2020.09.05

CARS

最新ポルシェ911、国内イッキ乗り! クーペかオープンか、カレラかSか、後輪駆動か4WDか よりどりみどりで、悩みは尽きず!

どれを選ぶかは好みの問題

齋藤 僕は今回乗った4台についてまず言いたいのは、カレラSについていたスポーツ・シャシーは絶対にノー・サンキューだということ。あの硬さはサーキットに行く人以外には必要ない。毎日乗るのにはまったく適していない。それはともかく、全体について言うと、ポルシェは911をストイックなスポーツカーを求める人からラグジュアリーなGTスポーツを望む人まで、幅広い需要に答えるカタチで進化させてきたわけだよね。そのスポーツカーの究極にGT3やGT2があり、ラグジュアリー方面の究極にターボを頂点とする4駆モデルやカブリオレがあるわけだけど、そのすべての基本になっているのが素のカレラなんだと、今回4台に乗って改めて思ったね。今回の後輪駆動のカレラに乗ると、これをずっと突き詰めていくとGT3RSになるんだなということが想像できるし、一方、カレラ4カブリオレに乗ると、これをずっとラグジュアリーかつ速くしていくと、ターボ・カブリオレに行き着くんだなということが想像できる。クーペのスポーツカーに乗りたいのなら、カレラがいいと思うし、カブリオレでラグジュアリーに乗りたいのなら4駆のカレラ4がいいでしょう。そういう意味では、どれも同じ911で、2駆だから4駆だから、どちらがいい悪いということはなにもない。できることはほとんど同じで、あとはどういうのを好むかというテイストの違いだけなんじゃないかと思う。それはカレラとカレラSだって、クーペとカブリオレだって同じこと。もっと言えば、PDKかマニュアルかだって好みで選べばいい。どんな911を選んでも、満足感が得られないモデルなんてない。992型がすごいのは、いよいよそういう領域に行き着いたことだよ。


ブレーキもイエローのキャリパーを持ったオプションのポルシェ・セラミック・コンポジット・ブレーキ(PCCB)が奢られており、明らかにスポーツ志向の強い仕立てになっていた。

村上 なるほど、いい悪いの問題はもうない。あとは好きか嫌いかという選択になっているということだね。それだけにますます、いざ買うということになった時の悩みは尽きない。


上田 まずは齋藤さんがいうふたつの流れ、つまりスポーツカー志向かラグジュアリーなGTスポーツ志向かということで分かれますよね。それさえ決めたら、あとはどのあたりのグレードでという話になってくるのではないでしょうか。僕自身はスポーツカー志向の方へいくんだったら、911じゃなくても、もっとライトウェイトなロータスやアルピーヌみたいなものの方が楽しいんじゃないかと思うんですよ。だから911に求めるのはラグジュアリーなスーパースポーツやGTスポーツで、そうなると4駆の方がいいし、カブリオレの方がいいということになってくる。今回の4台の中では、カレラ4カブリオレが僕の理想にドンピシャのクルマだと思いました。


911 カレラ4S
ゲンチアン・ブルー・メタリックのカレラ4Sの試乗車には、リア・アクスル・ステアリングに加えてアクティブ・スタビライザーのポルシェ・ダイナミック・シャシー・コントロール(PDCC)もオプション装備されていた。それらの働きはいわば黒子そのもので、恐らくとても役に立っているのだろうが、普通に運転している限りはその存在に気付くことさえないだろう。

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話す人=村上 政(まとめ)+齋藤浩之+荒井寿彦+新井一樹+上田純一郎(すべてENGINE編集部) 写真=望月浩彦

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