8年ぶりにフルモデルチェンジしたアウディQ3が、Q3スポーツバックとともにやってきた。FF、クワトロ、ディーゼル、ガソリン、品揃えも豊富!
とうとうやってきました2代目にあたる新型アウディQ3! 本国では2018年発売だから、お待たせしましたあ! である。待っていた人たちに朗報なのは、2019年登場のQ3スポーツバックも同時に上陸したことだろう。しかもQ3、Q3スポーツバックともにガソリン、ディーゼルの2種類が用意された。ヨーロッパで大人気を博しているアウディの小型SUV、満を持しての登場である。
箱根・芦ノ湖周辺で行われた試乗会の日は、黒い雲が空を覆うあいにくの天気だった。しかし、どんよりとした空気がかえってQ3の赤いボディやQ3スポーツバックの鮮やかな水色の外装色を目立たせていて、小さいのに存在感のあるクルマだなあ! というのが第一印象だ。
最初に乗ったのは、2リッター直4ターボ・ディーゼルのQ3スポーツバックだ。Q3よりも低いルーフラインを持ったクーペ・スタイルが特徴で、絞り込まれたリアがスタイリッシュなSUVであることを決定づけている。8角形の巨大なグリルと眼光鋭い横長のヘッドライトにより顔つきも精悍だ。
鮮やかなブルーのドアを開けると、アウディらしいモダンな内装がドライバーを迎えてくれる。インテリアにも8角形のモチーフが用いられていて、ダッシュボード、メーター・ナセル、エアコンの吹き出し口などエッジが立ったデザインである。これまでのシンプルでクリーンなアウディのインテリアとは趣を異にするが、未来感と若々しさを演出しているのは間違いない。
後席に座ってみると意外と広いのでびっくり。ヘッド・クリアランスも十分で後席での長距離移動も問題ないと思った。
キュッと引き締まったヒップ、そしてエッジーなコクピットのイメージ通り、Q3スポーツバックの走りはスポーティだ。走り出してすぐに助手席の茂呂カメラマンが「うわ! カタッ!」と呟くほど、足は引き締まっていて乗り心地は硬質である。
湖畔の一般道を走っている限りでは、エンジン音はとても静かだ。これってディーゼルだよね? と回転計の上限を確認したほどだった。低中速域からトルクのピックアップが良く、1710kgのボディをグイッと加速する。
箱根のワインディング・ロードはSUVのQ3スポーツバックにとって苦手どころか、うってつけの場所ではないか? と思った。不安なロールをみせるようなことはまったくなく、4輪がしっかりと路面をつかみ安定した姿勢でコーナーを抜けていく。気合を入れたコーナリングで、ググッとバネが縮んだ状態でも、なんの不安も感じなかった。アウディの高いシャシー性能とクワトロの組み合わせは熟成の域に達していて、素晴らしい。また、Q3スポーツバックに乗って改めて思ったのは日本の道なら、このぐらいの大きさが丁度いいということ。これなら立体駐車場が多い都内でも心配ないだろう。
深紅のQ3に乗り換える。内装の意匠はQ3スポーツバックと同じ。こちらは1・5リッター直4ターボのガソリン、FFモデルだ。とても爽やかな印象を持った。まず、車重が先ほど乗ったQ3スポーツバックより180kgも軽いのがいい。スムーズな吹き上がりのエンジンも軽やかさにひと役買っている。また、タイヤがQ3スポーツバックより1インチ小さいので、乗り心地がいい。
踏み込めば、グイッと加速するQ3スポーツバックに比べると、パンチ力は小さいけれど、最大トルク250Nmをわずか1500rpmで発生するフラット・トルク型のエンジンは扱いやすい。スロットルの踏み込み量は終始、浅いところでこと足りる。Q3スポーツバックに乗ったときは「飛ばそう」という欲求が少なからずあったけれど、Q3は湖畔をノンビリ走っていても欲求不満にならない。スピードの高低にかかわりなく、ドライブが楽しいと感じる。
Q3は438万円から、Q3スポーツバックは452万円から。大きさ同様、価格も身近だ。待っただけのことはあるQ3とQ3スポーツバック。楽しく迷えます!
■アウディQ3スポーツバック 35 TDI クワトロSライン(Q3 35 TFSIアドバンス)
駆動方式 フロント横置きエンジン四輪駆動(前輪駆動)
全長×全幅×全高 4520(4490)×1840×1565(1610)mm
ホイールベース 2680mm
トレッド 前/後 1580/1585mm
車両重量 1710(1530)kg
エンジン形式 直列4気筒ディーゼル・ターボ(ガソリン・ターボ)
総排気量 1968(1497)cc
最高出力 150ps/3500~4000rpm(150ps/5000~6000rpm)
最大トルク 340Nm/1750~3000rpm(250Nm/1500~3500rpm)
変速機 7段自動MT
サスペンション前 マクファーソンストラット/コイル
サスペンション後 ウィッシュボーン/コイル
ブレーキ前/後 通気冷却式ディスク/ディスク
タイヤ前&後 235/50R19(235/55R18)
車両本体価格 563万円(464万円)
文=荒井寿彦(ENGINE編集部) 写真=茂呂幸正
(ENGINE2020年11月号)
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
文=荒井寿彦(ENGINE編集部) 写真=茂呂幸正
advertisement
PR | 2024.11.21
LIFESTYLE
冬のオープンエアのお供にするなら、小ぶりショルダー! エティアムか…
2024.11.21
CARS
日本市場のためだけに4台が特別に製作されたマセラティMC20チェロ…
PR | 2024.11.06
WATCHES
移ろいゆく時の美しさがここにある! ザ・シチズン の新作は、土佐和…
2024.10.25
LIFESTYLE
LANCIA DELTA HF INTEGRALE × ONITS…
2024.11.19
WATCHES
エンジン時計委員、菅原茂のイチオシ 世界限定1200本! グランド…
2024.11.01
CARS
これは間違いなく史上最速のウルスだ! プラグイン・ハイブリッドのウ…
advertisement
2024.11.16
こんなの、もう出てこない トヨタ・ランドクルーザー70とマツダ2 自動車評論家の渡辺敏史が推すのは日本市場ならではの、ディーゼル搭載実用車だ!
2024.11.15
自動車評論家の国沢光宏が買ったアガリのクルマ! 内燃エンジンのスポーツカーと泥んこOKの軽自動車、これは最高の組み合わせです!
2024.11.15
GR86の2倍以上の高出力 BMW M2が一部改良 3.0リッター直6ツインターボの出力をさらにアップ
2024.11.08
【後篇】2024年総まとめ! 自動車評論家44人が選んだ「いま身銭買いしたいクルマのランキング!」 クルマ好きの人たちの深層心理がわかった!!
2024.11.12
BMW4シリーズ・グランクーペが初の変更 新しいヘッドライトと装備の充実で商品力を高める