2021.07.14

CARS

こびりついた長年の垢を落とす! つやつやのピカピカになった!【メルセデス・ベンツ300TE(1992)長期リポート #80】

過去13年間分の雑誌記事をWEBで再掲載している連載です。毎週水曜日12時更新。編集部に来てからずっと青空駐車の44号車。手がけワックスもままならず、気が付けばボディはカサカサに。そんな44号車を若返らせる丁寧なクリーニングを受けました。

advertisement


【初回を読む】2008年、エンジン編集部で124型の購入を決定!


こびりついた長年の垢を落とす! つやつやのピカピカになった!

今月の走行距離は1230km。いつもより少ないのは、ボディの洗浄、コーティング作業を1週間受けていたためである。2009年にボディ・コーティングを行ってからというもの、たまに水洗いをするだけだった44号車。青空駐車で風雨にさらされ、ミッドナイト・ブルーの外装色はカサカサになっていた。そもそも23年も前のクルマだから仕方ないと担当者も諦めていた。しかし、旧車の輝きを復活させるプロがいるという。早速、連絡を取った。

「まかせてください!」と応えたのは、東京・杉並の「千葉ガレージ」。最新のフェラーリから、希少なヒストリック・カーまでを扱うクルマ磨きの専門店である。

下回りから入念に洗っていく千葉さん。

洗車というと、ボディを水洗いし、ワックスをかけて、ついでにホイールを洗うというイメージがあるけれど、千葉ガレージはタイヤ、ホイール、そしてホイール・ハウスと下回りから徹底的に洗浄していく。作業は代表の千葉邦彦さんが行った。

「最も汚れているのが、路面からの跳ね上げが多いこの部分です。タイヤ周辺の次は、サッコ・プレートから下を綺麗にします」

5種類の洗剤を使って丹念に洗浄する千葉さんの作業を見て、歯科を思い出した。洗車が毎日の歯磨きだとすると、このホイール磨きは歯科医による歯石除去治療といったところ。1本のタイヤ&ホイール洗浄に約2時間もかける徹底ぶりである。ホイール・ハウスを覗き込むと、下地塗装のブルーがハッキリ見えた。こんな色だったのね、いまさらだが。

「1週間後をお楽しみに。デザイナーが意図したプレス・ラインを再認識することになると思いますよ」と、千葉さんは言った。

施工前(左列)と施工後(右列)の写真を並べてみた。今回はボディ塗装研磨、クリア樹脂のボディ・コーティング、ホイール・コーティング、エンジン・ルーム・クリーニングという1週間コースで24万3000円。1日の簡易コース(5万円~)や、究極のレストレーション・フィニッシュ(応相談)も用意されている。

施工前(左列)と施工後(右列)の写真を並べてみた。今回はボディ塗装研磨、クリア樹脂のボディ・コーティング、ホイール・コーティング、エンジン・ルーム・クリーニングという1週間コースで24万3000円。1日の簡易コース(5万円~)や、究極のレストレーション・フィニッシュ(応相談)も用意されている。

施工前(左列)と施工後(右列)の写真を並べてみた。今回はボディ塗装研磨、クリア樹脂のボディ・コーティング、ホイール・コーティング、エンジン・ルーム・クリーニングという1週間コースで24万3000円。1日の簡易コース(5万円~)や、究極のレストレーション・フィニッシュ(応相談)も用意されている。

施工前(左列)と施工後(右列)の写真を並べてみた。今回はボディ塗装研磨、クリア樹脂のボディ・コーティング、ホイール・コーティング、エンジン・ルーム・クリーニングという1週間コースで24万3000円。1日の簡易コース(5万円~)や、究極のレストレーション・フィニッシュ(応相談)も用意されている。

弓なりのショルダー・ライン

引き取りに行くと、パリッと若返った44号車がいた。

44号車のショルダー・ラインをクッキリ見るのは久しぶりだ。フロントのウィンカー・レンズからリアに向かってアーチ型に伸びていて、これがとてもエレガントな印象を与えている。また、磨き上げられたことで前後フェンダーのフレア(張り出し)が強調され、ちょっとワイド&ローになった気さえした。千葉さんからはさらに驚く報告を受けた。

「リア・ゲートのスリー・ポインテッド・スター、そして300TEのエンブレムは一度外して磨き、貼りなおしました。このクルマ、リ・ペイントしたときに貼る位置を間違えていたようなので、正しい場所にしておきました」

なんと、千葉さんはどんなクルマでもそのクルマ本来の姿に近づけることを心掛けているという。

「クルマが大好きで、目線はお客さまと一緒です。やっぱりこの年式のフェラーリはこうだよね、という共通の思いを大事にしています。たとえば、職人が手作業で吹き付け塗装、鏡面磨きをしたようなヴィンテージ・カーの場合、職人の磨き傷は残しますが、オーナーの毛バタキの傷は消します」

タイヤ・ワックスが無かった時代のクルマにはタイヤにワックスをかけないという徹底ぶりで、千葉さんによれば絵画の修復作業と同じモチベーションなのだという。

千葉ガレージ代表の千葉邦彦さん(右)と、スタッフの小黒涼介さん。センター・コンソールに敷いてあるカーペットのコーヒー染みまで抜いてくれた。 千葉ガレージ:東京都杉並区方南2-4-6 Tel.03-5913-7170  https://www.facebook.com/chibagarege

44号車の作業は大変に手間のかかるものだったようだ。

「部分的に再塗装がされており、そのクリア塗装膜の劣化がかなり進んでいました。ボンネットのヤケが酷いですね。それと高速走行が多いクルマなのでしょう、ハネ石による傷も多かったです」

それは44号車が春夏秋冬、働き続けてきた証だ。ありがとう44号車。これで機嫌よくしていてね。

文=荒井寿彦(ENGINE編集部) 写真=柏田芳敬

■44号車/メルセデス・ベンツ300TE
MERCEDES-BENZ300TE
購入価格:168万円
導入時期:2008年9月
走行距離:21万5660km

(ENGINE2015年9月号)

▶次の記事
#81 箱根だって楽しい【メルセデス・ベンツ300TE(1992)長期リポート】
 
▶前の記事
#79 一難去って……【メルセデス・ベンツ300TE(1992)長期リポート】

▶︎過去の連載一覧
メルセデス・ベンツ300TE(1992)長期リポート 記事一覧

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

タグ:

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement