2020.03.15

CARS

【試乗記】ロールス・ロイス・カリナン・ブラック・バッジに石井昌道らが試乗! 「重量を感じさせない」

ロールス・ロイス・カリナン・ブラック・バッジとは、どんなクルマ?

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カリナンはロールス・ロイス史上初のSUVとして2018年のヴィラデステでデビュー。ブラック・バッジはダークで都会的なキャラクターを前に打ち出したシリーズで、レイス、ゴースト、ドーン、そしてカリナンに設 定されている。

後席は3座ベンチ・ シートないしは2座のインディビジュアル・シートを選択可。6.75ℓ V12ユニットは最高出力600ps/5250rpm、最大トルク 86.7kgm/1700‒4000rpmを発揮する。全長×全幅×全高=5340×2000×1835mm。ホイールベース=3295mm。車両重量=2720kg。車両価格=4530万円。


石井昌道の意見! 重量を感じさせない

SUVや4WDなどロールス・ロイスにとって初モノ 尽くしながら、乗れば熟成の極みみたいな味わいをみせるのがカリナン。ロールス・ロイスはもともと全高もヒップポイントも高めなのであまり違和感がなく、むしろ取り回しやすくなっている。スクエアで直線基調のボディだから車両感覚が掴みやすく、街中でも案外と臆せず乗れるのだ。さすがはショーファーとしても一流だけあって微・低速でブレーキやアクセレレーターが扱いやすいのも街で走りやすい要因だろう。


そのほか、圧倒的な静けさや、うっとりとさせられるV12の伸びやかなフィーリングなどスゴいポイントはいくつもあるが、もっとも感動したのが峠道でのハ ンドリングだった。コーナーでステアリングを切り込んでいったときのロールやノーズの動きが極めて滑らかで連続性があること、少ないステアリング操作で狙ったラインを寸分違わず射抜けることなどお見事。良くできたライトウエイト・スポーツのようにヒラヒラと舞う感覚さえある。まったく重量を感じさせないのが一番のスゴさだ。



斎藤 聡の意見! 格別のライド感

ロールス・ロイスお前もか! カリナンがデビューした時、正直そんな気分になった。けれども運転席のドアと、その後ろの観音開きドアをあけ放った瞬間、そこには今まで見知ってきたSUVとは別次元の世界が広がっていた。室内はそのまんまロールス・ ロイスの世界観。毛足の長い絨毯、素晴らしく手触りのいい革シート、たっぷりした室内の空気量、インストゥルメント・パネルとセンター・コンソールまわりのきらきらと光るメッキの華燭がいかにもゴージャス。そしてドアを閉めた瞬間、室内がしんとした静謐な空間になる。


エンジンは60°V型12気筒6748cc。ターボチャージャーが装着され最高出力600ps、最大トルク 86.7kgmを発揮する。エンジンの設計自体は親会社であるBMW製だが、そのチューニングはロールス・ロイス独自のものなのだろう。圧倒的なトルクによってあくまでもジェントルに、しかし力強く車速をあげていく。身のこなしはあくまでもエレガント。しんなりし たライド感覚は格別だ。


島下泰久の意見! 唸りっぱなしになる

思わず「そびえ立つ」なんて表現したくなる存在感。しかもサイド・ドアは観音開きなのだから、荘厳という表現が思わず頭に浮かぶ。パープルのコーディネートはドギツさとギリギリだが、これをアリと思わせるのが英国車だよなと改めて感心させられた。高い位置に腰掛けると、よく見渡せるノーズの先にはスピリット・オブ・エクスタシー。気分が昂ぶらないわけがない。


そしてエンジンを始動させても室内は静寂が保たれたまま。いや、走り出しても風切り音くらいしか耳には届かない。右足に力を込めると乾いたサウンドが響くが、この日パワーリザーブのメーターが80%を下回ることは一度も無かった。余裕である。クルーズ・コントロールの加速すらジェントルなことにも、またまた唸らされてしまった。乗り心地は柔らかくて、まるでクルーザーのようだが、タイヤのエア・ボリュームは少し足りないかも。そんなことも思ったけれど、このクルマで肝心なのは後席に座ってどうかである。次のチャンスがあれば、その時には臨時のショーファーを連れて行こう。



清水和夫の意見! ドイツ車にはない味

高級車の王様が作ったカリナンというSUVに乗ってみた。意外なことにコテコテのSUVかと思ったが、ちょっと背が高いド高級セダンという雰囲気で、実際にハンドルを握っても運転は楽しかった。例によってターンパイクをゆっくりと走る。制限速度は50km/h。もし、同じBMW傘下の7シリーズだったら、このスピードは退屈だったに違いない。だが、不思議なことにカリナンはそう感じない。速く走るだけが能ではないよ、と教えてくれる。この感覚は速度無制限のアウトバーンを意識するドイツ車にはないキャラクターではないか。 


ブランドには恐ろしい魔力がある。世界中の自動車メーカーがブランドを口にするのも理解できる。だが、そうは問屋が卸さない。数十年でブランドが確立できるほどユーザーは無知ではない。ちなみに確固たるブランドを築いたロールスにはこんな逸話がある。故障したロールスの修理代が請求されず、問い合わせるとロールスはこう言ったそうだ。「ロールスは故障などしないので、なにかお間違えでは?」と。



山崎元裕の意見! カタチがSUVなだけ

ついにロールス・ロイスまでがSUVの市場に参入するのか。最初はやや抵抗感はあったものの、実際にカリナンとネーミングされたそれに試乗してみた今は完全にそれを受け入れられる。なぜならそれは、たしかに背の高いSUVのシルエットを持つものの、各部位の比率など、ロールス・ロイス伝統のデザインの流儀を継承し、また走りにおいても歴代のロールス・ ロイスと変わらぬ快適性を実現したモデルであったからだ。


ベース・モデルに搭載されるエンジンは571psの最高出力を誇る6.75ℓのV型12気筒ツイン・ターボで、これはファントムと共通。ただし最大トルクはファントム比では若干低く、86.7kgmという数字が スペック・シートには表示されている。これはよりワイ ドでフラットな最大トルクのエリアを作るため、と考え てもよいのではないだろうか。カリナンがオフロード走行をも考えている証明だ。それにしても、カリナン の走りはスムーズの一言に尽きる。たまたまSUVのシェイプを持って生まれたロールス・ロイス。カリナンとはそういうクルマなのである。


(ENGINE2020年4月号)

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