―― まずは、みなさんの1位を教えてください。
―― 令和最初のホット100、1位は2位と2倍近いポイント差をつけてアルピーヌA110となりました。
(佐藤)おー。
(竹岡)ホントだ。
(吉田)去年はポルシェ911GT3だったよね? っていうか、ずっとポルシェ911のイメージがある。
(佐藤)今年は4位。
(竹岡)リストが911型のカレラと922型のカレラSに分かれたでしょ? 票が割れたんじゃない?
(吉田)それにしても1位の得票数がすごい。44人中31人も選んでる。
(飯田)私、アルピーヌ乗ってないんです。すごく気になっているんですけど、選べなかった。
(吉田)私もちゃんと乗ってなくて、チョロッと動かしただけなんですけど、ドアを開けた瞬間にもうときめいちゃって。
(竹岡)何位?
(吉田)1位。見た目だけで。
(一同)おー。
(佐藤)由美ちゃんにも響いたと思うんだけど、Bピラーとドアのトリコロール・カラーのバッヂがいいよね。
(吉田)そう、あれ、すごくかわいい。あと、バケットシートのキルティングとか。
(佐藤)女子目線で見ても心が動くデザインだよね。
(藤島)でも、フランス車としては珍しくピュア・スポーツでもあります。私は箱根ターンパイクで乗ったんですけど、やっぱり軽いって偉いなあと思いました。ああいうところで、クルマに振り回される感じに私たちは慣れちゃっているじゃないですか。本当に驚くほど軽快だった。
(佐藤)電子制御というよりは、基本性能の高さで走らせている感じが気持ちいい。
(竹岡)潔いよね。
(佐藤)いまや少数派でしょ?
(吉田)ロータスとか。
(飯田)私、エリーゼがすごく好きなんだけど、どう違うのかが知りたい。
(藤島)裕子さんはエリーゼを20位に選んでますね。
(飯田)本当にあんなに楽しいクルマはない。私、"裸族"って呼んでるんですけど、なんにも付けてないあの軽さ。20位なのは一緒に暮らせないから。エリーゼ1台持ちは無理。
(佐藤)エリーゼほどストイックじゃないよ。
(藤島)トランクも一応付いてます。
(竹岡)エリーゼがレーシングカーなら、アルピーヌはスポーツカー。
(吉田)アルピーヌのほうがオシャレ。
(飯田)私、ボクスターを買ったんだけど、アルピーヌ買えばよかったのに、という人が結構いる。
(竹岡)屋根開かなくてもいいの?
(飯田)ボクスター買ったのはオープンというよりは乗り味だから。
(藤島)ケータハムが途中まで一緒に作ってたから右ハンドル仕様もちゃんとしてます。
(佐藤)まあ、メガーヌRSと同じエンジンで、メガーヌRSの方が大分安いというのはある。メガーヌRSの方がパワー出てるし。
(竹岡)メガーヌの方が重いからね。そもそもアルピーヌA110の名前がキュンと来ない?
(藤島)大人の男性が目をキラキラさせてて、そんなに響くんだと思った。きっと初代のイメージを上手に継承しているからだと思う。ボディのシルエットとか、先代に忠実に作られていて、空力は相当頑張ったらしいです。200㎞/h以上でもリフトしないように。
(佐藤)助手席の足元にもラリー車っぽいフットレストが付いている。演出が上手。
(飯田)重量は?
(竹岡)1110kg。
(佐藤)現代の安全基準を満たしながら、最軽量を目指したんだろうね。
(吉田)裕子ちゃん、どう? A110なら一緒に暮らせそう?
