近ごろボルボではSUVの「XC」シリーズがなにかと注目を集めていますが、ボルボと言えばステーションワゴンをイメージする人も多いかも。その中でも人気のモデルがV60です。確かにXCシリーズはエクステリア・デザインがカッコイイし、それぞれの個性が明確に出ています。しかし日本には立体駐車場問題があります。特に全幅と全高。その点、ステーションワゴンのV60は全高で不便をかこつことがないのはもちろん、全幅も1850mm。これだとタワーマンションなどでもバッチリ入るので、品川あたりのタワマンで今、大人気だそう。
またステーションワゴンでは荷室の広さも重要ですが、先代V60に比べると+100リッターともなる529リッターの大容量に。しかも床がフルフラットなので、荷物の出し入れがしやすいというのも嬉しいポイント。シートのサイズもたっぷりと大きく、縦型のエンタテイメント画面も先進感があります。さらに、文字は書かれていないのに直感的にスイッチの使い方がわかるのも凄い!さすがスカンジナビア・デザインの力です。
試乗個体のタイヤが季節限定で履かされていたオールシーズンだったことを差し引いても、昨年の新車おろしたて状態で乗ったときより、V60の乗り心地があからさまに良くなっていたことに驚いた。その理由はおそらく距離を刻んでいわゆる「アタリ」がついたからと推測されるが、ボルボは日本法人からして「うちのクルマは少なくとも5000kmは刻んでからが本領発揮」と明言するくらいに、その傾向が強い。「ナラシ運転」という言葉も今や死語に近く、精度を高めてそういう手間ヒマを不要とすることが技術的には正しいのだろう。
しかし、こういうボルボのような現象に出会うと「クルマがそれだけガッチリつくってあって、長持ちするということか……」などとニヤけてしまうのが好事家のサガである。最近は自動運転や自動ブレーキ、そしてシャレたデザインを大きな売りとするボルボだが、そのいっぽうで、こういう輸入車らしいアタリ話にヒザを叩きたくなるほど、いかにもビシッと芯と骨が通っていそうな剛性感あふれる乗り味もボルボである。
〔読者コメント〕
●リビングにいるような内装。クルマじゃないみたい。(田淵貞吾さん)
●内装の質感が非常に高い。快適さだけでなく必要十分な動力性能も持ち合わせている。ハイレベルなクルマ。(大屋 建さん)
●内装の色や素材の使い方がとてもおしゃれでした。(中向恵一さん)
●クリーンで洗練されている。6カ月待ちも納得のバランスのとれたクルマ。(西村明高さん)
●昔の無骨なボルボのイメージではなく、洗練されたおしゃれな感じ。好感を持った。(湯浅公正さん)
●ドイツともフランスとも違うインテリア・デザイン。しっかり曲がる足。ドイツ以外ならコレかもしれない。(三縄将丈さん)
●車内が明るくデザインがおしゃれ。人気が出るのが理解できる。(小山直城さん)
●独特なオーラを漂わせる北欧の貴婦人ぶりをひしひしと感じました。何事もつつみこんでくれる安心感。だけどモダンなエッセンスがキラリ!!(池田達哉さん)
V90&S90、XC60、XC40と次々にラインナップを刷新してきたボルボの最新ワゴン・モデル。日本からの要望で実現した全幅1850mmに抑えたサイズ感とV90譲りのスタイリッシュなエクステリアが魅力。T5インスクリプションは、FFの豪華装備版。ほかにベース・グレードのモメンタムがある。2リッター直4DOHC16バルブ・ターボは、最高出力=254㎰/5500rpm、最大トルク=35.7kgm/1500-4800rpmを発揮。8段ATを介して前輪を駆動する。全長×全幅×全高=4760×1850×1435mm。ホイールベース=2870mm。車両重量=1700kg。車両価格=599万円。
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写真=柏田芳敬(メイン)/神村 聖(サブ)
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