2020.09.03

LIFESTYLE

火山灰を使う新素材でできた日本初の住宅! 打ちっぱなしでもあのコンクリート特有の臭いがしない驚きの家!!

シラス・コンクリートでできた日本初の住宅!

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雑誌『エンジン』の人気企画「マイカー&マイハウス クルマと暮らす理想の住まいを求めて」。今回は、67平方メートルの敷地に建つコンクリート打ちっ放しの住宅。三角形の窓が印象的だが、実はこの住宅、ただのコンクリート住宅ではなかった。デザイン・プロデューサーのジョースズキ氏がリポートする。【マイカー&マイハウス】過去の連載を読む

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技術的挑戦のある家

東京都渋谷区に建つKさん(52)夫婦のコンクリート打ちっ放しの家。彫刻のような造形が印象的だ。しかもこのコンクリート、よく見ると色が白くて肌理が細かい。付近の同じような建造物と比べると、それは明らかである。実はこのお宅、特別な素材で作られた住宅なのだ。

写真からも、シラスコンクリートの肌理細かさが伝わるだろうか。RCの四角い箱を、大きさの異なる三角形の窓で切り欠いた造形は彫刻のよう。建物は「R・トルソ・C」と名付けられた。玄関ポーチと階段、そして柱状の表札と一体になった建物から伸びる金属製の手摺も、支えの無い凝った構造。

そもそもKさんたちが家を建てたのは、定年になっても故郷に帰ることなく、住み慣れた都会で暮らすことを選択したため。今まで通りのマンション住まいでは、Kさんの趣味である音楽を楽しめる防音設備の整った部屋は望めない。そこで見つけたのが、都心の67平方メートルの土地である。

ここで問題になるのが、この面積の敷地に、車庫を確保するか否か。この件に関しては、「できるだけクルマで出かけたい」奥様の意見が採用された。二人は同じ県の出身だが、Kさんは駅に近いクルマの無い家庭で育った。一方、奥様の家には小さな頃からクルマが。対照的な二人の結婚当初は、通勤に必要なこともあって2台持ち。Kさんは友人から譲り受けたシトロエン2CV、奥様はMTのホンダ・インテグラの生活だった。その後インテグラはメルセデス・ベンツA160に代わり、1台持ちになる際に選んだのが、フィアット500 1.4 16Vスポーツ(2008年製)。「パドルシフトがあるので、運転が楽しい」そうだ。もっともこの敷地で確保できたのは、フィアット500でやっとのスペース。家の前は一方通行なので、右側のドアからは乗降できず、左のドアを利用している。



さて、Kさんはバブル世代。若い頃に流行ったコンクリート打ちっ放しが好きで、家を建てる時は、コンクリート住宅と決めていた。そして設計を依頼したのが、「マグリッツ」や「チカニウマルコウブツ」に惹かれた、アトリエ・天工人(テクト)の山下保博さんだ。事前の調査で分かっていたのは、山下さんがガラスや土などを用いて、これまでにない新しい素材を開発し、チャレンジングな試みを行ってきたこと。会社員ではあるものの、Kさん夫婦は科学者で、技術への挑戦には興味がある。自分の家も新素材の開発のために使っても構わないと提案したところ、山下さんのからの回答は「シラスコンクリート」だった。

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