(飯田)ごめん。私たちまだ出会ってないの。
―― 2位はジャガーⅠペイス。
(佐藤)私、1位。
(藤島)私、4位。
(竹岡)私、5位。
(吉田)私、12位。
(飯田)私、これにも乗ってないの。
(竹岡)乗るとね、スポーツカーだよ。
(佐藤)私、いままで電気自動車って懐疑的だったんですよ。でも、Ⅰペイスは革新的で衝撃を受けた。これまでのパワートレインにとらわれないパッケージ・デザインになっている。EVになるとコモディティ化するとか言われてたけど、Ⅰペイスを見てそんなことないと思った。
(藤島)スポーティなジャガーの運動性能をEVのパワートレインで引き出している。バッテリーが床に敷き詰められていて低重心。首都高速を走ったんですけど、EVワンメイク・レースのドライバーになった気分でした。
(佐藤)やっぱり、クルマ屋が作ったEVなのよ。そこが私にEVに明るい将来ありと感じさせてくれた大きな要因だと思う。
(竹岡)アンダー・フロアがフラットだから荒れたオフロードでも使える。しかもモーターでトルクの立ち上がりが早いのがいい。
(吉田)そんなとこ走ったの?
(竹岡)ラリー・ドライバーだから。
(藤島)リーフeプラスがバッテリーをたくさん積んで実走行400㎞以上を謳ったけれど、高級車の方がそういう魅力的なEVづくりはやりやすいんじゃないかと思った。
(竹岡)Ⅰペイスも実走行400㎞以上って言ってるよね。
(藤島)つい踏んじゃいますけど(笑)。
―― 3位はプジョー508です。
(佐藤)私、これ乗ってないんだけど、セダンが3位ってすごくない?
(吉田)私、8位。
(飯田)私、11位。もともとプジョー&シトロエンって好き。508は新しいプラットフォームになって、ボディがガッチリした。一方、脚はすごくしなやかに動く。ドイツ車とは
違う頼もしさと柔らかさがある。
(竹岡)4ドア・ファストバックというカッコウもいいよね。
(飯田)内装も好き。いまのプジョーはステアリング・ホイールが小径で、女性の肩幅に収まる感じがいい。
(竹岡)ただ、アイ・コックピットと呼ぶ個性的なインパネは好き嫌いあるかも? 男の人は嫌いって言う人が多いよね。
(藤島)久実さん、嫌いって言ってましたよね?
(吉田)そうかあ。男性が嫌いなら、当然久実さんも嫌いだよね。
(一同)大爆笑!
(佐藤)笑いすぎだよ!
(藤島)男気のあるデザインです。LEDのデイ・ライトが牙のように見えるフロント・マスクも力強いようで、高速道路では何台もの前走車が車線を譲ってくれました。
(竹岡)で、トモちゃんは何位なの?
(藤島)選んでないんです。
(一同)おーい!
(竹岡)トモちゃんは何を選んだの?
(藤島)フランス車はルノー・カングーしか入れてない。
(飯田)私はシトロエンC3も入れた。
(藤島)なんか裕子さんらしいですね。女性的な心華やぐものに響く感性が裕子さんらしい。
(飯田)あら、嬉しい。ありがとう。
(藤島)一方、久実さんの20台選びはやっぱりオトコですね。
(吉田)期待を裏切らないよね。
(佐藤)はいはい。読者のみなさま、全員のリストをチェックしてください。
(藤島)だって、DB11、8シリーズ、スープラ、720S、ウラカン、488、コルベットとクーペばっかり。
(吉田)でもⅠペイスが1位なんだ。
(佐藤)そう。私の20台を見ると、どれだけⅠペイスのインパクトが強かったか、わかるでしょう?
(藤島)竹岡さんはゴージャスな感じ。
(竹岡)令和のお祝いでお財布のヒモは関係なしにしました。
(藤島)ランボルギーニ・ウルスが1位、ロールスロイス・レイスが2位ですからね。
(竹岡)ウルスはオフロード性能に感動したから。
(藤島)どんな場面だったんですか?
(竹岡)30度ぐらいのダート傾斜をゆっくり上っていって、途中で停まる。そこから再発進してもホイールスピンしないで上っていくのよ。あんなに重そうなのに、ちゃんとトルクをコントロールして。悪路試乗コースには深い水たまりもあったんだけど、苦もなく進む。スーパーカーなのに。
(藤島)本格派だったんですね。
(竹岡)そこ大事。ラリー・ドライバーだから(笑)。
(佐藤)ランボルギーニは本当にクルマが良くなったよね。
(藤島)客層も変わってきましたよね。これまでは周りの期待に応えてくれるような恰好をしている人が多かった。ヴェルサーチ! みたいな。
(吉田)ウルスが出たことで年齢層の若返りも出来たと思う。
(佐藤)ウラカンはちょっと、という人もSUVならOKかも。
(竹岡)コンビニ行けるしね。
(佐藤)レイス2位はなんで?
