2020.10.25

LIFESTYLE

食べに行くだけでも価値がある 最新ホテルで美食を楽しむ!「アマン京都・鷹庵」

料理はアマン京都の日本料理「鷹庵」の夜のおまかせコース(3万円、税サ別)より。 写真は5時間蒸してから肝と炊き、軽く焼いた鮑。

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各地に続々と誕生しているラグジュアリーホテルの中でも、「アマン京都」と「フォーシーズンズホテル東京大手町」は美食家の注目を浴びる2軒。そのダイニングの魅力とは?


マグロの赤身と水茄子糠漬けの寿司。オブジェとして空間を演出する器は、琳派の意匠を現代に受け継ぐ金沢の陶芸家、中村卓夫の「器になるコトをやめたうつわ」。

京都北部・鷹峯三山の麓に昨年11月に開業した「アマン京都」は、約2万4,000㎡の敷地に26室のみのラグジュアリー・リゾート。石と苔と山紅葉の庭に抱かれた敷地には深呼吸を誘う澄んだ空気が漂い、別世界のような静けさに包まれている。その一角に今年4月にオープンした「鷹庵」は、食事だけの利用もできる日本料理店。総料理長の高木慎一朗氏は、ミシュランの2ツ星をもつ金沢の料亭「銭屋」の2代目主人だ。高木氏は日本料理を日本文化のひとつとして海外に広めてきたことから、農林水産省の「日本食普及の親善大使」にも任命された料理人。ここ「鷹庵」では、「徹底的に旬にこだわった食材と器、花、空間を一体化させながら、日本料理の文化の本質に触れていただきたい」と語り、伝統と新しさが共存するコースを作っている。


たとえば香り高い一番出汁の煮物椀は紛うことなき正統派だが、コースの中には鰻のフリットとキャビアを合わせた揚物など、モダンな品も登場。コースの中盤では日本の食文化を象徴する寿司が、現代アートのような器で供される。その器は、金沢の陶芸家が琳派をテーマに制作した作品。というのも、鷹峯地区は琳派の創始者のひとりとされる本阿弥光悦の、江戸時代初期の拠点だからだ。かつてここで新しい芸術を生み出した光悦にならい、日本料理の新しい美学を発信しようとする「鷹庵」は、幅広い世代の美食家を魅了する一軒だ。


長さ11mの一枚板のカウンターは11席。24席のテーブルの内、12席は半個室(2室)となっている。
洛北の自然に溶け込む建物は、「アマン東京」などを手掛けたケリー・ヒル・アーキテクツの設計。
昨年11月に開業した「アマン京都」の客室。窓からは美しい自然の風景が広がる。


■鷹庵
京都府京都市北区大北山鷲峯町1番 アマン京都 Tel.050-3188-1303(レストラン予約) 営業時間12:00〜13:00 最終入店、18:00~20:00最終入店無休 要予約 www.takaan.jp


文=小松めぐみ(フード・ライター)


(ENGINE2020年11月号)

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