2020.09.05

CARS

最新ポルシェ911、国内イッキ乗り! クーペかオープンか、カレラかSか、後輪駆動か4WDか よりどりみどりで、悩みは尽きず!

4モデルそれぞれの個性

荒井 ちょっといいですか。992型が圧倒的に乗りやすくなったのは間違いがないけれど、そもそも乗りやすさと実用性というのは、911が昔から持っていたものじゃないのかな。993を限界まで攻めたことなんてないから、その時にどういう挙動になるのかは知らないけれど、 僕が持っている911のイメージというのは、ものすごいガッチリしたシャシー剛性と、背中から押されるようなトラクションを持ったクルマだということ。それは992型も持っていて、これはやっぱり911だなと思った。それともうひとつは、乗る前はどのモデルに乗っても違いがわからないのではないかと思ったんだけど、乗ってみたら結構違うのにビックリした。で、僕もやっぱりカレラがいいと思った。4駆だとやっぱり少し重い感じがある。乗り比べると、軽い方がいいかなと……。


インテリアはツートーンのレザーを使ったオシャレな仕様で、ステアリング・ホイールはアルカンターラ仕様のヒーター付き。シートにもヒーターとベンチレーションがついていた。いずれもオプションだ。

村上 991型の時に、後輪駆動と4WDの乗り味がものすごく近づいた感じがあったよね。4WDの重ったるい感じが払拭されて。それにカレラとカレラSのエンジンも、991の後期型でターボ化された時に、パワーの他にあまり違いが感じられなくなった。その反動か今度の992型では、後輪駆動と4WD、カレラとカレラSの違いをむしろハッキリと打ち出そうとしているのかなと思った。4駆モデルから後輪駆動に乗り換えると、ビックリするくらい軽快な感じがしたからね。それは重量の問題だけじゃなくて、明らかに軽快な味付けにしてあると思った。 一方、2台の4駆モデルはと言えば、ドシンとした圧倒的な安定感を出そうとしているんだな、という感じが伝わってきた。そしてSは、音もパワーの出方もカレラやカレラ4とはひと味もふた味も違うアグレッシブな感じを前面に打ち出していた。そんな中で僕がカレラが一番いいと思ったのは、軽快感に溢れていたし、これ見よがしなところがどこにもなかったから。こんなに素直で気持ちいいスポーツカーはめったにないと感心した。残念ながら、オープンについては今回試していないけど……。


カレラSと同じ前20インチ、後21インチのホイール&タイヤを オプション装着していたものの、乗り心地は至って快適。ボディ・ カラーはドロマイト・シルバー・メタリック。

荒井 僕は都内でも箱根でもオープンで走ったけれど、本当に気持ち良かったですよ。今のちょっと閉塞した世の中にあって、開かれていることはやっぱりいいなと思いました。


上田 911は昔からスポーツカーであると同時にGTカーでもあって、万能のクルマという要素があると思います。今度のカブリオレに乗っていると、その911の万能感というのがさらに増したと思いましたね。カレラ4カブリオレはたしかに重かったし、カレラに比べたらおっとりした面はあったけれど、速くて使えて乗りやすくて、しかも屋根が開いてということになれば、ある意味911の理想形のひとつに到達したと言えるのではないでしょうか。 


荒井 うーん、僕は911カブリオレはどうしても昔から見た目が好きになれないな。 


村上 リアにエンジンが載っているからどうしてもお尻が大きくなってしまう。ちょっとミツバチみたいな感じがあるんだよね。


911 カレラS
ガーズ・レッドのカレラSの試乗車には10㎜ローダウンしたPASM付きスポーツサスペンションがオプション装着されており、乗り心地はハッキリ言ってかなり硬めだった。

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話す人=村上 政(まとめ)+齋藤浩之+荒井寿彦+新井一樹+上田純一郎(すべてENGINE編集部) 写真=望月浩彦

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