フェイスリフトを受けた新型シボレー・カマロは2020年1月の東 京オートサロンでお披露目された。新装備としてGMジャパンが ゼンリンデータコムと共同開発した通信車載ナビゲーション「クラウドストリーミングナビ」を採用する。コンバーチブルのエンジンは2リッター直4ターボで、最高出力275ps/5500rpm、最大トルク400Nm/3000~4000rpmを発生する。トランスミッションは8段AT。後輪駆動。車両本体価格=643万円。6.2リッターV8を搭載する最強クーペ、カマロSSもラインナップされている。
乗った瞬間に、スウッと気持ちがリラックスさせられた。まして試乗コースは湘南の海沿い、この大試乗会に参加の皆さんの日頃の行ないがよほど良いらしく、当日は快晴で見える景色は青い空と海。これでカーラジオから好きなA.O.Rでも流れてくればサイコーだな ......などと思いながら、気分よくカマロ・コンバーチブルを走らせていた。
このクルマのいいところは、小難しい話は抜きで、カジュアルに乗りこなせるところだ。搭載エンジンは2ℓの直4ターボ(275ps/40.8kgm)だが、踏めばしっかり加速を示し、まったく不満はない。最新モデルではゼンリンデータコムと共同開発したというクラウド・ストリーミング・ナビサーバーへのアクセスも可能だ。が、眼前のカラー・クラスター・ディスプレイには昔ながらの4連補助メーターが描写されていたり、シフトレバーもあくまでオーソドックスだったりと、適度なオーセンティックさを保っているところがいい。SUV?何それ?と、案外と時代に流されずに飄々としているところがいい。
この試乗会は海沿いを走る道が主な試乗ルートで、今回ここで、図らずもいわゆる"ドライブ”というものをうっかり満喫してしまったのがこのクルマだった。こういう仕事なんで、乗り出し直後は乗り心地や操縦性や機能性なんかをチェックしようと試みるも、青や緑の絵の具を混ぜたような深い色合いの海原を横目に見ながら潮風に頬を撫でられつつ運転していたら、極上のアロママッサージでも受けているかのように頭の中が空っぽになった。
この「空虚な快感」はオープンカーならどれでも味わえるものではない。コクピットがタイトだと開放感に欠ける。ステアリングゲインが高すぎると緊張を強いられる。つまらないエンジンだとせっかくのムードがぶち壊しになるし、ブレーキがイマイチだと運転のリズムが乱される。カマロは走る/曲がる/止まるが実によく出来ていて、イヤな思いをする場面がほとんどない。ボディとキャビンの雄大なサイズ感も絶妙で、自然と心穏やかになる。他の試乗をうっちゃってそのまま帰りたくなるくらい幸せ だった。
幌を開けて、爽快な冬の陽射しと湘南の風を感じつつ走ると、モモのあたりがちょっと寒い。ちょっと寒いのをガマンしながらのオープン・ドライブというのもまたオツである。日本には2017年に上陸した2ℓ直4直噴ターボ搭載のカマロのコンバーチブル。試乗車はそれを本国の2020年モデル風の外観に日本で仕立て直したモデルだそうだけれど、個人的には2ℓ直4直噴ターボがトルキーかつスポーティなことに驚いた。3000rpmあたりから金属的サウンドを発したりしつつ、7000rpmまでスムーズに回る。
第5世代の「バンブルビー」カマロから引き継いだプラットフォームは前後重量配分50:50で、山道をオン・ザ・レール感覚でこなす。20インチのホイール&タイヤを履いているのに乗り心地は上々で、ドッシンバッタンはほとんどない。開口部の大きな4人乗りオープンゆえ、ボディがややユルいのと、8段ATの変速がちょっとのんびりしているところが、このグローバル商品にどこかアメ車の味をふりかけている。そこがスゴい。いやアメ車なのだから当然か。
最後に乗った担当車がカマロのコンバーチブルだが、これが想像以上に気持ちいいクルマだった。まず白いボディに赤と黒のツ ートーンの内装がいかにもアメリカンな雰囲気で、乗り手の気分を盛り上げてくれる。オープンのままの運転席に収まって走り 出すと、2ℓ直4ターボ・エンジンと8段ATの組み合わせが思いの外にパワフルで、充分爽快な加速を振る舞ってくれるのがまずは凄いと思う。それにこの4気筒、けっこういい音を奏でるし。
と同時に、開口部の大きい2+2座のオープンなのに、緩さを感じさせないボディも凄いと思った。したがって、乗り心地もソリッドで快適である。だから、海辺のバイパスを流すだけでも気持ちいいが、それでは魅力を味わい尽くしたとはいえない。そこでターンパイクに攻め込むと、カマロ・コンバー チブルはもうひとつの魅力を披露してくれた。スポーツ・サスペンションとオールシーズン・タイヤが、スポーティなハンドリングを実現していたのだ。スポーツカー気分も味わえるカマロ、凄いと思う。
このアメリカンなオープンカーは、ダラっと気持ち良く乗れる究極のモデルと言えるだろう。275ps/40.8kgmを発生する2ℓ直4ターボ・エンジンは力強く、排気音はじつにアメリカン。パワー・フィールは力強さを強調したアメ車的なもので、エンジン・レスポンスには欠ける印象がある。ワインディング路でスポーティな走りを楽しもうとすると、ステアリング・センター付近に曖昧さがあり、ボディもややユルさを感じてしまう。そして速度を高めると風の巻き込みが非常に 大きい......。
そう、このモデルは攻めた走りをするス ポーツ仕様ではなく、ゆったりとオープン・エアを楽しむ走り方で引き立つよう調律されているのだ。適度にユルいハンドリング、硬すぎないボディ&脚まわりは突き上げの少ない乗り味を、巻き込みは風を感じ てゆったり走れ......というメッセージなのかもしれない。ドイツ車のようなカッチリしたスポーツカーを求める人には向かないだろう。ある意味で乗り手を選ぶクセのあるクルマだが、ハマればこれ以上ない魅力になるはず。味付けの巧さを感じる。
(ENGINE2020年4月号)
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