2026.05.26

CARS

さらなるパワーと無限の空を得た「ロータス・エミーラ420スポーツ」が発表へ【これに続く新生「エスプリ」にもオープン仕様はあるのか?】

ついに最高速300km/hの世界へ!「ロータス・エミーラ」が420馬力にパワーアップ&着脱式ガラス・ルーフを採用へ!

全ての画像を見る
英ロータスは、先日発表された“フォーカス2030”というブランドの新戦略の中で語られた、近々アップデートがされるという予告の通り、これまででもっとも軽く、もっとも速い、いわば最強の「ロータス・エミーラ」となる「420スポーツ」を発表した。

より軽く、より速く、より一体感が得られる味つけに!


従来の「エミーラ」の4気筒搭載の上位モデルである「ターボSE」をベースとしたと思われるこの「420スポーツ」は、メルセデスAMG製の2リットル直列4気筒ターボ・ユニット、M139を高出力化し、あわせてサスペンション・システムのリセッティングが行われている。



まずメルセデスAMGのM139については、最高出力が「エミーラ・ターボSE」比で15psアップの421psに。最大トルクが20Nmアップの500Nmまで引き上げられている。それぞれの発生回転数は、最高出力は4500-5000rpmで変わらないが、最大トルクは4500-5500rpmと幅があったのに対し、5000rpmとなる。1991ccの排気量や83mmのボア、92mmのストローク、圧縮比は9:01と変わりはない。



変速機は従来通り2ペダルの8段デュアルクラッチ式自動MTのみとなる。いっぽう12段階の調整式シートとカーボン・ファイバー製のパドル・シフトは新たな装備だ。



足まわりは、タイヤおよびホイール・サイズはリム幅、オフセットともども変更はないが、5mmのロー・ダウンおよび、伸び、縮み双方向の減衰力調整式ダンパーを採用。これに伴い、「エミーラ・ターボSE」比で全高はマイナス5mmの1230mmとなる。同時にトレッドは前がマイナス2mmの1624mm、後ろがプラス2mmの1608mmに変更。強大なパワーに対応すべく、セッテイングは見直されたようだ。

初代「エリーゼ」や「エヴォーラ」を産み出したハンドリング・マイスターであり主査でもあったロジャー・ベッカーの弟子で、現在はロータス・カーズ・ア・トリビュート・ディレクターという肩書きとなるギャビン・カーショウによれば、これらの改良により「ドライバーにさらなるコントロール性能とクルマとの一体感をもたらす」という。



空気抵抗係数は0.37と変わらないが、新たなフロントのスプリッターとベントの採用や、サイドシルの延長、エア・インテークの拡大などにより、アウトボード・ラジエーター、中央ラジエターへの気流がそれぞれ15%と14%、ブレーキ冷却性能が10%向上。スタイリングに関しては、かつての「エスプリ・ターボ」などロータスの過去のモデルへのオマージュも込められているという。車体サイズはこちらも「エミーラ・ターボSE」に比べ、全長はマイナス1mmの4413mm、全幅は変わらず1895mmとなる。

新たに設定された“ライトウェイト・ハンドリング・パック”は前述のダンパーに加え、チタン製のエグゾースト・システム、リチウム・イオンのバッテリー、カーボン素材のコンポーネント、タイム計測が可能な専用のロータス・トラック・パフォーマンス・アプリがセットとなっており、車両重量は「エミーラ・ターボSE」に比べて25kg軽量化した1430kgとなる。結果的に「エミーラ420スポーツ」の最高速度はプラス9km/hの300km/hとついに大台に達し、0-100km/h加速は4秒から3.9秒へと向上している。

「エミーラ420スポーツ」にはこのほか、オプションの“エクステリア・カーボンファイバー・パック”を設定。これを選択するとフロントのスプリッター、サイドシル、ホイールアーチ・ベント、サイド・ポッド、リア・スポイラー、ディフューザー・サラウンドがカーボンとなる。

ホイールやボディ外装色の仕立ても新たな選択肢が追加された。前者にはサテン・ダーク・グレー仕上げの20インチが、後者には「エミーラ420スポーツ」専用色となるタンジェロ・オレンジを設定。またインテリアにもステアリングやシートバックがカーボン仕上げとなる“カーボンファイバー・パック”と、中央コンソール、ステアリングのスポーク部、ギア・レバーのインナー、エアベント・サラウンドなどに専用のタンジェロ・オレンジを差し色として用いた“ハンド・ペインテッド・パック”が加わっている。

ついに念願の脱着式ガラス・ルーフが採用へ!


今回の「エミーラ420スポーツ」に伴い、既存のエミーラ・シリーズにも大きなアップデートが行われた。先代にあたる「エヴォーラ」の登場当時から熱望されていた、着脱式のスモーク・ガラス・ルーフが選べるようになったのだ。



かつての「エスプリ」に着想を得たというこのルーフの詳細はまだ不明だが、公開された写真からは、ドライバーとパッセンジャーの頭上部分が大きく開くことが分かる。

以前の「エスプリ」では脱着だけでなくチルト・アップも可能だったが、新たな「エミーラ」のこのガラス・ルーフは単純な手動の取り外し式で、専用の保護バックに入れてシート後方へ収納できるようだ。「エヴォーラ」では基本のシート・レイアウトが2+2(2+0仕様もあり)だったため、たとえルーフが外せたとしても保管場所がなかったが、2座仕様のみとなる「エミーラ」であれば、室内のシート後方のラゲッジ・スペースを有効活用し、納めることができる、というわけだ。大きな開口部ができることによる車体剛性の低下も、アルミの接着式シャシーを採用しているロータスであれば、過去の「エリーゼ」や「エキシージ・ロードスター」同様に、最低限で収まっていると想像できる。



なお先日、この「エミーラ」のアップデートと同時に公開されたフラッグシップのV8スーパーカーだが、まだ詳細は一切不明だし、コンセプトの「セオリー1」から特異なドアの開閉機構を受け継ぐかどうかにもよるのだが、「エミーラ」にこうしたガラス・ルーフが設定されたこと、往年の「エスプリ」へのオマージュがリリース内にも色々と散見することを踏まえると、オープン・エアを味わうことのできるバージョンの登場も、大いに期待できそうである。



最高速300km/hという、新たな領域へと脚を踏み入れた「エミーラ420スポーツ」。スペック的には「ポルシェ911」であれば「カレラT」と「カレラGTS」のほぼ中間となる。



日本仕様の「エミーラ・ターボSE」は1800万円台に留まっているが、「エミーラ420スポーツ」の価格設定はこうしたライバルのプライシングを鑑みると、おそらく2000〜2100万円前後となると予測される。スタンダードの「エミーラ」にも追加された着脱式ガラス・ルーフも含め、日本仕様の詳細や、価格の発表にもおおいに注目したい。

文=上田純一郎 写真=ロータス

(ENGINE Webオリジナル)
タグ:

advertisement



RELATED

advertisement