カリナンはロールス・ロイス史上初のSUVとして2018年のヴィラデステでデビュー。ブラック・バッジはダークで都会的なキャラクターを前に打ち出したシリーズで、レイス、ゴースト、ドーン、そしてカリナンに設 定されている。
後席は3座ベンチ・ シートないしは2座のインディビジュアル・シートを選択可。6.75ℓ V12ユニットは最高出力600ps/5250rpm、最大トルク 86.7kgm/1700‒4000rpmを発揮する。全長×全幅×全高=5340×2000×1835mm。ホイールベース=3295mm。車両重量=2720kg。車両価格=4530万円。
高級車の王様が作ったカリナンというSUVに乗ってみた。意外なことにコテコテのSUVかと思ったが、ちょっと背が高いド高級セダンという雰囲気で、実際にハンドルを握っても運転は楽しかった。例によってターンパイクをゆっくりと走る。制限速度は50km/h。もし、同じBMW傘下の7シリーズだったら、このスピードは退屈だったに違いない。だが、不思議なことにカリナンはそう感じない。速く走るだけが能ではないよ、と教えてくれる。この感覚は速度無制限のアウトバーンを意識するドイツ車にはないキャラクターではないか。

ブランドには恐ろしい魔力がある。世界中の自動車メーカーがブランドを口にするのも理解できる。だが、そうは問屋が卸さない。数十年でブランドが確立できるほどユーザーは無知ではない。ちなみに確固たるブランドを築いたロールスにはこんな逸話がある。故障したロールスの修理代が請求されず、問い合わせるとロールスはこう言ったそうだ。「ロールスは故障などしないので、なにかお間違えでは?」と。
(ENGINE2020年4月号)
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