フィアットの小型ハッチバック、パンダに限定車「パンダ・クロス4×4」が登場した。パンダ・クロス同様、以前日本でも台数限定で販売されたパンダの4輪駆動モデル、「4×4」をベースに専用のフロント・マスクなどで、オリジナルのパンダとは異なる独自の雰囲気を与えたモデルである。
エンジンは、通年販売されているFFモデルと同じツインエアと呼ばれる0.9リッター直2ターボだが、電子制御式油圧多板クラッチを用いたオン・デマンドタイプの4WDと6段MTが組み合わされるのが大きな違いだ。
水中メガネをかけたような愛らしい顔付きや鮮やかな黄色のボディ・カラーでいつものパンダとはちょっと違う外観もさることながら、魅力的だったのは走り。1150kgという車両重量に85ps/145Nmという出力だから正直言って遅いから、2000回転後半から上にあるエンジンの美味しい回転域に合わせて変速しないとあっという間に交通の流れから置いて行かれる。上手く走らせようとすると、左手と左足を何度も何度も駆使しなくてはいけないし、エンジンの回転数を把握するため常にクルマからの情報に耳を傾けていなくてはいけないので、でも、ただ、街中を流しているだけでも、けっこう疲れる。
でもなぜか楽しい。機械を操っている達成感に満ち溢れているのだ。つねに最適なギアに変速してくれる秀逸な2ペダルと、どの回転域でも大きなトルクが得られる最新のクルマに慣れ、すっかり甘やかされた体だと、「クルマの運転ってこんなに大変なんだっけ?」という思いを軽い疲労感とともに感じてしまう。しかし、そのあとすぐに「でも、面白かった」という満足感が湧いてくる。
というわけで、パンダ・クロス4×4は愛らしいデザインや4輪駆動による走破性ももちろん訴求ポイントではあるが、それ以上にクルマ本来の魅力を味わいたい人にオススメです。263万円で限定150台。
文=新井一樹(ENGINE編集部) 写真=宮門秀行
(ENGINE2021年2・3月合併号)
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
advertisement
2023.11.30
CARS
【12/10(日)大阪開催!】ENGINE ×ジーライオンMUS…
PR | 2023.11.25
CARS
「『駆けぬける歓び』の最新進化形」 新型BMW 5シリーズのバッテ…
2023.11.25
CARS
BMW i5 × GUCCI feat. ARATA IURA ス…
2023.12.02
CARS
【試乗速報】新型ポルシェ・カイエンPHEV、イッキ乗り! 新しいカ…
PR | 2023.11.27
WATCHES
これが「シチズン」の理想の2本! 高い技術力が生む機械式とクオーツ…
2023.12.02
CARS
乗る前は「期待と不安」だらけのアバルト500e はたしてアバルト版…
advertisement
2023.11.26
トヨタが提案する新しい短距離移動ツール、ランドホッパーは特定原付に属する折り畳み可能な電動3輪車
2023.11.29
「次女が生まれたのに2シーターなんて意味がわからない」と奥さんに笑われた 以来17年、993型のカレラRSを所有し続けるオーナーの空冷911との付き合い方とは?
2023.11.24
オリジナルよりも人気が出るかも!? ホンダWR-Vに独自デザインのグリルをはじめとする純正アクセサリーが登場
2023.11.23
「ソレックス・ツインキャブの味はやはり別格!」 初代トヨタ・セリカ1600GTをはじめ懐かしの国産旧車にイッキ乗り!
PR | 2023.11.27
これが「シチズン」の理想の2本! 高い技術力が生む機械式とクオーツのペアリングの妙