2020.08.14

CARS

自動車ジャーナリストの大先輩、吉田匠さんが何台ものクルマを乗り継いで、ついにたどり着いた究極のポルシェとは

自動車ジャーナリストの吉田匠さん

全ての画像を見る

これまで出会ったクルマの中で、もっとも印象に残っている1台は何か? クルマが私たちの人生にもたらしてくれたものについて考える企画「わが人生のクルマのクルマ」。自動車ジャーナリストの吉田匠さんが選んだのは、「ポルシェ356B 1600スーパー」。ホンダS800を3台乗り継いだ吉田氏は、40歳の時にポルシェ911を手に入れた。その後、さらに911を3台乗り継ぐと、先祖返りして、356Bに辿り着いた。以来10年、蜜月は続いているという。

ポルシェ356は未だ飽きることがない

自分の人生に最も強い衝撃を与えてくれたクルマを1台だけ選べとは、なんたる難しいテーマか!


僕が20歳だった1967年に発売された直後、わが家初の自家用車になったホンダN360。まずはこれが、僕に運転する愉しさと自動車のある生活の素晴らしさを教えてくれた、衝撃のクルマだった。

自分で稼げるようになって初めて買ったオープン2座、ホンダS800も、ドライビングが愉しい上に普段の足にも使えて、スポーツカーなしではいられなくなる僕の自動車人生を決定づけた、衝撃のクルマである。ホンダSは、レース仕様のクーペを含んで3台を乗り継ぐ。

一方、71年に某自動車誌に編集記者として入った1年後、長期テスト車に導入されたシトロエンGSに乗って感じた衝撃、ハイドロニューマチックがもたらす乗り心地とハンドリングも、実に鮮烈だった。

某自動車誌では、74年にカレラRS3.0なるレース仕様のベースモデルのテストを担当したのを皮切りに、仕事で911に乗る機会が増えた。やがて86年に当時最速のスーパーポルシェ、959の国際試乗会に出掛けて以来、ポルシェの新型に乗るチャンスも急増していく。

だが、僕に最も大きな衝撃を与えた911は、カレラRS3.0でもなければ、959でもなかった。それは76年の晩秋、その雑誌の表紙を飾る撮影のため当時目黒通り沿いにあった三和自動車に借りにいった、いわゆる930ボディの標準モデル、2.7リッターの911Sだった。

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement