2021.07.22

CARS

「このクルマを手にいれることがなかったら、今はない」 貴重なアバルトやアルファ・ロメオのレーシングカーを所有するオーナーの人生を変えることになった一台とは?

1967年式アバルトOT1300シリーズ2ペリスコピオや1971年式アルファ・ロメオ1750GTV改グループ2仕様がガレージに並ぶ。

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ガレージに並ぶ美しいイタリア製のレーシング・カーたちはどれもがすぐに官能的なエグゾースト・ノートを奏で、全力で走ることのできる、素晴らしいコンディションだった。

走る宝石

大きなシャッターが上がると、小さな“走る宝石たち”がこぼれんばかりにきらめいた。前列の2台もマニア垂涎のイタリアンだが、奥に潜んだ揃えがいっそう凄まじい。左から順にアバルトOT1300シリーズ2“ペリスコピオ”、アルファ・ロメオ・ジュリア1750GTVグループ2仕様、そしてAMS171SP。いずれも1960年代後半から70年代前半を代表するレーシング・カーたちだ。

シリーズ1とは顔の表情なども異なる。9000回転近くまで回る“ガラスのエンジン”もスペアを一機確保されていた。


富士や鈴鹿の別荘ならいざ知らず、ここは姫路の閑静な住宅街。まさかこんな猛者が眠っているとは通りすがっただけでは想像できない。

「OTを買った当初はナンバーを取ったんですけど、この辺りを2回走って2回とも通報されました。レーシング・カーが走っているって」

満面の笑みでそう語る赤鹿さんはとても穏やかな紳士で、こんな獰猛なマシンを相手にサーキットをガンガン攻めている人にはまるで見えない。

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