2021.09.02

CARS

デメリットなし! プジョー508プラグイン・ハイブリッドに試乗!!

プジョーが掲げる「ザ・パワー・オブ・チョイス」戦略に基づき、電動、ガソリン、ディーゼルのいずれの動力源も選択できるようになった508。
3種のなかで最後に登場したプラグイン・ハイブリッドに試乗した。

お好みのパワートレインで

このところ矢継ぎ早に電動化モデルを投入しているプジョーだが、将来的な目標はさておき現在は「ザ・パワー・オブ・チョイス」というスローガンを掲げている。すなわち、電気自動車の一本足打法ではなく、あらゆるパワートレインの選択肢を用意してCO2排出量削減に取り組む姿勢を明らかにしている。新たに追加された508のプラグイン・ハイブリッド(PHEV)もその方針に沿ったもので、これを機に日本仕様はガソリンとディーゼルのグレードもGTに統一し、装備の差ではなくパワートレインの違いのみで選択するラインナップとした。



豪勢なレザー・シートはマッサージ機能も備わる。PHEV化によるスペースの侵食はないものの、もともと低くスリークなスタイルゆえに頭上の余裕は限られる。

特に後席は乗り降りの際に鴨居に頭をぶつけないように注意。

508は2019年に導入されたプジョーのフラッグシップであり、テールゲートを持つファストバックとステーションワゴン版が用意されている。新たに加わった508GTハイブリッドはC5エアクロスPHEVと同様のシステムを搭載。出力も変わらない。508もハイブリッド化を前提としたプラットフォームであるEMP2を採用しており、室内や荷室への侵食はない。ただし、バッテリー容量は11.8kWhとC5のPHEVなどよりも若干小さく、その分電動走行距離もやや短い56kmと発表されている。外部充電は普通充電のみである。GTに統一された508はいわゆるADAS系装備からレザー・シートまでを標準で、PHEVの価格は2リッターディーゼル・ターボに比べて約60万円高の607.4万円である。

プジョー独自の「i-cockpit」インストルメントパネルに馴染めるかどうかが鍵。デジタルメーターは各種表示スタイルを選べる。

外部充電は普通充電のみに対応。

比較的寝そべった姿勢で、ベーゴマのような多角形の小径ステアリング・ホイールを膝の間に抱えるような運転姿勢はこれまで通り、そのステアリング・ホイールの上端越しに眺めるデジタルメーターは相変わらず切り替え可能な表示パターンのどれを選択しても正直見やすいとは言えない。新しいことにチャレンジする心意気は買うけれど、このメーターと奇妙なロジックのインフォテインメントシステムだけは、馴染める人と拒否反応を示す人に分かれるだろう。ドライブモードは「エレクトリック」「ハイブリッド」「コンフォート」「スポーツ」の4モードで、基本は「ハイブリッド」でモーター走行によってスタートする。「スポーツ」以外ではスロットルオフで可能な限りコースティングする設定のようだ。ハイブリッドに慣れた日本人にはちょっと奇妙に感じられるこのような設定を気にしない、あるいはすぐに慣れるという人には508ハイブリッドをお薦めできる。短い試乗ではあったが、乗り心地にもハンドリングにもPHEV化によるデメリットは感じられなかったからだ。



文=高平高輝 写真=宮門秀行

(ENGINE2021年9・10月号)

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