2020.01.29

CARS

トヨタ86とスバルBRZ限定 ダート・ドライビング・レッスンが面白い! 

全日本ダート・トライアル選手権、福井ラウンドの舞台でもあるオートパーク今庄で、86/BRZ限定のダート・スクールが開催された。
本コースで豪快にドリフトする、鎌田選手ドライブのBRZ。同乗走行用の教習車としても使用したBRZは、86/BRZレースの車両をダート用にアップデートしたという。

エンジン・レーシング・チームの メンバーとしてもお馴染みのラリー・ドライバーの鎌田卓麻選手から、「FR限定のダート・スクールを開催するので参加しませんか?」と誘いを受けたのは、9月号の特集「日本のスポーツカーの現在」でスバルBRZを取材していたときだ。


一緒にいたレーシング・ドライバーの大井貴之さんと「やっぱりFRは運転が面白い」と盛り上がったこともあり、是非参加したいと即答した。


思い返してみても、長期リポート車で後輪駆動のクルマは担当したことがなく、本誌のドライビング・レッスンでも、走るのはいつもFFか4WDだった。そんなワタシに鎌田選手は「FRっていうのは、後輪で曲がるんですよ」と囁いて、ニヤリと笑う。そこが楽しいというのだ。


会場は、福井県にあるオートパーク今庄というダート・コースだ。スクールの最大の特徴は、参加車両がトヨタ86とスバルBRZに限られることだろう。参加者は数人で、ほとんどがダート・トライアルなどの競技経験者だが、なかには素のBRZで参加したビギナーもいた。


ワタシはと言えば、鎌田校長が用意してくれたレース用のBRZをダート用にアップデートしたスクールカーを借りての参加となった。ちなみに参加料は2万5000円である。


サイド・ターンを練習中の本誌シオザワの BRZ。少々迫力に欠けるが本人は一生懸命。
サイド・ターン中の車内の様子。
クールダウン中のBRZ。ギアは1速ホールドでエンジンは常に高回転なので、休憩は必須。
リア・タイヤは御覧のようにバースト寸前だった。

で、その内容はというと、初開催は基礎篇ということで、基本テクニックの徹底した反復練習を行った。メインとなったのはサイド・ターンだ。俗にスピン・ターンともいうが、ハンドブレーキを使って後輪をロックさせ、スリップしながら小さなアールで旋回する。


まずは参加者全員がサイド・ターンで8の字旋回を行い、マスターできた人だけが次のステップ(ハイスピードなコース)に進めるという仕組みである。


狭い砂利の駐車場に置かれた2つのパイロンの間を8の字で回るわけだが、パイロンの間隔も狭く、ただハンドルを切っただけでは回り切れない。まずは鎌田選手の同乗でポイントを教えてもらう。


ギアは1速固定。直進からハンドルを切って旋回が始まったところでハンドブレーキを引き、同時にクラッチを切るとロックしたリア・タイヤが外側にスリップする。すかさずアクセルを煽って回転を上げたままパンッとクラッチをつなぐとリアが砂利をけり上げながら大きくスライドしてクルリとターンが完了した。


鎌田選手はいとも簡単にこなすが、なにしろこちらははじめてダートでFRを走らせるわけで、まずハンドブレーキを引くタイミングが難しく、なかなかスライドさせることができない。せっかく練習にきているのだから、失敗してもいいからとにかくすべてのターンでハンドブレーキを引き続けた。


するとどうだ。10回に1回が5回に1回と徐々に上手く行く回数が増えるではないか。ターンのスピードと大きさをアクセルとカウンター・ステアでコントロールしながらリズム良く走れたときは実に気持ちがいい。


まあ、結局1日中8の字旋回をすることになったが、リア・タイヤがボロボロになるまで走れて大満足。是非、次回も参加したい。ダートのFRドライビング、楽しくて病みつきになりそうです。


鎌田校長。1回目は基礎篇という位置づけで、徹底的に基礎の習得にこだわったという。
地区戦や全日本のダート・トライアルに出場する選手たちが 集まった今回のスクール。

文=塩澤則浩(ENGINE編集部) 写真=伊吹浩明


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