとして964型911を使用


シンガー・ヴィークル・デザインは964型911をベースに、ナローこと初代901型のモチーフを取り入れたモデルをはじめ、ポルシェ911のモディファイを行うアメリカの会社。2009年に歌手のロブ・ディキンソンが創業し、リイマジンドと呼ぶ、創業者の理想の911を生み出し続けている。


現代風にアレンジ


会場にはシンガーのベーシックスタイルとも言えるクラシックが併せて展示されているが、これはまさにナローのスタイリングを忠実になぞったようなデザイン。それ対して、ダイナミクス&ライトウェイティング・スタディを意味するDLSは、そこに空力や冷却の性能向上を企図した現代風アレンジが加えられている。

シンガーはいずれのモデルも車両を徹底的に分解し、内外装からメカニカルまで入念にチェックすることから製作が始まる。剥き出しになったモノコックは、構造解析やシミュレーションに基づく複合材と鋼材の補強パーツにより剛性を高め、その先のステップに最適な土台を作り上げるのだ。


カーボン素材を多用


ボディワークは軽量・高剛性のフルカーボン。かのF1コンストラクターのグループ企業であるウィリアムズ・アドバンスト・エンジニアリングと技術提携しており、前後ライトのダクトやスポイラー、ディフューザーなどのエアフローを最適化するアイテムを多用しているが、旧車モディファイにありがちな後付け感はなく、ハイ・クオリティなパーツがみごとに統合されている。

ボンネット中央に露出したレーシーなフューエル・キャップやリア・フェンダーに設置してアクセスしやすくしたオイル・キャップは、クラシックにも見られるディテール。しかし、クラシックでは丸みを帯びたポリッシュ仕上げでヴィンテージ感を演出しているのに対し、DLSはキャラクターに合わせて、フラットでマットな仕上げのメカニカルな仕様となっている。

独自の4.0リッターを搭載


ホイールもクラシック同様のフックス・スタイルだが、サイズは18インチへ1インチアップし、センターロック・タイプを採用。タイヤは、パフォーマンス志向を強めたミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2だ。

964型の水平対向6気筒エンジンから流用するのはクランクケースのみ。シンガー独自設計の4バルブ化した4.0リッターは自然吸気で9000rpmまで回り、500psを叩き出す。トランスミッションは6段MTで、駆動方式はRRだ。


インテリアもしっかりと手が入る


インテリアもクラシック以上に手が入り、スパルタンなドアやシートなどが目を引く。メーターもベース車とはかなり異なる見た目で、オリジナルブランドの腕時計も扱う彼ららしく、凝った盤面を奢っている。

シンガーではこのDLSとクラシックに加え、930ターボにインスパイアされたクラシック・ターボや934を思わせるエアロボディをまとったDLSターボも設定するほか、先頃ターボ・ルックを現代解釈したワイドボディのクーペとカブリオレを発表。いずれも、設定台数が完成したら再生産は行わず、次のプロジェクトへ移行するスタイルで、その進化を追うのもおもしろい。



文・写真=関 耕一郎 編集=新井一樹

(ENGINE WEBオリジナル)

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