2019.03.20

CARS

マクラーレン570Sスパイダーは、ストイックな高級スポーツ・コンバーチブル

〔スポーツ編#07〕McLaren 570S Spider/マクラーレン570S スパイダー

マクラーレンの凄さここに。西川淳

マクラーレン製スーパーカーの走りの魅力といえば、軽量強固なカーボン・モノコック・ボディと強力無比なV8ツインターボ・エンジン、そしてアクティブ・サスペンション+可変式エアロの三位一体によって提供されるものだと信じていた。なかでもアクティブ・サスの威力は甚大で、街乗りの優しい乗り心地からサーキットでの自在なハード・ドライブまで、それがなきゃマクラーレンのロードカーは成立しないとさえ思っていたのだ。


ところがどうだ。アクティブサスと可変式エアロを省いた仕様の登場が、マクラーレンの地力を筆者が素直に受け取っていなかったことを明らかにしたのだった。570Sの、しかも屋根開きに乗って分かったことは、マクラーレン製スーパーカーの基本ポテンシャルがすさまじく高いということに尽きる。

公道を走るスポーツカーとしての性能を妥協なく追求した。アクティブ・サスや可変エアロ・デバイスはそれをさらに極限まで引き上げるための方策に過ぎなかったのだ。素の性能が既に超一級。さすが世界一のレース屋が造ったスポーツカーである。



カーボンの威力は凄い 桂伸一

マクラーレンすべてに共通するのは、レーシング・カー並みのエンジンをミドシップに搭載して、それを余裕で路面に伝えるシャシーを持つスーパーカーそのものの特性を、誰もが扱いやすく操れて乗れる"身直な存在"であることだと言える。

カーボンファイバー・モノコックの影響が大きい軽量感と軽快感、剛性感の高さを同時に味わわせ、ステアアリング操作すると自らがその方向に折れ込むかという勢いで曲がる感覚は、ミドシップのなかでも特にダイレクト感に満ちていて気持ちいい。


エンジンはアクセル操作に対して間髪入れずに3.8ℓターボがV8サウンドと共に沸き上がり、走れ走れと後方から急き立ててくる。一方、渋滞の街乗りを平然とこなす乗用車感覚の柔軟性に驚く。

ボディがスパイダーである事は、走行風が髪をなでる事と、気温の変化が如実に体感できる事で認識できる。ルーフを開けても剛性感やその他の運動性能はクーペと何ら変わらない点でも"カーボン・モノコックの威力は凄い"、と改めて思い知らされた。



普段の足にも使えそうな、不思議なクルマです

〔読者コメント〕

スパルタンな外観とは違い、硬くない乗り心地が印象的でした。意外にも街乗りに使えそうな印象を受けました。(中向恵一さん)
乗り心地の良さにびっくり。視界もよく運転しやすそう。オープンであることを感じさせない剛性感。(安藤研史さん)
ピカ一の剛性感。今までで一番ハードだが、乗りごこちよし。(大山 潔さん)
最近のマクラーレンは音もよく、カッチリとした走行性能はバツグン。リセール・バリューが良ければ○。(大野幸三さん)
「こんなの初めて…」と50歳すぎのオッサンが涙するスーパー・マシン。噂どおりのボディ剛性感、足まわり、視界の良さ。(池田達哉さん)
720Sも同じだけど、視界が良いのはイギリス車らしい。570Sなら毎日乗れそう。(乃美浩一さん)
オープン・ボディにもかかわらず、旋回や段差は何の問題も無く、安心して同乗できました。普段の足にも使えそうな、不思議なクルマです。(益田史明さん)
マクラーレンは初乗りでしたが、どちらかというとエントリー・モデルの570Sでも別次元! サーキットで思い切り走らせてみたい!(高橋晃一さん)


 マクラーレン570S スパイダーの解説&走行動画はこちら


マクラーレンのなかではベーシックな位置づけとなっている"スポーツ・シリーズ"のオープン・モデル。純レーシングカーさながらの強固なフル・カーボンファイバー製センターバスタブを核に、シンプルな機械構成を採る。これはオープン・モデル。リア・ミドシップ搭載された3.8ℓV8ツイン・ターボ・ユニットは最高出力570ps/7500rpm、最大トルク61.2kgm/5000-6500rpmを発揮。7段DCTを介して後輪を駆動する。全長×全幅×全高=4530×1930×1202㎜。ホイールベース=2670㎜。車両重量=1498㎏。車両価格=2898万8000円。

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写真=神村聖

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