(竹岡)乗りやすいのよ。しなやかで。魔法の絨毯の乗り心地ってこれなんだって思った。
(吉田)トモちゃんの1位は?
(藤島)レンジローバー・スポーツ。オンロードの走りがすごくスムーズで長距離走っても全然疲れない。大きいけれど、思い通りに走れるからストレスがない。加えて堂々とした風格があって、イギリス車っていいなあと思いました。
(佐藤)もっとスポーツカーがガンガン入ってくると思ったのに。実用性が高いモデルが多い。
(藤島)私、これやって気が付きました。自分には2つの軸があると。自分でハンドルを握って楽しいモデルというのは全部そうなんですけど、そのなかでもゆったり走れるタイプと、飛ばして楽しいタイプがある。
(竹岡)レンジローバー・スポーツ、XC60、XC40、Fペイス、レクサスUX、CX-8とSUVが多いよね。
(藤島)それだけ魅力的なSUVが多いということですかね? いまの私にはリア・ドアはまったく必要ないんですけど(笑)。
(竹岡)大丈夫。それは君ひとりじゃない。
(吉田)あっ! ダイハツ・ムーヴ・キャンパスが17位!
(藤島)乗っている人を見るとカワイイなって思うんです。タントほど高すぎず、スライド・ドアで実用的。バランスのとれたパッケージングがいい。軽自動車だからといって寂しさがない。オシャレだと思います。
(竹岡)由美さんは結構、硬派だ。1位アルピーヌ、2位718ケイマン、3位ウルス。
(藤島)スポーツカーのなかでもGT系が多いのが由美さんらしい。レクサスLC、カマロ、Z4とか。TTも入っていて、美しいクルマが多い。ファッショニスタの定番、Gクラスもちゃんと押さえている。リストのなかで由美さんが一番似合うのは、マセラティ・グランカブリオですね。
(吉田)1月のエンジン大試乗会で白ボディ、赤内装の世界観にやられてしまいました。
(佐藤)私もこのクルマを入れたけど、イタリアン・デザインが素晴らしい。
(飯田)イギリス、フランス、イタリア、一口に赤と言っても色味が違うし、レザーの素材も違って面白い。グランカブリオは屋根を開けて、フェラーリの自然吸気V8サウンドを直に味わえるのがいいよね。それにしても由美ちゃんは本当に似合うね。
(藤島)裕子さんの1位はM2。
(飯田)サイズと万能ぶりで1位。あのM系エンジンのトルク感が自分にちょうどいい。メルセデスやアウディとは違う骨太感があって本当に好き。しかも女性が乗っていてもカッコイイ。ジャスト・ミート!
(佐藤)私も入れた。M2はギュッと凝縮された感じがいい。
(竹岡)買おうと思った。
(藤島)3シリーズが大きくなり過ぎちゃいましたからね。
(飯田)M2はE36型ぐらい。
(佐藤)初代M3の現代版。MTあるしね。
(藤島)そうかと思えばジープ・レネゲードなんかも入っている。
(飯田)レネゲードはジープ・ブランドを現代風に表現したクルマとして素晴らしい。兄弟車のフィアット500Xより、肩の力が抜けた感じがいい。それなのに、ちゃんと高い悪路走破性も持っている。
(竹岡)そこ大事。ラリー・ドライバーだから。しつこい(笑)。
―― 結局、5人全員が入れたクルマはなかったということですね。
(吉田)それぞれの個性が華開いたということで(笑)。
(一同)読者のみなさ~ん、令和もよろしくお願いしま~す!
語る人=飯田裕子+佐藤久実+竹岡 圭+藤島知子+吉田由美 まとめ=荒井寿彦(ENGINE編集部) 写真=茂呂幸正
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