2020.06.14

WATCHES

ENGINE編集部が推す、2020年新作時計|ブレゲ

BREGUET/至高のコンプリケーションも新色でモダナイズ

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今年は、ブレゲらしい革新的な機構の発表は控えたものの、現行モデルに特別なカラーリングを施してひと味異なる魅力を引き出したのは秀逸だ。とりわけ美観で魅了するのは、伝統的なギヨシェ彫りと特別な"ブレゲ・ブルー"でダイアルを彩った「クラシック」の新作。ブレゲ・ブルーを高度なグラン・フーエナメルで作り出したダイアルを採用する超薄型の自動巻きトゥールビヨンも美しさは比類ない。トゥールビヨンと永久カレンダー、均時差表示を併せ持つ最高峰の複雑時計は、ローズゴールドのケースとスレートグレーのダイアルとの組み合わせでイメージを新たにした。



クラシック 7337

6時寄りにオフセットした時刻表示や12時位置のムーンフェイズ、左右対称の曜日と日付表示はアブラアンルイ・ブレゲ時代の懐中時計のダイアルを忠実に再現。クル・ド・パリをはじめとする各種の伝統的なギヨシェ彫り模様に組み合わせたブレゲ・ブルーの彩りが絶妙な美しさを作り出す。自動巻きムーブメントは、シリコン製の脱進機とひげゼンマイを用いる最先端だ。ホワイトゴールド、ケース直径39㎜、3気圧防水。税別 466万円。


 



クラシック 7137

上の新しい「クラシック 7337」と同様に、アブラアンルイ・ブレゲ時代の複雑時計から着想した古典的なデ ザインのダイアルにさまざまなパターンのギヨシェ彫りと美しいブレゲ・ブルーの仕上げを施す。自動巻き。ホワイトゴールド、ケース直径39㎜、3気圧防水。税別433万円。


 



クラシック トゥールビヨン エクストラフラット オートマティック 5367

自動巻き機構にペリフェラルローターを採用する超薄型トゥールビヨン・ムーブメントを用いたモデルに、伝統的なグラン・フーエナメルで仕上げた美しいブルーダイアルをセット。自動巻き、パワーリザーブ80時間。プラチナ、ケース直径41㎜、3気圧防水。税別1752万円。


 



マリーン トゥールビヨン エクアシオン マルシャント 5887

ブレゲの伝統に根ざすトゥールビヨン、永久カレンダー、均時差表示などの複雑機構を巧みに組み合わせた革新的なムーブメントを搭載するハイエンドモデルのローズゴールドのケースにスレートグレーダイアルを新たに採用。自動巻き。ケース直径43.9㎜、10気圧防水。税別2328万円。


 


時計ジャーナリスト・菅原 茂はこう見た!

色使いでかくもお洒落なイメージに変わるのかと感心したのが今年のブレゲだ。アブラアン-ルイ・ブレゲ時代のデザインと仕上げを忠実に守る「クラシック」では、シルバー仕上げがダイアルのデザインコード。カラーダイアルは禁じ手かもしれないが、新たな挑戦でブレゲの超古典的なデザインがモダンに思えるからカラーも悪くないのではないか。


ENGINE編集部・前田清輝はこう見た!

発表されたモデルは全て基本的に既存のモデルの追加バリエーションだが、改めて気づかされるのは、複雑かつ高精度な機能以上に、なによりもその美しさ。精緻に手彫りで施されたギヨシェやグラン・フー・エナメルをまとったダイアルは溜息ものだ。ダイアル上における配色も、その美しさを最大限に引き出すあたりは見事としか言いようがない。


文=菅原 茂(時計ジャーナリスト)/前田清輝(ENGINE編集部シニア・エディター)


(ENGINE2020年7・8月合併号)

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