メルセデス・ベンツ日本が、東京・南青山の「Mercedes-Benz STUDIO TOKYO」を大幅に拡張し、新エリアをオープンした。クルマ、音楽、アートとともに、ブランドを体験できる場が、より身近に生まれ変わった。
ここでしか食べられないドーナツに、ここでしか見られないウォーホルの作品も?
“メルセデスの交差点”をテーマとして誕生したこの施設は、ドイツ・ミュンヘン、デンマーク・コペンハーゲンに継ぐ3拠点目で、お隣の韓国・ソウルでも展開している。

伝統と革新、静けさと賑わい、そして多様な価値観とメルセデスが交わる場として機能してきたが、今回の拡張では同ブランドの世界観をより深く体感できる新エリア、敷地内左手のMercedes-Benz LOUNGE(メルセデス・ベンツ・ラウンジ)が加わった。

ラウンジは、まさにメルセデス車のキャビンの佇まいだ。見事なまでにメイド・イン・ジャーマニーで統一。上質な音響体験を提供するBurmester(ブルメスター)のサウンド・システムを設置し、ドイツのプレミアム家具ブランド、ROLF BENZ(ロルフ・ベンツ)のファニチャーで空間を整えている。

ブルメスターのオーディオといえば、「Sクラス」や「マイバッハ」をはじめとするメルセデスに搭載されることで知られるブランド。ラウンジではそのサウンドを、クルマの外でじっくりと味わえる。

ここには盆栽ブランドTRADMAN'S BONSAI(トラッドマンズ・ボンサイ)の作品も展示され、日本ならではの芸術を、メルセデス・ベンツの空間にさりげなく織り込んでいる。

注目すべきはラウンジに併設されるミュージック・バー、PANAMERICANA BAR by MUSIUM(パナメリカーナ・バー・バイ・ミュージーアム)だ。ここは六本木で約10万枚のレコードを所蔵する、まるで保管庫のようなバー、MUSIUM(ミュージーアム)が運営。音楽体験とレコード・カルチャーを取り入れた空間の演出から、オリジナル・ドリンクとフードの開発までを一手に担うという。

“PANAMERICANA”の名は、1950年代にメキシコで開催された伝説の公道レース、カレラ・パナメリカーナ・メヒコに由来。この凄絶なレースで1952年にメルセデス・ベンツ「300 SL」が輝かしい成績を収め、モーター・スポーツ史に名を刻んだ。そのレーシング・ヘリテージに着想を得た、こだわりのラム肉、オリジナル・カクテル、ワインなど限定のフードが味わえるという。

デイタイムとバータイムの2部制なので、ランチでもディナーでも楽しめそうだ。

併設のMercedes-Benz Cafe by I'm donut?(メルセデス・ベンツ・カフェ・バイ・アイム・ドーナツ)のスペースも、クルマ好きには見逃せない仕掛けが。アンディ・ウォーホルが1986年、メルセデス・ベンツの創業100周年を記念して手がけたCars(カーズ)シリーズから2点が、期間限定で壁面に展示されているのだ。ディスプレイされるのはいずれもメルセデス・ベンツ・アート・コレクションの所蔵する本物で、世界初の自動車でありブランドの礎である「パテント・モトールヴァーゲン」とカール・ベンツ&ヨーゼフ・ブレヒトと、ブランドを象徴するモデルの1つ「300SLクーペ」をモチーフとしている。
1977年に設立されたメルセデス・ベンツ・アート・コレクションは800名を超えるアーティストによる約3000点を所蔵するヨーロッパ屈指の企業アート・コレクションで、その中からポップアートの巨人の作品を間近に鑑賞できる機会は、クルマとアートの双方を愛する人にとってぜったいに見逃せない。この展示は7月下旬ごろまでを予定しているという。

既存のアイム・ドーナツのエリアでも、今回のグランド・オープンにあわせ新メニューのメルセデス・ベンツ・スペシャル・キャラメル・エスプレッソを販売。いわゆるドーナツをイメージして口に入れると想像よりもずっと軽い食感で、エスプレッソのクリームも味わい深い。なおこのスリー・ポインテッド・スター付きのキャラメル・エスプレッソは、日本国内のアイム・ドーナツで食べられるのはここだけだそうである。

2026年はカール・ベンツが世界初の自動車特許を取得してから140年という節目のアニバーサリー・イヤー。“140 Years of Innovation”を掲げたメルセデス・ベンツは、先日導入された新型「Sクラス」、予約受付を開始した「CLA」など、ニュー・モデル投入を順次進めている。
そうした大きな流れのなかで、今回の拡張グランド・オープンが持つ意味は小さくない。ミュージック・バー、ウォーホルの作品、ドーナツで名を馳せるカフェ……既存のクルマ好きに向けたショールームとは一線を画すこれらのコンテンツを、ファッションとカルチャーの最前線である南青山・表参道エリアに集結させたのは、今まであまりメルセデス・ベンツを身近に感じてこなかった世代にも、クルマそのもの以外の入り口からブランドを体験してもらおう、という意図だろう。そうした狙いが、この施設からは透けて感じられる。

期間限定の約1年間のオープンという点も、常に鮮度を求める都市生活者の感覚に合わせたものだろう。

なお、もちろん食事やアートを満喫するだけでなく、この場所を起点とする最新メルセデス・ベンツ各車のテスト・ドライブも可能だ。

カフェ・エリアの背後には「GLB220d」、「GLC220d」、「G580」、「E220d」、「GT53」、「GT63S」など試乗車がずらりと並んでいた。
ここが南青山の新たな名所となるのは、間違いないだろう。
■Mercedes-Benz STUDIO TOKYO
所在地:東京都港区南青山5-1-1 OMOTESANDO CROSSING PARK
・TEST DRIVE
営業時間:11:00〜18:00(試乗最終受付 17:00)
・Mercedes-Benz Cafe by I'm donut?
営業時間:11:00〜18:00(L.O. 17:30)
・PANAMERICANA BAR by MUSIUM
営業時間:デイタイム 11:00〜18:00(L.O. 17:30)/バータイム 18:00〜23:00(L.O. 22:30)※営業時間は変更となる可能性あり
定休日:なし
文と写真=上田純一郎 写真=メルセデス・ベンツ
(ENGINE Webオリジナル)