ロータスが、独自のX-ハイブリッド・アーキテクチャーを搭載したハイパーSUV「エレトレX」を欧州で発表し、受注を開始した。モーターのみで350km走り、トータルでの航続距離が1200km以上で、しかも9分で充電できるという触れ込みで、ロータスはプレミアムSUV市場に再び挑戦することになる。
ロング・ツーリングでの心の安寧とスーパーカーの加速力
「エレトレX」の核心はX-ハイブリッドと呼ばれるパワートレイン・アーキテクチャーにある。

これは70kWhという大容量かつ充放電に対応したリチウムイオン・バッテリーを軸とした900Vのシステムに、150kWの発電能力を持つオンボード・ジェネレーターと、主に発電を担う1974ccの4気筒ターボ・エンジンを組み合わせている。

「エレトレX」のグレードは「H550」と「H1000」の2種類。いずれも4輪駆動だが、エントリー・モデルとなる前者はシステム最高出力は550ps、最大トルクが935Nmで、0-100km/h加速は4.9秒をマークする。

いっぽうフラッグシップ・モデルの後者はデュアル永久磁石モーターによりシステム最高出力は952ps、最大トルクは同じく935Nmを発揮し、0-100km/hは3.3秒、80-160km/hも3.88秒という凄まじい加速性能を持つ。しかもバッテリー残量が約20%となった状態でも748psの出力を維持でき、山岳路やアウトバーンでの高速巡航でも性能が落ちないよう設計されている。
最高速度はそれぞれ210km/hと230km/hとなる。

充電性能も「エレトレX」の際立った強みだ。350kW対応のDC急速充電器を使えばバッテリー残量20%から80%までの充電に要する時間はわずか9分。加えて52リットルの燃料タンクを組み合わせることで、WLTPモードでの総合航続距離は1200km超、モーターのみでも最大350km走行が可能だ。給油と充電を組み合わせれば、長距離ドライブで充電スポットを探し回るストレスとは無縁だ。

シャシーは既存の「エレトレ」をアップデート。フロントがダブル・ウィッシュボーン、リアがマルチリンクというサスペンション構造はそのまま、2チャンバーのエア・スプリング、2ミリ秒以内に応答するデュアル・バルブ式アダプティブ・ダンパー、そして48Vアクティブ・アンチロール・コントロール(H1000のみ)を装備。空力面でも電動開閉シャッターと制動時に最大120kgのダウンフォースを生む可変リア・スポイラーを組み合わせている。

車両重量は純電気自動車の「エレトレ900」より最大120kgの軽量化を実現した。「H550」で2550kg、「H1000」が2615kgとなる。ボディ・サイズは全長×全幅×全高が5103×2019×1636mm(21インチ・ホイール装着時)で、ホイールベースは3019mm、最小回転半径が5.9mとなる。
「H1000」には6ピストンのブレンボ製ブレーキ・キャリパーを採用。タイヤはロータス専用開発のピレリPゼロ5 LTSを装着する。

インフォテインメント・システムであるロータス・ハイパーOSを中核に、23のスピーカーを組み合わせるKEFのオーディオ・システムなどを装備。

インテリア素材にはカーボン・ファイバーやアルカンタラに加え、アップサイクル繊維でありファッション・シーンで使用される高級糸のワイロン・トゥルーサイクルも用いている。

「ロータス・エレトレX」のドイツ、ベルギー、オランダ、スペイン、イタリア、フランス、オーストリア、ルクセンブルク、ノルウェー、スェーデンにおける価格はすでに公開されており、ドイツでは「H550」が9万6990ユーロ(約1800万円)、「H1000」が11万9990ユーロ(約2230万円)となる。
ヨーロッパ市場でのデリバリーは2026年第4四半期を予定。英国向けは右ハンドル認証取得後の2027年夏から開始予定とされているが、日本市場への正式導入は、現時点では未発表だ。
文=上田純一郎 写真=ロータス
(ENGINE Webオリジナル)