高低差や凹凸をつけながら、色あいの異なるグレーの壁を巧みに組み合わせたファサード。道路に面した駐車場のシャッターを上げると、そこには夫人のメルセデスAMGが置かれている。だが玄関の右奥にあるもうひとつのシャッターをくぐり抜けると、その先にはフェラーリ458スパイダーとランボルギーニ・アヴェンタドールが……。ご主人のために作られた"スーパーカーのガレージ"だ。
三重県の新興住宅地に建つH邸の住み手は、開業医であるご主人と夫人、そして3人の子供たち。普段は朝7時から夜10時まで働く多忙なご主人は、予てから、貴重な休日を愛車と過ごせる終の住処をつくりたいと考えていた。そのために約150坪の分譲地を購入したのだが、難航したのが建築設計事務所の選定。29社をまわった末、ようやく東京・南青山に本社を置くプロスタイルデザインにたどり着いたのだ。
代表の古賀信寛氏が振り返る。「私が初めて現地に伺った時、ご主人が最寄り駅までトヨタのアルファードで迎えにきてくれたんです。その時、クルマに履かせていたのがBBSのホイールだった。いいですね、という私の一言で意気投合し、その後、2回のプレゼンで、躯体の設計からインテリアまでを任されました」
着工までの10カ月間、細かな打ち合わせを重ねた結果、スーパーカー用のガレージは、寝室や書斎からも見える位置に配置することにした。床や壁は室内と同クラスのタイル張りにし、エアコンも装備。ガレージをご主人がくつろげる、居住空間の一部として考えたのである。
「ご主人とはクルマ、夫人とは食の話題で、最初から自然に打ち解けることができた。やはり私の仕事の基本にあるのは信頼関係。依頼主と感覚的に通じ合えるというのは、とても大切なことです」(古賀代表)。最高の住まいは、施主と施工主の幸せな出会いによって生まれる、という好例である。
文=永野正雄(ENGINE編集部) 写真=プロスタイルデザイン
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