2019年、米ロサンゼルスでヴェールを脱いだ新型ポルシェ911の技術的進化を解説するワークショップがドイツ本国で開かれた。サーキットとウェット・コースでの同乗試乗も含めた、その詳細をお届けする。
ポルシェは重要なニューモデルを発表する時には、必ずその技術的進化をジャーナリストに解説するワークショップを開催してきた。その舞台となる場所は様々で、サーキットや民間のテスト・コースのこともあれば、ライプツィヒの工場、あるいはヴァイザッハの研究所で行なわれたこともある。いくつかの重要なテーマについてスペシャリストのレクチャーがあり、それにテスト・ドライバーの運転によるクローズド・コースでの同乗試乗がついて、半日ないし1日のプログラムというのがお決まりのパターンだ。ところがこの8代目911に限っては、なんと場所を変えて2日がかりで行なわれたのだから、いつになく気合が入っているのがストレートに伝わってきた。
1日目はホッケンハイム・サーキットを舞台にシャシー、パワートレイン、エレクトロニクスのレクチャーに同乗走行体験がついたテクノロジー・ワークショップが、2日目はシュトゥットガルト(正確にはツッフェンハウゼン)の本社に場所を移して、ボディとクオリティのレクチャーに加えて新しいボディ工場を見学するプロダクション・ワークショップが開かれた。

全体を通じて感じたのは、新型911は見た目こそ、どこから眺めても見紛うことなき伝統のスタイルを踏襲しているものの、その実、ついにすべてのアウターパネルがアルミニウム製になったボディや、今回新たに起こされて今後のポルシェのスポーツカーの骨格となるであろう新プラットフォームに象徴されるように、中身は驚くべき大きな進化を遂げているということだ。
もっとも、その変更の内容はかなりマニアックなディテールにかかわるものが多く、決して派手でも分かりやすくもない。しかし、そういう目に見えない部分の地道な改良の積み重ねで確実にパフォーマンスと日常的な使い勝手を向上させ、数メートル走っただけで驚くべき進化を体感できるようなものに仕立て上げるのがポルシェ流であることを、すでに私はよく知っている。
さあ、それでは、その新型911の決して派手ではないが確実にクルマを進化させた改良の数々について細かく見ていくことにしよう。
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文=村上 政(ENGINE編集部) 写真=ポルシェA.G.
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