2020.03.15

LIFESTYLE

ガラスと巨石と天然木が創り出す空間は必見の価値あり! 建築家の圧倒機な美意識が凄い絶景住宅!!

白浜誠氏が設計した絶景ハウス。

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父親が和風住宅を建てようと思って眠っていた丘の上の土地。施主はその場所に「石と木」のモダンな住宅を建てた。雑誌『エンジン』の人気企画「マイカー&マイハウス クルマと暮らす理想の住まいを求めて」。今回は、隈研吾建築都市設計事務所で隈さんの右腕的な存在として、外部の仕事も請け負うことができた白浜誠さんが設計した、屋外からでも屋内からでも“絶景”が望める贅沢で素晴らしい建築を紹介。デザイン・プロデューサーのジョースズキ氏がリポートする。

丘の上にある別世界

断っておくが、向こうに見えるのは、レストランでもショップでもない。石積みを入れると幅40mのサイズだが、れっきとした住宅だ。普段から松尾茂樹さん(会社経営・54歳)は、ここで生活をしている。この家があるのは、北九州市の丘の上。かつて父親が和風住宅を建てようとした土地だ。付近は大きな木々が茂る。時には野兎やキツネが現れ、猪に庭が荒らされることも。そんな自然豊かな場所だが、ここから徒歩で数分下ると、チェーン店が幾つも並ぶ典型的な郊外の幹線道路に突き当たる。丘の上は、別世界なのだ。

2階テラスを支える石積みに用いられた石は、敷地内にあるものの中でも小さな方。

さらに驚いたのは、この丘から松尾家の所有する島(共同所有で少し持っているだけと謙遜する)が、遠くの湾に浮かんでいるのが見えること。正式な名前もあるが、その形から地元で「ひょうたん島」と呼ばれている無人島だ。島を持っているだけでも凄いが、それを眺めることができる土地も所有しているとは。どこか別の国の話のようだ。

そんな絶景の地に、家を建てたいと思うのは当然だろう。父親はその時のため、年月をかけて巨大な石や原木をスライスした厚板を集めていた。大きな石は、重さが50トン近くも。そんな巨石が、敷地にゴロゴロしているのである。庭というより、古代遺跡の雰囲気だ。この放置されていた巨石や、厚板をカットした荒々しい風合いの木材(「古材」と呼んだ方が適当か)が松尾邸には使われている。外壁に留め付けされた古材は、竣工後5年を経て、さらにいい具合に経年変化していた。

松尾邸があるのは、木々が生い茂った丘の上。当初家の周囲には芝生を植えたが、猪に大部分を掘り返されてしまい、砂利を敷いて対応することに。結果、より非現実的な雰囲気を強調することとなった。家の東南側は全面ガラス張り。ポルシェの奥の室外機置場も、壁と同じように古材で覆われている。

ガレージは建物の下に2台分ある。愛車は15年乗っている993型のポルシェ911(1996年型)とジープ・ラングラー(2016年型)。スーパーカー世代の松尾さんにとって、ポルシェは憧れの存在だ。山口百恵の歌や、ロバート・レッドフォードが乗っていた映画「スパイゲーム」からも影響を受けた。だが何より、仲の良い友人が持っていたのが大きかった。実は、長年一緒にプライベートの時間を楽しんでいる3人組が居る。みんなクルマ好きだ。結局今は3人とも、993(それぞれタイプは異なる)とジープの2台持になった。たしかにこの2台は、最高の組み合わせのひとつだろう。だがそれ以上に、3人の仲の良さを感じさせるものだ。

もっとも松尾さんの仕事だと、ポルシェに乗る機会は限られる。仕事はもちろん、複数人でのゴルフやプレジャーボートを牽引するにも、活躍するのはジープだ。実はその前の1台もジープ・ラングラーである。今のパネル仕様の屋根のモデルとは異なる幌のタイプで、10年で20万キロも乗った。便利なうえにデザインも気に入っており、できればもっと乗りたかったが、調子が悪くなりそれ以上は諦めた。

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