2021.09.03

WATCHES

2021年注目の新作腕時計「パネライ」編

オンラインによるリモート開催となった世界最大の時計フェア「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ2021」を振り返る第7弾。パネライからはSDGsへ取り組むモデルを取り上げ、時計ジャーナリストの菅原 茂氏と エンジン時計担当の前田清輝がその魅力を解説する。

サステナブルのビジョンを反映する再生素材

今年のパネライが一段と鮮明に打ち出したのは、環境への配慮や持続可能な時計へのビジョンである。資源を循環させる製造業の新しい在り方を具体的に示したのが、時計の総重量の半分以上をリサイクルベースのスティール合金で製造した「ルミノール マリーナ eスティール TM」や、リサイクルチタン合金によるケースをはじめ、脱進機のシリコン素材や蛍光塗料のスーパールミノバまでもリサイクルというコンセプトウォッチの「サブマーシブル eLAB-ID TM」だ。サプライヤーとの連携を図りながら、世界に呼びかけていくというパネライの活動に注目が集まっている。


 
ルミノール マリーナ eスティール TM
時計の総重量の58.4%に相当する98gがリサイクルベースの素材で作られ、ケースやリュウズプロテクター、ダイアルにリサイクル合金のeスティール TMを用いる。また、グリジオロッチャ(グレー)、ブループロフォンド(ネイビー)、ウェルデスメラルド(カーキ)の各ダイアル色に合わせたストラップもリサイクルPET素材だ。自動巻き、3日間パワーリザーブ。ケース直径44mm、300m防水。105万6000円。10月発売予定。



 パネライらしい海をイメージさせる、美しいブループロフォンド(ネイビー)ダイアルのモデル。ストラップも同色で揃えている。



サブマーシブル eLAB-ID TM
総重量の96.8%がリサイクルベースの素材。ケース、ダイアル、リュウズプロテクターは使用済みチタンの含有率80%以上で航空宇宙グレードのEcoチタン製。ダイアルと針に100%リサイクルのスーパールミノヴァ、脱進機に100%リサイクルのシリコンを使用。自動巻き、3日間パワーリザーブ。ケース直径44mm、300m防水。世界限定30本。745万8000円。2022年発売予定。

時計ジャーナリスト・菅原 茂はこう見た!
国連が定める国際目標のSDGs(持続可能な開発目標)は時計にとっても避けて通れない。これが採択された2015年の頃の時計産業は、イケイケの好況に乗じて大量の新製品が作られ、ジュネーブとバーゼルの見本市を賑わせていた絶頂期で、環境への取り組みを表明するメーカーはわずか。企業理念がモノの価値を決める時代になりそうだ。

ENGINE編集部・前田清輝はこう見た!
海と深い関わりを持つだけに環境保護への取り組みも熱心なパネライ。リサイクル素材のeスティール TMに続いて今年は、「eLAB-ID TM」にてEcoチタン TMを採用した。機能やデザインも大切だが、こうしたサステナブルな取り組みはケース、ストラップ、そしてムーブメントにまで広がり、これからの時計作りに欠かせないだけに目が離せない要素だ。

文=菅原 茂/前田清輝(ENGINE編集部)

 (ENGINE2021年7月号)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録